永遠なる謎
昨日、池袋から新宿に行く為に山手線に乗った。
山手線は比較的に座れないので、私はいつもドア際のシート・サイドの壁に立つようにしている。
電車の中で読書をする私にとってはそこが特等席なのだ。
無事、特等席を確保し、本を開いたら、杖を突いた猫背の小さなおじいさん(?)風の人が乗ってきた。
ようやと歩いている感じだったので、ドア際にいた私は特等席をそっと退いた。
シートは空いていないので、立ってでも寄り掛かれる方が楽だろうと思ったからだ。
ただその人は、その柱を掴んだだけで、寄りかかりはしない。
見ているとほんの一歩足を伸ばすの大変そうなくらい弱々しい感じだった。
そんな様子だと他の人もその方に当然目が行く。
シートに座っている人がその杖を突いた方に席を譲るまでそう時間はかからなかった。
私の特等席はそのまま空席になってしまったので、私がスッとそこに戻った。
改めて本を開きなおして電車が出発。
池袋から目白、そして高田馬場に着き、ドアが開いて鉄腕アトムの音楽と共に駅員の
‘高田馬場~、高田馬場~’
とコールが流れた。
その席を譲ってもらった人は、高田馬場で降りる予定だったらしいのだが、
気が付くのが少々遅れた。
もう少しでドア閉まるといったその瞬間の出来事だった。
杖を持ったその人がパッと立ち上がり軽快な足取りで、杖も突かずに小走りで電車から降りていってしまった。
一瞬目を疑った。
‘普通に歩けるの?’
今の軽快な足取りは一体何だったのだ?
火事場のくそ力にも似た本能からの反射的な動きか?
それとも…….?
とにかくあの老人(?)のあの行動は私の中で永遠の謎になってしまった。
しかしテレビでネタになりそうな1シーンを実際見せてもらったのだから、
‘まあいいっか’
そんな感じの電車の中での一コマでした。
