ずいぶん時間がたってしまいましたが。
5月のカンボジア北部、ステントレンから西部のシェムリアップの様子です。

4~5年前まではこのルートは整備されていなかったので、6号線を通ってコンポンチャムに向かうか、プノンペンまで行って一泊したのだそうです。

農作物といえばカシューナッツ、マンゴー、バナナ、キャッサバなどがほとんどで、小さな田んぼが時々あるくらいです。

64号線は比較的小高いところを走るので、少し南には水田地帯があるそうです。

今回は道路の橋も新しく快適なドライブ、300㎞を4時間ほどで走破するという高速道路並みの走りでした(;^_^A。

メコン川を渡って一時間ほどでプレアビヒア州に入ります。その少し手前に、要塞かと思うほどの工場がありました。

中国企業のサトウキビ工場でした。見渡す限りのサトウキビ畑、道路整備が進む理由がわかる気がしました。

プレアビヒアに入って1時間と少し走るとプレアビヒアの州都プレアビヒア市が見えてきます。行程の半分が過ぎたことになります。

この辺りまで来ると村も増えて生活感が出てきます。昔からこのルートにも人がいたのでしょうが、大きな道はなかったそうです。

北部のタイ国境には500m級の山岳地帯があり、トンレサップ湖に向かって緩やかな傾斜になっているこの地帯には地下水が比較的豊富なことと、川もあるので地下水は豊富なのだと思います。

何より雨季には少し早いこの時期でも、道路周辺には雑草がたくさん生えていました。

プレアビヒアの街を過ぎると次第に果樹園が増えてきます。クーレン山を過ぎたあたりからは、田んぼも増え始め、パイナップルう畑もところどころにあり、ライムも育てられていました。

道路網が発達し、ジャングル(雑木林)は次第に少なくなります。台湾、韓国の企業があちこちで農場を経営しているそうです。

同行してくれた農業省の方は、いつも口癖のように「なぜ日本企業は果樹園をやらないんだ」と言われます。

果樹は、地味ですが確実に利益が出ます。ただし、初期投資が大きく5年くらいしないと本格的な収穫は見込めないので、資金的に無理だと感じるのかもしれません。

日本人は、カンボジアに来ると土地取得まで含めて10年以内に償却したいと思っているかの様な気がするのは私だけでしょうか。

農業にとって、土地は生産の場であり価値の下がらない工場であると私は思っているのですが・・・

プレアビヒアから1時間ほどでシェムリアップ州に入ります。でもここからは交通量も増え、100㎞位を二時間かかって終点のシェムリアップに到着します。

夕食は知り合いと話しながら、屋台のハンバーガーを食べるという、私にとってプノンペンでは経験のない楽しいひと時でした。

翌日は朝から車で、畑の視察でした。

昨日の道を2時間ほど戻って、村長の案内で畑予定地へ。

開墾が途中まで進んでいて、7月には作業に入れるようになるとのことでした。

一面畑が広がる農村部ですが、数キロ先にはガソリンスタンドが建設中だったり、カシューナッツやマンゴ畑が点在する地域です。

今年になって、ステントレン、クラチェ、シェムリアップに数回行きました。通訳なしで行くこともあり大変ではあるのですが、旧知のカンボジア人がステントレンの美味しいレストラン、メコン川沿いのリゾートでのランチ、肉牛生産の夢とか、パイナップルやブドウなどの話を熱心に話してくれます。

将来はカカオの生産もしたいので、植える計画の打ち合わせもしてきました。

輸出可能な作物はいろいろあります。一次加工が条件ですが、農業を企業として取り組むならば、一次加工は必須条件です。

難しい作物に挑戦するのもいいでしょうが、カンボジア人の技術を生かして安定生産し、販売面での支援ができれば農家はちょっとだけですがゆとりのある生活ができるようになります。

それは、雇用も含めた大きな支援でもあると思います。農家のほとんどは「安く買いたたかれる」という不安といつも戦っているのですから。

 

ステントレンからシェムリアップに向かうメコン川の橋です。

水牛、牛、鶏、犬、猫・・・・ 障害物競走かも。

中国のサトウキビ工場、写真ではわかりませんが、周囲にはサトウキビ畑のほか住宅もたくさんあります。

プレアビヒアの街を過ぎたあたり、快適なドライブが続きます。

時折見かける水田。川はないので、雨水期待です。

6号線まで30㎞のあたり。農道は砂利道ですが、あちこちで整備が進んでいます。

台湾系(?)のカシューナッツ農場の事務所。


開墾中の畑。中央の杭が境界の印。

切り倒された木を燃やしています。時間はかかるけど炭に焼けば付加価値が付くのですが。

きれいに燃えたように見えますが、手では動かないほど燃え残っています。

紹介された候補地、このキャッサバは一年後に収穫なので、却下・・・・

きれいに整備されたカシュナッツ畑。まだ乾季ですけど、一か月後に行ったら草ボウボウで農家の人が飼料用に刈り取っていました。

突然のスコール。ステントレンまであと1時間。

 

明日は最終日、朝からマルチの機械を組み立てて、パイナップル畑で試運転です。

日本製です。メーカーの方もまさかカンボジアまで来ているとは思わないでしょうに。

シェムリアップも含めて、全工程4日間が終了。一日を除いて通訳なしはさすがにきつい。

でも、機械を組み立てた農家の方々とは英語も通じないので、ほとんど身振り手振りでコミュニケーションしました。

農家という同業者は世界共通です。

農産原価、工場でいうところの製造原価ですが、日本でもカンボジアでも構造は似たようなものだと思います。

つまり、農場に投資しても売り上げから投資家の利益は出ないということです。じゃあどこで回収するのか。

何度も言っていますが、高品質大量生産を心掛け、販売戦略で付加価値をつけなくてはなりません。

地域の集荷業者に売って儲かるはずがないことは、すでに皆さん御承知のこととは思いますが。

中国からの投資でカンボジアの農場が成り立っているのは、出口があるということ(なはず)です。

高級車買うのをやめて、カンボジアに小さな果樹農場を作る。儲かりませんが、テラスでハンモックに揺られながら美味しいビールやフレッシュジュースを楽しむ。

お土産には自分の農場のカシューナッツ、ドライマンゴー、パイナップルジュース、などはいかがでしょうか。

 

 

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