農場を開くためには農地が必要です。

では、カンボジアの農地価格は一体いくらなのでしょうか。

 

私が聞く限りでは、700$~15,000$/haです。

そりゃあそのくらいの幅にはおさまるだろう、と言われそうですね。

北部のジャングルなら、700$/haくらいから。

これを開墾して、主要道路につながる道を整備すると、概ね2,000ドル/haくらいでしょうか。

もちろん主要道路までの距離や、地形によって差があります。

雨期に通れるのか、乾季に水はあるのかも大きな要素です。

一方で南部の胡椒産地ケップ特別市の胡椒栽培の中心地域では開墾済みですぐに胡椒を植えられる土地だと、15,000$/ha言われます。ただし、5年前から誰も買い手がついていないので、実際にはもう少し安いのでしょうね。

この水田も、必ずしも農家が所有しているとは限りません。

水田はできないけれど、果樹なら栽培できる丘陵地帯で2,000~3,000$/ha、胡椒ができる地帯ならプラス1,000$、灌木が生えている程度ならマイナス1,000$と言ったところでしょうか。もちろん開墾や、道路建設の費用が掛かります。

水田地帯はまた複雑な要素があるので、一言では言えません。国道沿いなら宅地並み、雨期に沈む田んぼなら安いとだけ書いておきます。そのくらい地域差があります。

つまり、農地の価格という日本的概念ではなく、資産価値としての価格がついている場合が多く、買うのか長期で借りるのかも含めて、ご自身で調査しなくては分からないのが実態です。

以前、貸してくれるというので、オーナーに確認してもらったら、一年で150$/haの田んぼが月150$と言われたことがあります。明らかに相手を見て価格を決めています。

カンボジアの土地はいまだに不動産バブルらしく、都市近郊ではとても農地を買うことはできません。カンボジアには日本のような農地法がないので、投機目的で買われた田んぼを農家が採算が取れるギリギリの価格で借りているのです。

そんな状況なので、湖を埋め立てて宅地化がどんどん進んでいます。そのせいで、雨期にスコールなどがあると町中に水があふれなかなかひかないとも言われています。

プノンペン郊外の湿地帯、埋め立てが進んでいます。
地方の丘陵地帯には未開発の地域が残されていますが、インフラ整備が遅れているカンボジアでは、農場までの道はおろか生鮮野菜などは消費地に届ける輸送手段がありません。安い農地で農業を始めたいのでしたら、最低でも一次加工をしなくては農場は立ち行かないでしょう。

でも、ちょっと勇気を出してGoogle earthをご覧ください。どんなところにでも、道路さえあれば果樹園があるのが分かります。そう、日本人には無理かもしれませんが、電気などのインフラが全くない地域でも農家はいるのです。そしてそこまで果物を買いに行く業者もいるということです。

日本の半分ほどの国ですが、稲作、果樹、ゴム、トウモロコシ、キャッサバ、ゴマや胡椒など、多様な作物が生産されています。機械化が進み道路が整備され、条件が良くなる頃には空き地はなくなるのではないでしょうか。

首都のプノンペンでは、世界中から多くの投資家が計画を進めている事でしょう。

夜のプノンペン市内。

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