春の長屋フェス・トークイベント◆4/27◆「絵本とジャーナリズム」
ゲスト:加古紗都子氏(TBS記者)

「絵本とジャーナリズム」 

~報道記者・加古紗都子と『少女兵士ピチャ』~

 

日時:4月27日(土) 11:00-12:30 

 

会場:本の長屋(東京・高円寺)

 

 

ゲスト:加古紗都子氏(TBS報道記者) 

1986年、兵庫県神戸市生まれ。2009年にTBSテレビ入社。報道局政治部、デジタル編集部、社会部を経て、現在は『報道特集』記者・ディレクター。性暴力やジェンダー、児童虐待をはじめ、女性や子どもを取り巻く社会問題を中心に国内外で取材を続けている。2023年春、性暴力被害者に密着したドキュメンタリー映画で監督デビュー。

報道の世界を志したのは、学生時代にバックパッカーとしてインドに滞在中、少女たちの人身売買の現場を目の当たりにしたことがきっかけ。現在は1男1女の母。世界が大きく変わろうとしているいま、子どもたちに“世界と平和”について伝える取り組みをライフワークにしたいと思っている。

 

 

聞き手:東條知美(絵本コーディネーター) 

1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒。

卒業後、銀行、メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、ビジネス書出版プロデュース社、公立校図書館に勤務。現在、絵本コーディネーターの肩書で活動を行う。

絵本を「ジェンダー」「共生」「支援」といった社会的な視点から読み解くスタイルで講演、講座、執筆、イベントに携わる。本の長屋では函店主として、社会課題をテーマに読書会を主宰。☆HP

 

参加費:500円

 

定員:20名  (小学生までのお子様は無料)

 

☆☆トーク終了後 絵本販売&著者サイン会も☆☆

 

🌟お申し込み

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info@honnonagaya.com までお名前人数(お子様の分は椅子の要不要も)・電話番号をお知らせください。

 

 

 

 

ごあいさつ(開催に寄せて)

 

 

こんにちは、絵本コーディネーター東條知美です。

2010年より「絵本」を真ん中に様々な活動を行っております。

 

イベントに先駆けまして、私がなぜこの企画を(自主企画イベントは約6年ぶり)立ち上げたのか?記してみたいと思います。

少々、いやかなり長くなり恐縮ですが、おつきあいいただけましたら幸いです。

 

 

絵本には普遍のテーマ(希望や優しさ)があります。いつの世もかわらない大切な事柄が書かれ、描かれています。

一方で、それがどのような内容であれ、「歴史と社会の記録」であることから逃れることはできません。

人の手が携わる限り、社会のなかに在る限り、絵本もまた映画、小説、テレビと同様「社会と人を映すメディア」なのです。

 

 

幼い子供向けのファンタジー(物語絵本)をイメージされる方が多いのですが、それだけではありません。

実在の人物を描く「伝記絵本」、戦争や震災をテーマにした「ドキュメンタリー絵本」「史実絵本」、時事を主題にした絵本などなど...社会を色濃く映す作品が数多く刊行されています。

 

東日本大震災の絵本、

コロナ禍の「密」をテーマに注意喚起する絵本、

ごく最近では、戦禍のウクライナから逃れた作家による絵本も出ています。

 

「絵本」もまた「ジャーナリズム」の手法たり得るのです。

 

 

私は現在、さまざまな「絵本」を皆さまに紹介しながら、同時にその背景を各種データ・資料から紐解くスタイルで講座・講演を行っております。

 

長年の実践を経て、「読むことで人はよく生きることができる」と信じる者です。

そこで、「絵本」「読書」を手がかりに個と社会の課題を見出し、よりよい未来を子どもたちに手渡しませんか...と呼びかけるようになりました。

学校での司書歴は15年、その後は指導にまわっておりますが、あらゆる活動はすべて読書推進のつもりでやっております。

(「ジェンダー」や「平和」といったテーマにこだわる理由、活動の動機につきましては、4/27イベントの中で少しお話をさせていただければと思います。)

 

子ども・大人と共に読みあい、「生きること」に向き合う中で、幾千の出会いがありました。

動きながら自分のなかに、あらたな問題意識の芽生えることもありました。

 

 

そんな私が『少女兵士ピチャ』(かこさとこ 文、絵/文芸社)と出会ったのは、ちょうど一年前(2023)の春のことです。

 

 

表紙には、子どもが正面を見据え銃を構える姿が描かれています。

小さな手、細い指と無垢な眼にまるで釣り合わない本物の銃。

背表紙には、ウガンダの民族衣装を思わせる柄が縁取られています。

 

この絵本は2020年3月、報道記者・加古紗都子さんが訪問したウガンダ(グルという町)の支援施設――元子ども兵を支援する施設で出会った女性、アチャン・ピチャさんへの取材内容をもとに作られました。

(表紙の絵は、加古さんがイメージした「少女兵士」のピチャさん)

 

 

ピチャさんは、ウガンダ内戦の際に8歳で連れ去られ、約十年もの間子ども兵士として生きることを余儀なくされた女性です。

 

小さな村で家族とつつましく暮らしていた少女がなぜさらわれ、兵士にさせられ、5年後には父親ほど年の離れた兵士と結婚させられなければならなかったのでしょうか?

 

愛しい故郷はなぜ、罪のない彼女の帰還を拒んだのでしょうか?

 

(裏表紙には、怯える少女の姿が描かれています)

 

 

実は、この絵本の刊行前にネットで情報を得た私は、「現実の子どもに起きた残酷、理不尽に気持ちが耐えられるだろうか?」と少し躊躇っておりました。

また、実在の子どもの運命としてはあまりにも重い内容に、同じような年頃の読者は苦しくなってしまうのでは、と心配になったのです。

 

しかし読んでみるとそれは、まったくの杞憂であるとわかりました。

 

子どもに解るように、戦争の怖さは隠さずに、しかしかれら(読者)のやわらかい心を傷つけることのないように...…そういった配慮が端々から汲み取れる作品だったからです。

 

そこにあったのは

土埃の匂い、「実在」の肌触り、まっすぐな言葉......

 

私はぜひ『少女兵士ピチャ』の作者に会ってみたいと思いました。

 

 

7ヶ月後、それが叶いました。

 

 

昨年11月、千葉県柏市(TSUTAYA)で行われたイベントでは、加古さんの絵本の読み聞かせから始まりました。

現地の話、少年兵のいま、ウガンダのピチャさんと中継をつないでのオンライン交流(質疑応答)まで、終始アットホームな雰囲気。親子の参加率の高いイベント。

 

画面の向こうには、眩しい太陽の下、笑顔のピチャさん。今はもうお孫さんもおられるのだそうです。

悲しい子ども時代を生きたピチャさん。

幸福を祈らずにいられない我々読者にとって、まことに勝手ながら、その大きな笑顔は何よりの贈りものと感じられました。

 

 

「職業訓練を受け、ウガンダでアクセサリーやバッグ、ぬいぐるみを作るようになった」と語るピチャさんは、素敵な商品を次々と紹介してくれました。会場(柏の葉T-SITE)では「日本人女性が立ち上げた会社」でピチャさんらが製作した品が販売されていて……その時に初めて気がついたのですが、わが心の友・江口絵里さんの著書(アフリカの貧困問題に立ち向かう起業家仲本千津さんの半生を書いた)『アフリカで、バッグの会社はじめました』(さ・え・ら書房)  この舞台こそが、ピチャさんの職場だったのです!

 

 


 

 

 

2023年11月 『少女兵士ピチャ』刊行記念イベント「アフリカの子ども兵士について知ろう」(柏の葉Tサイト)

 

 

「明日生きられるかわからない大勢の子どもがいることを広く届けたい」と語った加古紗都子さん。

この方のお話をもっと聞いてみたいと思ったのが、今回の動機です。

 

また、この時に聞いたあるお子さまの声が、今も耳から離れないのです。


 「誰がピチャさんを兵士にしたの?」 

 

「祈る以外に、わたしにできることはありますか?」

 

 

......本来、大人の私たちこそが考えるべき問題ではないでしょうか。

 

 

そんなわけで、加古さんにお声掛けし(ご快諾いただき感謝します)、函店主として参加する「本の長屋」春フェス企画として持ち込んだ当イベント。やります!

 

前半は、加古さんによる絵本の読み聞かせ、ピチャさんを取材した際の話、少年兵の話、絵本の制作秘話などをお伺いします。

「報道」と「絵本」の交差する時間

 

後半は「報道記者・加古紗都子」「絵本作家・加古紗都子」「働く母・加古紗都子」に焦点をあてます。

連日のように勃発する事件、事故、災害、戦争。生半可な気持ちでは関われないターゲット、ときに立ちはだかる巨大な力……

しかし加古さんは、「はじめから(自分の道は)報道と決めていた」と言います。

そのきっかけは何だったのでしょうか?

 

「報道の意義」と背中合わせにある「報道により生じうる傷」...このあたりへの思いも伺ってみたいと思います。

 (絵本も無関係ではありません。テーマや表現、作者のあり方が「子どもを傷つける」「自死を誘発しうる」「差別意識をはらんでいる」等の理由でキャンセルカルチャーの対象となることがあります。情報を発信する私の元に、厳しい意見が寄せられることもあります。こういった事象を見て見ぬふりをするのは簡単です。でも、できれば皆さんと一緒に考えてみたい。)

 

「夜討ち朝駆け」が当たり前とされる報道の世界で、小さなお子さん(二児)を育てながら第一線を走る加古さんの思いもお伺いします。

 

 

歴史や社会を映す絵本。

そこにもやはり作り手の願いがこめられています。普遍のテーマ(希望や優しさ)がそっと置かれています。


イスラエルとパレスチナ・ガザ地区をめぐる情勢が厳しさを増すなか、平和のために「ジャーナリズム」ができること、「絵本」ができること、私たちにできることとは?

一緒に考えてみませんか。

対面でしか得ることのできないリアルを、ぜひご体験ください。(小学生まで無料です)

 

「絵本とジャーナリズム」

世界の平和を願い、その可能性を探ります。


本に囲まれた百年の長屋で 皆さまをお待ちしております!

 

 

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🌟4/27㈯11時~12時半、定員は先着20名、参加費500円となります。

申込みはお早めにどうぞ。

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もしくはメール

info@honnonagaya.com までお名前人数(お子様の分は椅子の要不要も)・電話番号をお知らせください。

 

 

【トークイベント】「絵本とジャーナリズム〜報道記者・加古紗都子と少女兵士ピチャ〜」

日時: 4月27日(土) 11:00-12:30 

登壇: 加古紗都子さん(TBS記者) 

聞き手: 東條知美(絵本コーディネーター) 

販売・サイン会あり
会場:本の長屋

〒166-0002 東京都杉並区高円寺北3-8-13
(JR高円寺駅北口から、仲通り商店街へ徒歩5分)

 

 

~春の長屋フェス、ゴールデンウィーク最初のイベントとなります~



 

絵本コーディネーター東條知美