10/16 【戦争は】

 

戦争は何も見ようとしない

ミルクの大切さを

なにより 人間の大切さを

見つめることができないのよ

戦争は 

 

☆『なぜ戦争はよくないか』

(アリス・ウォーカー 文/ステファーノ・ヴィタール 絵/長田弘 訳/偕成社)

 
 
 
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10/16 【安心で包む】
 
だれにでも安心の場所が必要。
とくにちいさな子どもには。
 
はじめて出会う世界に目を輝かせるためにも
ふいに怖いものに出遭った日にも
 
 
みんな いるよ。
あんしんな ばしょに
いるんだよ。 
 
 
☆『ここにいるよ』
(竹下文子 文/鈴木まもる 絵/金の星社)
 
 
 
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10/16 【ありがとう、ぐるんぱ】
 
絵本『ぐるんぱのようちえん』の作者 西内ミナミさんの訃報。

 

 

 
『ぐるんぱのようちえん』(西内ミナミ 作/堀内誠一 絵/福音館書店)
 
絵本を読み、ぐるんぱ柄の袋にお昼寝用のパジャマを入れて、泣くながんばれがんばってと、我とわが子に言い聞かせた子育て期。
ほんとうにお世話になりました。
 
ぐるんぱはこれからも子どもたちに愛され、親に寄り添いつづけることでしょう。
 
 
 
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10/16 【ラジオでご紹介いただきました】
 
FMみょうこう エフエム上越 生放送(78.5MHz)『ひるどきラジオ ぴっとイン!』コーナー「talk about」で、佐藤委子アナウンサーが10/22のイベントの情報&私のメッセージの代読をしてくださいました。
TBS『ベスコングルメ』でもおなじみのあの素敵な声でご紹介いただき、嬉しくて思わず涙ぐんでしまいました。
FMみょうこう様、エフエム上越様、佐藤アナ、ありがとうございました!
 
 
🌼佐藤委子さんのHPはこちら
 
 
 
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10/17 【ヌケ感】
 
佐々木マキの絵本はいい。
 
悠々と縁取られる枠線のペン、
コマ割りを活かした遊び、
必要以上に笑わない登場人物たち……
 
語りかける調子の文章はいつも穏やかでムダがない。
 
どこにも力みがない絵本。
 
この「抜け感」が妙味を生み出して読者をリラックスさせるのかもしれない。
 
 
☆『ねむいねむいねずみ』
(ささきまき 作、絵/PHP研究所)
 
 
☆『やっぱりおおかみ』
(ささきまき 作、絵/福音館書店)
 
 
 
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10/17
 
ぶらぶら散歩してるだけのしょぼくれ中年に見えるかもしれませんが、わたし今、金曜までに終えられたらと思ってたことがふたつ片づいて、心ん中、ミニーちゃんのカチューシャつけてジャンプ撮影する大はしゃぎJKよりはしゃいでおります。
 
 
 
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10/18 【ルーツがちがっても】
 
 
☆『ライラックどおりのおひるごはん』
(フェリシタ・サラ作/石津ちひろ訳/BL出版)
 
ライラック通り10番地に暮らす人のルーツは様々。
 
サルモレホ(トマトの冷製スープ)を作るのはピラールさん。イブラハムさんは子ども時代を思い出しながらババ・ガヌーシュ(焼きナスのディップ)をこしらえます。
 
みんなが故郷の料理を持ち寄って、庭で食卓を囲みます。
 
みんなみんなが笑顔です。
 
 
作者Felicita Salaはローマ生まれオーストラリア育ち。大学の哲学科を卒業後、独学でイラストを学んでいます。
この絵のタッチ、色使い……なんて素敵なんだろう。
 
昔、留学生の食事会に招かれ、インド、キューバ、オーストラリアから来た学生さんに各々のお国料理を振る舞われたあの日を、懐かしく思い返す絵本です。
 
 
 
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10/22 【『パンダのどすん』展トークイベント】
 
🐼📚✨
故郷の温かさに包まれ、絵本のお話ができて幸せでした。
handyさん(あいさん&ゆみこさん)、ご来場いただきました皆さま、フルサット様、品川アート・プロ様、ありがとうございました!
 
 
 
 
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10/23 【ラーメン愛】
 
食べたい気持ちを掻き立てるこちらの絵本。
絵が存分に語ります🍜✨
 
行列のラーメン店の秘密を知ってしまった少年てんちゃんは、はたして無事に脱出できるのでしょうか?
 
安心してください。
ラーメンへの惜しみない愛は、
あなたと宇宙を繋ぎます🛸
 
 
☆『ひみつのラーメンやさん』
(黒岩まゆ 作/KADOKAWA)
 
 
 
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10/25 【魔女】
 
「魔法がつかえたら」と願うようになるのはいつ?10歳くらい?
 
ハーブで薬を作る。保存食を作る。勉強する。飛ぶ練習をする。美味しいご飯を食べる……
 
不思議な魔女は、生きる喜びと自然への感謝を忘れないかっこいいひとでした!
 
 
☆『魔女の一日』
(飯島都陽子 作/山村浩二 絵/金の星社)
山村浩二による絵、細い線に淡い色調、空の美しいグラデーション。魔女の姿も、美味しそうな食卓もいいなあ。
最終ページに〈あなたには、魔女の素質があるでしょうか?〉チェックシート。やってみよう♪
 
 
 
 
【おばけ】
 
怖がりで不器用なおばけ「ブルブル」は、素直なおばけ「スナオナオ」に励まされ、新しい挑戦に身を乗り出します。
二人で思いきりやって、ちょっぴり疲れて……
 
このままが いちばん いいね
 
ふたりでゆっくり眠ります。
 
 
☆『おばけのブルブル』
(荒井良二/講談社)
見返しに描かれた「枯山水+おばけのブルブル」も必見ですよ。(金屏風みたいな味わい)
この『おばけのブルブル』もそうですが、いくつかの荒井良二作品で、物語はあくまで"パペットシアター(人形劇)"という形で扱われ展開されます。
「旅」と「音楽」は、氏の創作における重要な要素。キャラバン隊はゆく。おばけもゆくぞ。
 
 
 
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10/30 【本の長屋で犯罪学のお話】
 
〜トークイベント〜
🌟『丸ちゃん教授のツミナハナシ 課外授業 ①刑務所の歩き方』
 
刑務所には生きづらさを抱えた人が集まる。刑務所を見ればその国の社会政策がよくわかる――。
犯罪学のプロ集団による、わかりやすくてたいへん興味深いお話でした。
 
登壇された丸山教授、南口さん、山口さんのお三方が「外側に伝えたい」(なんのために?)「生きづらさを抱える(受刑者のような)人々と全体のために」と思っておられるのが伝わってきて、とてもよかったです。
 
こうして犯罪学の話がエンタメ化されるというのは、社会をよい方向へ向かわせると思うなあ
 
第2回は、長屋フェスの最終日11月26日(日)開催。絵本×犯罪学のトークに東條がおじゃまします!
後日あらためてお知らせします。m(_ _)m
 
 
📻丸ちゃん教授のツミナハナシ〜市民のための犯罪学〜

 

 

 
 
 
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10/31 【いちばん好きな魔法使いの絵本】
 
柳原良平の「魔法使い」が、
端っこまで彩色されたページが、
和の色を配色したデザインが、
私はたまらなく好きです。
 
お話は、文豪ゲーテの詩「魔法使いの弟子 Der Zauberlehrling」が元となっています。(ディズニーでアニメ化された「ファンタジア」もそうですね)
 
未熟な弟子が留守番中に師匠の真似をして魔法を使ってみるけれど……魔法のとめ方がわからず、たいへんなことに!
 
でも大丈夫。
失敗しちゃっても、頼りになるお師匠さんがしっかりフォローしてくれるから😊
 
 
☆『まほうつかいのでし』
(大石真 文/柳原良平 絵/学習研究社 2007)*ざんねんなことに絶版
 
 
 
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 読んだ世界を観る

 

かみむら文庫『祈りの時代の終わり〜絲山秋子「末裔」より』を観劇。

かみむら文庫は、俳優上村聡による一人芝居の企画です。

 

読んだものを演劇で観る、というのは面白いものです。

読書中ぼんやり浮かぶのみだった彼が彼女が、実体をもつのだもの。

小説『末裔』のあの思い込みの激しいヤニ臭オヤジ(省三)が、かみむら文庫に編集され、実在のひととして1.5メートル先に現れ出ました。

 

昨今は、家族をシステムとして語りがちだけど、愛も誇りも呪いも恥もぜんぶ引受けて「末裔」としてここにいる。

それって愛おしいな、と思いました。小説を読んだときには、この感情はわかなかったかも。

 

絲山秋子の『末裔』のエッセンスがギュッと濃縮された世界
 
上村さんとは11年前に一度お会いしていました。
 
私の友人(あんじ)と映画を共演されたご縁で、その上映会の打ち上げに呼んでもらったとき。震災から間もないタイミングでの公開。
役者も監督もプロデューサーも、そこにいた誰もがどこか切実な様子で、だからよく覚えています。
 
11年。
どんどん立派な役者さんになり一児の父にもなられた上村さんは終演後、出口を出たところで、学校の読み聞かせで長新太を読んだ話をしてくれました。
なんだかしみじみと嬉しかったので、書いておきます。
 
 
「他者の読み」を観て感じる
――これも読書。
 
 
📚 絵本コーディネーター東條知美