10/2
【ロングセラー絵本】
☆『かしこいビル』(ウィリアム・ニコルソン作/松岡享子、吉田新一訳/ペンギン社)
🇬🇧1926年
なんと!
近衛兵人形・ビルを入れ忘れてしまいます。
ビルは、列車を追って走ります!
(すごい疾走感!)
手描き文字も味わい深い、愛と栄誉の物語。
*
イギリスの児童文学や絵本には、「子どもと人形」の関係(絆)を描いたものが多くあります。
人形の家(ゴッデン)くまのプーさん(ミルン)、ビロードうさぎ(ビアンコ)、「まいごになったおにんぎょう」(アディゾーニ)……
名作ぞろいですね。
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10/3
【ロングセラー絵本】
☆『からすのパンやさん』(加古里子絵、文/1973年 偕成社)
からすのパン屋の家に、4羽の子が生まれます。
子どもたちはすくすくと育ち、やがて家族で作る楽しいパンは森中の評判に。
しかし、その噂は伝言ゲームの様を呈してきて……?
はちゃめちゃな群集劇の間にも、香ばしいパンの匂いが流れ続けます✨
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敗戦後、大人たちに失望し空虚な気持ちを抱えていたというかこさとしさん(作者)。
後の創作の原点にもなったボランティア運動――子供たちに紙芝居や児童劇等を演じ、地域の生活向上を目指す「セツルメント活動」に力を注ぎました。
労働者、警官、市民……『からすのパンやさん』には、実に多様なからすの姿が描かれています。
見開きいっぱいにパンが描かれたページは、子どもたちに大人気!
いや、子どもだけでなく大人の胸も踊ります✨🥖🍞🥐
「どのパンが食べたい?」「せーの!」で指さし、教えあいたくなりますよね。(*´ω`*)
(写真は先日の「かこさとし展」のもの)
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10/4
◇『みずうみにきえた村』(ジェーン・ヨーレン文/バーバラ・クーニー絵/掛川恭子訳/ほるぷ出版)
ダム底に消えた村……そこで生まれ育った「わたし」が、家族や友と暮らした日々を振り返ります。
〈6つのころのわたしは、この世にこわいものなんか、なんにもないとおもっていました。〉
〈列車がウサギ街道ぞいにとまったり、発車したりしながらはしっていき、やがて汽笛が長く尾をひいて、夜のやみにすいこまれていくのをきいていました。〉
………
終始淡々とした文章。
バーバラ・クーニーによる美しい自然描写。
読み手の郷愁を誘い、心を揺さぶるのは、けっして大仰な台詞や心理描写だけではないということがわかります。
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10/5
ビリケンギャラリー(表参道)で開催中「近藤ようこ個展 つれづれに」へ。
中学の頃に出会った近藤ようこさんの(描く)大人の女は今も憧れ。
このDMになった女も最高にかっこいい!……といった話を三原氏(23歳からお店をやっていらっしゃいます)に聞いてもらったり、バブル崩壊後30年の話を伺ったり。大好きなお店。