3月14日、えほんやさんオンライン講座「絵本のちから ~子どもの生きる力を育む~」(第5回)『絵本のちから』の講師を務めさせていただきました。
11月より全5回に渡ってお届けした今講座も、いよいよ最終回。
これに先立つ第1回、第2回は、「子どもと絵本」を考える上で、まずはその大前提となる各事項について確認しました。
子どもや若者を取り巻く現状・その課題、幼児教育、学校教育の現況やその目指すところについて解説しました。
第3回、第4回では、絵本の多面性と「手渡す者の配慮」について、(他者の視点を知る/自分のクセを知る)読書会なども盛り込みながらお話ししました。
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◇「絵本」とは?/「読み聞かせ」とは?
(定義、形式、社会的・文化的・教育的・家庭的な位置づけ、価値、可能性…)
◇「子ども」とは?/「大人」とは?
(特性、発達、課題、背景…)
◇「読書」とは?
(意義、読解、想像、創造、学力、政策、メディアリテラシー…)
◇「よい絵本」とは?
(ロングセラーの底力、心を揺さぶる作品、‟複眼的な目”で読む絵本…)
◇(自身は)絵本と子ども、社会に どのように関わっていくのか?
◇絵本が社会性、時代性とともにあるということ、「多面性としてのメディア」となりうる理由は?
◇手渡す絵本を選ぶ際、大人に必要な視点とは?
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※これまでの講座はアーカイブにて配信中。ご希望の方は、主催のえほんやさんにお問合せ下さい。
第5回(3/14)講座の構成は以下の通りです。
(1部)
◇ 発達と絵本
◇ 絵本が育む「生きるちから」
(2部)
絵本を深く読む・多様な視点で読む
1部の「発達と絵本」では、月齢にふさわしい絵本選びのポイントとその理由を解説。
小学生~中高生~大人にとっての「絵本」が、それぞれどのような意味を持ちうるのか、という点についてもお話ししました。
そうして育まれる(涵養される)「生きるちから」とは...?
最終回では〈絵本が宝ものになる8つの理由〉を挙げ、「これまでに触れた数々の絵本・この講義で紹介した絵本を開いてこたえ合わせをしてみてください」と投げかけました。
オンライン講座という形ではありましたが、様々な問答・話し合いの場面をつくり出すことができました。
この中で私自身も、大切なことを確かめたり、皆さまの発言から多くの気づきを得ることがありました。
えほんやさん、受講生の皆さま、ありがとうございました。
また、作品ブックトーク使用に関しまして許諾をいただきました関係各位にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
今講座では受講生の皆さまに、「問いを立てることをやめないでください」と繰り返しました。
絵本というメディアは、すべての読者に明確な答えを示す類のものではありません。
(子どもに手渡すものについて)大人の感動に主眼をおかないこと。
「役に立つか否か」で選ばないこと。
子どもの選ぶものを否定しないこと。
考えましょう。
考え続けましょう。
「ありのままのわたし」が、安心できる場所、好きなもの(こと)をみつけられますように。
予測困難な未来を生き抜くためのちから......その一助となる「絵本」がこんなにたくさんあります。
これからもたのしく手渡してまいりましょう。
「読む力」は生きるための筋肉。
そのはじまりが〈絵本〉です。
ひとりひとりのスピード、ペース、好み、
そしてなによりも
子ども自身の思いを大切に。
絵本コーディネーター東條知美