10/16
武蔵野市立吉祥寺美術館にて開催中のきくちちき絵本展 しろとくろ」(9/21-11/10)へ。
 
「シャッター音なしの撮影は可」でしたので、この目でしっかりと味わった後、様々おさめてまいりました。
(遠方にお住まいのファンの皆さまには、このあたたかな雰囲気だけでもぜひ。)
 
入口の大パネル
 
きくちちきさん プロフィール
 
最新作『しろとくろ』(きくちちき 作 講談社刊)
 
表紙をはずすと、本体表面はこのような絵。
(以下、 ※講談社HPより転載)

なんで さみしいの
なんで ねむれないの
なんで なんで あいたいの

白と黒ののびやかな線と色で描かれる、出会いの喜び。
『しろねこくろねこ』のデビューから7年、たどりついた『しろとくろ』。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
2012年刊行のデビュー作『しろねこくろねこ』(学研プラス)は、翌2013年、スロヴァキア共和国で開催されている世界最大規模の絵本原画コンクール「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」(BIB)にて、「金のりんご賞」を受賞。

絵本作家としてデビューする以前はデザイナーだった作者。
『しろねこくろねこ』は商業出版の前に、美しい手製本で自費出版されています。
 
 
 
 
最新刊『しろとくろ』(講談社)の原画
 
 
壁いっぱいの鮮やかな絵。
絵本の見返し部分には、このイメージが描かれています。
ほとばしる生命の息吹、
きくちちきの生命讃歌!
 
 
なんで なんで
なんで なんで
あいたいの
(『しろとくろ』本文より)
床には「しろ」のオブジェ。もちろん「くろ」もいました。
 
 
 
墨を流したような...というか、文字通り「墨を流した」夜に、星がうつくしく瞬いています。
(ちきさんの黒は、墨汁の黒)
 
「 なんで 」
宇宙のふしぎを、静かに感じているふたり。(たぶん)
 

ラフスケッチ『しろとくろ』。
絵本にならなかった部分からは、作品が研ぎ澄まされ完成されるまでの作者の葛藤や逡巡を見て取ることができます。
「1冊の絵本を完成させるまでに、多いときはひとつの場面で100枚以上、納得するまで描き続けて推敲を重ねる」(※展覧会チラシより抜粋)
 

デビューからこの7年間に生み出された絵本は20冊以上
会場には、最新作のほかにも数々の作品原画が展示されています。
 
『もみじのてがみ』(小峰書店 2018年)
 

『ゆき』(ほるぷ出版 2015年)
 

『こうまくん』(大日本図書 2016年)
 

『もじもじこぶくん』(福音館書店 2019年)
 

『とらのこ とらこ』(小学館 2018年)
のびやかで、優しく、生命感にあふれたきくちちきさんの作品に囲まれていると、元気がムクムクとわいてくるようです。
 
するとそんな私の目の前に、なんとご本人が登場!
 
「またいつか手製本をやりたい思いがある」と ちきさん。
 
なかえよしを(同じくデザイナー出身)や武井武雄(「本の宝石」と呼ばれる手製本を100以上のこした)、両作家の“手製本へのこだわり”のお話などさせていただきつつ、紙の絵本の美しさに魅了される者の一人として、またきくちちき作品ファンのひとりとして、
「またぜひ見せてください」とお願いしてまいりました。
 
 
というわけで、『しろとくろ』の他には、この特装版絵本を会場にて購入。
版元の荒木さんにも(偶然!)お会いできたので、「これ見て買わずにおられようか」とお伝えしつつ。
 
◇『いち にの さん』(きくちちき 作 2014年 えほんやるすばんばんするかいしゃ刊)
(☆限定300部 函付き。(活版刷りシート貼り)・奥付のページに手刷りの木版画一点、サイン、シリアルナンバー入り)
 
きくちちきの生命讃歌。

素敵な時間をありがとうございました!
 
 
絵本コーディネーター東條知美