絵本作家アンマサコさんの作品展「屋根裏の秘密」に伺いました。
(☆青山ピンポイントギャラリーにて10/20まで)
丁寧に丁寧に描き込むのがアンマサコさんの創作スタイル。
読者がひらいたページにいつまでも立ち止まり、物語世界をすみからすみまで空想したくなる...
そんな絵本を作るアーティストです。
アンマサコさんの美しい絵の前に立つと、ファンタジーの世界がフワッと立ち上ります。
登場人物はどんな性格なのか、どんな暮らしをしているのか......
描き込まれた場面の中から聴こえてくる、たくさんの声、音、それぞれの物語に胸が躍ります。
現在新作を構想中とのこと。
「ここからの展開がどうなるのか、自分でもワクワクします」とお話ししてくださいました。
(時間をかけ丁寧に紡がれる物語が一枚に)
以前絵本の研究会にもいらしてくださったことのある「アンマサコさん。
あの白組に所属されながら、絵本や挿絵の仕事もこなすお忙しい日々です。
私が初めてアンマサコさんに出会ったのは、『おたんじょうびケーキ』(ブロンズ新社)の原画展会場でのこと。(2017.6)
灯りのあたたかさ、
エメラルド色に たゆとう水面、
不思議な夜のパーティー、
好奇心に目を輝かせる子ども、
空想世界に引き込まれる数々の美しいシーン・・・。
胸打たれ、その場にいらしたアンマサコさんにお願いしてミニインタビューを受けていただきました。
(☛◆「生きていること、年を重ねることの素晴らしさを」~アンマサコさんインタビュー~)
以来私には、彼女の新作絵本を待つという楽しみができました。
大トロ、いくら、たこ...様々なお寿司が土俵で技をくり出す『どすこいすしずもう』(講談社)。
実はアンさんが小学生の頃、紙に描いたワッペンの絵を再現したものなのだとか。
クラスメイトのみんなが(お寿司の)ワッペンを欲しがったので、それはそれはたくさんのキャラクターを創り出した少女時代。
懐かしいキャラクターたちに「30年以上ぶりに会えたね!」と話しかけながら、楽しく描いたという絵本最新作です。
・・・・・
「こたえをそのまま見せたり、書いたりしたくない」
「もしかして、あれはこういうことだったのかな...?というような、読者の胸に残る余韻を大切にしたい」
「こだわって描き込むので、どうしても時間がかかってしまうんです・・・」
どこまでも丁寧に、唯一無二の美しい作品を紡ぎ上げる アンマサコさん。
この先またどんな世界を私たちにみせてくれるのか...いつも楽しみにしております。
絵本コーディネーター東條知美