☆『ぼんさいじいさま』(木葉井悦子 作 2004年 ビリケン出版)






満開のしだれ桜の盆栽と、小さなお爺さん。
木洩れ日を金色の絵具であらわした 表紙絵。

美しい春に彩られたこちらの作品



作者の故・木葉井悦子さんは1995年に逝去されました。
たいへんエネルギッシュで強 く、そして慈愛に満ちた女性であったと(生前親交の深かった作家さんから)伺ったことが あります。



春の里山に繰り広げられる 草花や生きものたちの生命力。
それらをいっぱいに描きなが ら、対極にある“死”を穏やかに静かに描き出します。



山鳩やトノサマガエル、猫や馬に見送られ彼岸へと旅立つじいさま。


「じいさま、きょうのことは、ずーっと前から きまっていました」

「おお、そうだったのかい」



桜の季節。
あのときの桜、大切な誰かを思い出しながら...こぼれる桜を見上げる方もいらっしゃることでしょう。




絵本コーディネーター 東條知美)