未年に♪【ヒツジの絵本】
☆『ペレのあたらしいふく』(エルサ・ベスコフ作絵 小野寺百合子訳 1976年 福音館書店)
・・・1910年代、スウェーデン作家ベスコフによって生み出された喜びあふれる作品。
「ペレは、こひつじを1ぴきもっていました」
大きく育ったひつじと、やはり大きくなって上着が窮屈になるペレ。
さあペレはどうやって新しい上着を手に入れることができるのでしょうか。
ペレ自身が労働という対価を支払うことによって、ウールのジャケットを仕上げていく過程を描きます。
でもそういう堅苦しいことは抜きにしてもいいと思う!
だってここには、ヒツジを大切に世話した一人の少年の喜びがそれはたっぷりつまっているのですから。
「大切なぼくのヒツジ」の大切な毛で拵える一着。
その心はどんなにかときめいていたことでしょう!
☆『ジョットという名の少年~羊がかなえてくれた夢』
(パオロ・グアルニエーリ文 ビンバ・ランドマン絵 せきぐちともこ訳 2000年 西村書店)
「ジョットが世を去って100年以上たった1450年ごろ、ギベルティという彫刻家が、彼の話を書き残しています。
少年ジョットが羊の番をしながら、だれに習うこともなく羊の絵をかいていると、画家チマブーエが通りかかり、その才能に驚いて弟子にしたというのです。
天才ジョットの少年時代の話はとても有名になり、語り継がれました。
この絵本の物語も、この「羊の伝説」がもとになっています」
(本書解説より)
こちらの絵本では、ほとんどのページに金色が施されていることに驚かされます。
モチーフとして宗教的な絵が描かれていることもありますが、とにかく神々しいまでに美しい!
大人に贈っても喜ばれそうです。
偉大な芸術家ジョットの人生の転機には、一匹の迷いヒツジがいたという・・・新年早々縁起の良さそうなお話です。
☆『ひつじぐものむこうに』(あまんきみこ作 長谷川知子絵 1978年文研出版)
仲良しの友達が引っ越しをしてしまい、かなしくて泣く「わたし」に話しかけてきたのは、羊雲から降りてきたと言う「くもひつじ」。羊が来てくれたその訳とは?ヒツジのふわふわと雲のふわふわ。今度空を見上げた時には、「どんなことがあっても、遠くからこのヒツジたちがいつも見守ってくれているのだ」と思えそう。ふんわりと心あたたまる一冊です。