【うれしいこと あるよ】
2014年も明日でおしまいです。
今年も皆さまにはお世話になり、本当にありがとうございました。
振り返りますと
初めて、ビジネスパーソンの方々へ向けて絵本のお話をさせていただいたり、
初めて、小学校の先生方の前で絵本のお話をさせていただいたり、
初めて、大勢を引率して絵本の製本の現場を見学させていただいたり、、、
皆さまのおかげであたらしい体験をさせていただくことの多い一年でした。
図書館や本が、絵本が、そして私が 何の役に立てるだろうか?
時に立ち止まりながら、これまでにないほど考えた一年でもありました。
家では子どもを持つひとりの母として、時に胸の締めつけられるような不安を覚えることもありました。
そのたびにお友だちといろいろな話をして、「じゃあね!」と心を軽くして・・・ そんな一年でもありました。
2014年に刊行された絵本で、私の心がもっとも揺さぶられた作品は
『あかちゃんがわらうから』(ブロンズ新社)でした。
作者はおーなり由子さん。
やわらかいタッチのクレヨン(クレパス?)とふんわり乗せられた水彩絵の具で描かれた絵。
絵と共に ときにさみしげに、そして強く、弾むようなリズムで投げかけられることば。
子どもを愛する多くの大人たちが抱える(しばらく前からの)もやもやとした不安をズバリ描きだし、ここに一筋の光を与えるような「強さ」「骨太な精神」を感じさせる作品。
絵とことばの間合いも絶妙です。
以下、本文より抜粋してご紹介します。
今年最後の絵本は『あかちゃんがわらうから』(おーなり由子 作 2014.10 ブロンズ新社刊)です。
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「かなしいニュースを見るたびに
世界は どしゃぶりのように感じられ
未来は どこまでも
はいいろの雲で いっぱいで ー
そんなとき ー
ぶぁっくしょん
おおきな へんてこなくしゃみ
あかちゃんから
おとなみたいな おおきなくしゃみが出て
わたしは 正気にかえる
そうだった ー
世界は いつだって はじまったばかり」
「うれしいこと あるよ
ここに
ぜんぶ あるよ
ここに
ぜんぶ!」
(『あかちゃんがわらうから』(おーなり由子 2014年10月ブロンズ新社刊)より)
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来年もまた、
うれしいことあるよ
ここにぜんぶ ある!と思える一年になりますように。
感謝をこめて。
(絵本コーディネーター 東條知美)