⑭ 『1ねん1くみの1にち 

川島 敏生  出版社:アリス館  税込価格:¥1,680  発行日:2010

こういった写真絵本は、大人になった私たちが眺めても楽しいですね。

 

映されているのは現代の小学校ですが、誰の心にも懐かしい“学び舎”を思い起こさせる一冊。
入学前のお子さんには「こんな感じですよ」と贈って喜ばれそうです♪

 

 

小学校での一年生の1日を写真で紹介。

他に夜の学校(ちょっぴり怖かった夜の理科室)や学校で作っている給食1か月分の写真などもたのしい。

各場面には会話調のことばが添えられています。

 

 

写真絵本って、絵とは違った寄り添い方をしてくれるような気がして。すきです。

 

 

 



⑮『ちへいせんのみえるところ』

作絵:長新太  出版社:ビリケン出版  税込価格:¥1,680  発行日:1998

 

最初の見開きには一本の地平線。

出てくることばといえば、「でました」のみ。

 

 

「ページターナー」という言葉があります。この意味は、

 【名詞】【可算名詞】(どんどんページをめくりたくなってしまうほど)おもしろい本

・・・といった意味なのですが、このことは私が“紙の絵本”の魅力を思う時にまず思い出す言葉です。

めくることによって、変化が起こる

めくることによって、思いが生まれる

めくることによって、行為が意味づけられる

本を読む行為とは、「めくりたい」という欲求を叶えながら進めて行く作業なのですね。

 

 

『ちへいせんのみえるところ』の構成はとことんシンプルです。

漫画界から転身、長年に渡り“あたらしい絵本表現”の試みをひそかに飄々とやり続けた「カッコイイ作家」故・長新太さんが最後にたどりついた「究極の絵本表現」だったのではないでしょうか。

 

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以上をもちまして、絵本コーディネーター東條による
『消費税upの前に買っておきたい〈1,500円以上の絵本〉15選』のご案内を終わります。

 

手元に置きくりかえし眺めるもよし。贈りものに心をこめてもよし。

みなさま、4月以降もどうぞ楽しい絵本ライフを!

 

追記:/26(水)「月夜の絵本会」、まだ若干お席ございます。

よろしかったらお誘い合わせのうえ遊びにきてくださいね。どなた様も歓迎いたします♪
http://ameblo.jp/bokurano-ehon/entry-11791253406.html

(絵本コーディネーター 東條知美)