※対談記録の中では、発言者の氏名を省略させていただきます。[天沼春樹さん⇒天 北見葉胡さん⇒ 東條⇒]



『僕らの絵本』
あかずきん

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(※記録⑦の続き)

「北見先生の絵本は、原画が油絵で描かれています。ブログを拝見しますと、「油絵具は本当にたいへんだからやめたいといつも思う」といったことを書かれていらっしゃいます。」



「他の画材で実は描きたいんですけど、油絵具で描きますと、やっぱり絵の深みとか・・・世界観といったものが・・・なんていうんですかね、どうしても好きで。自分自身が魅力に思ってしまうのでやめられないんです。

とにかくもう、一番の難問は「乾かない」ということ。


あかずきん 』(※画像10)をやったときには、ちょっと油の配合を間違ってしまったためにいつまでたっても乾かなくて。去年の作品なんですけど、まだくっつくんです、実は。で、もう・・・それを取り出すたびに絵が剥がれていって()、そのたびに修正してという感じなんですけど、いまだに乾かないんですね。


絵を描かれている方もいらっしゃるみたいなのでお話ししますと、油絵はしかし・・・時間がかかるからと躊躇されている方もいらっしゃいますけど、キャンバスに向かって描かなければいけないというものでもないので、お試しになってみると面白い画材じゃないかなと思います。」


「ふだん北見先生は、どういった環境でお描きになっているのですか?」



「それがまあ、びっくりしちゃうんですけど・・・居間の、みんながご飯食べるところで描いています。え!?ですよね。ほんと、もう大迷惑なんです。(油絵の具は)匂いますしね、絵具はつきますし。「テーブルだけでも別にすればいいのに」という意見もありながら・・・でも、そこが落ち着くので。しかも!食べるときに片づけないこともあります()


(会場 笑)


「では、リビングには描きかけの絵がたくさん・・・素敵ですね。」


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「今日、私は『ラプンツェル 』(※画像11)のラフ画を持ってきてみたんですけど、もう一回見直してみると「ちょっとどうなのよ」というところもあって・・・セロテープ貼り直したりなんだかんだしてるうちに絵具つけちゃったりして、アレなんですけど。もしよろしければ、今日はこちらもお見せしますのでご覧ください。」


(※会場 前の席から順にラフ画の束を手にとっていただきました。皆さん真剣にラフ画をのぞき込んでいらっしゃいました。)


※画像10


『僕らの絵本』


※画像11
『僕らの絵本』

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「さて、ここから少し休憩に入ります。今回会場に飾らせていただきました北見先生の原画については、先生から「ぜひお手にとって」とのお言葉をいただいております。数々のすばらしい原画をお手にとってくださってけっこうです。じっくりとご覧ください。」

~休憩タイム(15分間)~

(※記録⑨へ続く)