ギョーテン絵日記 -69ページ目

ラーメン時評/武蔵小金井・無坊

無坊ラーメン2

2005年8月14日晴れ…午後3時ごろ。
東京・府中車検場のそばにいる。
白昼…何でこんな所にいるのか?
自転車で彷徨っていたらこんな所に来てしまった。

もう腹が減って、暑さも加わりめまいがする。
ふと以前にこのあたりにうまいラーメン屋があるという
話しを思いだした。
そのラーメン屋は府中車検場の並びにあるとか?
ふらふらとラーメン屋を探す。府中車検場を越え
西にちょっと行ったとこ…東八通り
おおお……ここかな?

無坊……というラーメン屋を発見!
どういう意図で命名されたかわからないが…
新進気鋭のラーメン屋らしい屋号。
無謀なラーメン屋かも……。

おそるおそる入ってみることにする。
例によってタオルを頭に巻き付け…
Tシャツを着た若者がラーメンをこしらえている。
こういうスタイル…どこでも同じである。
バンダナかタオルを頭に巻くというスタイルは
こういった新進系のラーメン屋ではよく見かける。
すべてカウンター席。満員…
客の頭数をかぞえると…8席。
待機用の丸椅子が1脚あったから…
9人ぐらい座れそうだ。
この丸椅子がいいね。ラーメン屋はこれでなくちゃ。
どこかで見たことある半透明のポットにレモンの輪切り
が浮かべてある。
山椒を使った麻辣醤という香辛油が置いてある。
割り箸が透明なコップに差し込んである。
これだと底の汚れが一目瞭然だ。
竹筒だと底が見えないからな。
これは清潔感を演出するひとつの方法だな。
いいんじゃない。(⌒_⌒)

無坊ラーメン650円を注文。
目の前のポットから水をコップにそそぐ。
1杯め飲み干す。2杯目も半分ほど飲む。
砂漠を歩いていて…ラーメン屋を見つけた…
そんな感じ。
となりの学生ふうはつけ麺を注文したらしい。
でてきたのを横目で観察。
む~ん……こいつは……楽しい!
実に楽しいつけ麺。遊びを感じる。
ちょうど大きな葉っぱのような形をした焼き物の上に
麺と味玉と海苔などが楽し気に並んでいる。
決して喧嘩をしていない。
つけ麺には味卵が標準装備…。味卵をオプションに
していないところがにくい。
こいつは大盛りらしい。うまそうである。

無坊ラーメンがでてきた。
轆轤を回していて…失敗して…
そのまま上薬を塗って、焼いてしまったような
小ぶりのドンブリに大きめの焼豚、海苔。支那チク?が。
ネギが中央部分に少々。
海苔は無造作に寝転んでいるのではなく、
ドンブリの脇に差し込んだ状態になっている。
支那チクかと思ったものはだいこんかな?
ゴリゴリとした触感。
醤油ベースの真面目な麺。スープは単純な味。
でもそれがいいと思えるような味だ。
胡椒のカケラがあたかも異物のように奥歯の間で
ガリッと音をたてた。ほんとうに異物だったのかもしれないが…
スープの残り汁にはそれらしき粉末が沈澱している。

けっこう楽しかった。また来よう。

●データ

東京都小金井市前原町1-3-7
電話 0423-80-7955
営業時間11:00~15:00 17:00~22:00
席  数 カウンター8席~9席?
駐車場 無いらしい?

無坊ラーメン650円        
味玉ラーメン(塩)750円
叉焼ラーメン850円
全部のせラーメン900円

ほかいろいろあったが忘れた。
 

節子さん(武道極私的観察3)

節子さん

(ここに後からイラストが入る)

学校の教科書で見てから、一度会いたいと
思っていた人物のひとり…
それが石川啄木の妻「節子さん」である。

お腹を引っ込めてあげる…といって
わたくしのお腹を突いてくる女性がいた。
どこかで見たことあるような人だな…と思った。
おぼろげに…
なんだか懐かしいような感覚に包まれた。
自宅に帰ってからもやけに脳裏から離れない。
そして…ふと気づいた。あの人は…
石川啄木の妻「節子さん」……だ。(^_^;)

稽古の最中…
両腕を掴む……
ここまではいい。だが…
眼を閉じて…精神統一のつもりか?
…顔を近づけて来る。20センチくらいまで近付く。
さらに…近づいて来る?
彼女の唇がボクの唇にインターセプトコースで急接近。
ええええ??なんだ?何なんだ?

こんな所で求められても困るんだけど。

わたくしは人前でキスをする習慣がない。

あああ…近付いてくる。
彼女の要求に応えないといけないのだろうか?

赤面してしまった。(^_^;)

後日………
彼女の稽古スタイルは求愛行動ではないことが判明。
他の人…女性相手でも眼を閉じて近付くスタイルを
目撃したからだ。

どこまでも健やかな人…それが彼女である。

最近はまったく来なくなった。それが悲しい(T_T)。
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お詫び:教科書で見た、石川節子さんの17歳のころの写真が
見つからない。
しょうがないので参考書表紙の写真で代用させたいただいた。
20代のころの写真だと思われる。
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★参考図書:
石川節子/愛の永遠を信じたく候/澤地久枝・著/講談社

どちら様で?と言われる(恋愛岩窟王1-5)

灰皿坊主

頭をまるめ作務衣を着た無骨そうなオトコがでてきた。
お坊さんだ。
これが彼女の亭主か?
高校の時の担任に似ている。
体育の先生…ゴリラのようなオトコ…
彼女はこういうオトコを夫に
選んだのだのか……。

わたしを見るからに怪しいと睨んでいる。
サンダルにTシャツだ。
あやしいと思うのも無理がなかろう。

「三鷹台高校の同級生の西沢です…西沢裕司です。」と告げた。

「そうですか……ちょっとお待ちください」…と云って
オトコは寺の奥に消えた。
広々とした寺の三和土、この奥に彼女がいる。
そう思うとなんだか不思議な気がした。

しばらくしてオトコが現れて…
「お上がりください」と静かな、しかし油断をしていないぞという
緊張感のある声でぼくを部屋に案内した。
宮本武蔵が宝蔵院を訪れた時もこんなふうだったろう…
なんかそんなことを考えた。
道場破りに来た……なんかそういう感じだ。

だだっぴろい畳み敷きの大広間。
なにか集会に使われているのだろう?
その片隅のテーブルの前に坐った。
襖を閉じて…オトコはまた消えた。

心臓の鼓動は最高潮に達している。
これだけの緊張感はひさしぶりだ。
間もなく彼女が現れる…
ぼくは何て云えばいいのか?
どう挨拶をしたらいいのか?
脳はそのフレーズを探している。
高速で探している…だが
気の効いたセリフが出て来ない。

襖がす~と開いた。
あっ……
また、あのオトコだった。
ガラスの大きな灰皿を持ってきた。
ぼくを睨みつけている。
灰皿でドタマをぶち割ってやらんかといわんばかりの殺気…
けっして歓迎されていないということを感じる。
そりゃそうだろう…アポなし訪問だものな。
「タバコは吸いませんから…」と云うが…
オトコは黙って灰皿を置いて…また消えた。

次はお茶でも持ってくるのか?
その次はお菓子か?
…………
われながら図々しいやつだなと思い自己嫌悪に陥る。

しばらくすると……

襖がす~と開いて……

見たこともない……女性が入ってきた。

to be continued

遊歩人の夏休み

銭湯

今日はオフ。
自転車で10Kmほど移動。日射しがきつい。

コンビニによって
大豆から抽出したイソフラボンを含むドリンクを飲む。
ひんやりした飲料水が体にしみわたる。
イソフラボンをこういう形で摂取できる…
いい世の中になったものだ。

古本屋で「数学のしくみ」という本を買う。
こいつはなかなかわかりやすい。
一応、サイエンスライターの看板もだしているので、
このあたりのことはしっかり押さえておきたいのだ。
学習意欲はまだ失っていない。
学習意欲をなくしたら終わり。

さらに炎天下の中…自転車を走らせる。
次ぎに入った古本屋では「死はなぜ進化したか」を購入。
この本の著者ウィリアム・R・クラークは免疫学の世界的権威。
読んでみたかった1冊である。
定価2000円の本が105円なのがありがたい。

さらに炎天下の中…自転車を走らせる。
次ぎに入った古本屋では「日本幻想文学集成/稲垣足穂」ほかを購入。
腹が減って来た。うまいラーメン屋でもあれば入りたいが…
そんな店はない。
しょうがないので再びコンビニに。
なんだか日本蕎麦が食べたくなる。
まるちゃんの天蕎麦で昼食。おにぎりは買わず。

さらに炎天下の中…自転車を走らせる。
山道を歩いているような疲労感に包まれる。
フルーツが食べたくなる。
こういう時はフルーツにかぎる。
山に行く時もかならずフルーツの缶詰を
ザックにしのばせるのがいつものやりかた。
再びコンビニに。
220円のマンゴーゼリーを買う。
おおおおおお……実にうまい。
なんだか疲労感が消えた。

さらに炎天下の中…自転車を走らせる。
ふたたび古本屋に入るが、何も買わず。
コミック「軍鶏」の廉価版Vol.9を探しているが
ないな。

さらに炎天下の中…自転車を走らせる。
やっと自宅にもどり本を下ろし……
着替えと石鹸タオルを持って…
近所の銭湯に。

午後4時。すでに何人か、おじさんたちが入浴している。
労働市場からはみだした人たちなのだろうな。
若者もいた。
桶に湯を入れて、ザブンと頭からかける。
これがいい。何度も狂ったようにザブンをくり返す。
湯舟に浸かってこちらを見ているおじさんが
怪し気な顔をする。

湯に浸かる。ああ……至福の時。

ここは日によって男湯と女湯が交換する。
今日の銭湯は富士山を見ることができない。
よくある銭湯の絵。雲や遠方の山の描き方は
いいのだが…滝が滝らしく描けていない。

のんびりまどろみながら湯舟でしばしの時間を過ごす。
サウナ用の冷水槽にも入る。ここは水温5度。
ここは風呂場の死角になっている所。
立ち上がり……
上段回し蹴りの型をやってみる。
おおお……水が負荷になってちょっとした訓練になる。

よーし、ここを秘密の稽古場にしよう。

またひとつ秘密が増えた。

自宅に帰ってから飲んだアクアブルー……
まずかった。(>_<) 炭酸に仁丹を入れたような味。
海藻エキスを添加してごまかしたむちゃくちゃな飲みもの。

その後…モルツ/丹沢水系を飲む。こいつはビールだ。

愛を育てるオトコ(恋愛岩窟王)

ドロンコ君

「夏の思い出 」に登場した身長183cmの大男…

この男…けっしてオタク系のロリコンなどと
いうわけではない。
実に快活である。
女性経験も豊富である。
日本人以外にもドイツやベトナム、台湾
などにも手を延ばしている。
いかがわしいお店にかよったりしている
わけではない。すべて通常の恋愛である。
3年ほど前に運動会でうちの道場の女性に
一目惚れ。
彼女を見たくて…演武会にも現れた。
彼女を振り向かせるのは不可能と判断、
…こっちは諦めたようだ。

一方、とある所で…というか自宅の近所で…
この男は10年ほどの独身生活の間に
密かに愛を育てていた。

彼が彼女を初めて見たのは10年前、
彼女がまだはランドセルを背負った
小学生だったころである。
近所に住んでいる彼女は彼と時々出会った。
最初は社交的な挨拶程度だった。

その後も何度か出会った。
彼女は中学生になり、高校生になり…

そして今…20歳を越えた。もう成人である。
もうよかろうということで…
最近、本格的なアプローチを開始。
なんと成人になるまでず~と辛抱して
きたのだ。まさに平成の恋愛岩窟王である。
まずは感心を引くため…か?
プレゼント作戦にでた。

水着をプレゼントすることにした。
この男、ファッション関係の仕事をしていた
こともあり、こういった女性のファッションに
も詳しい。

顔見知りとはいえ、突然中年おやじから水着を
プレゼントされても困るだろう?と云ったら、
「彼女はわかってくれるはずだ」と断言する。
この自信、いったいどこから来るのか?

実は……
この自信を裏付ける実績が彼にはあったのだ。
以前、美女を自宅に囲っていた。
20代の…しかも
信じられないような美女である。
グラビア雑誌の表紙を飾ってもなんら遜色のない
女性であった。
いっしょに飲んだこともあるが…
ぼくなどは、はずかしくて直接眼を合わせらなかった。

ところで水着だが……
水着って直接肌に触れるもの…
なんか中年おやじにラップされている感じになる。
ボクが彼女の立場ならば、水着など受取らん。
受取っても着ない。だれかにあげちゃう。
捨てちゃうかも。だって……キモイ。(^_^;)

湘南ナンバーの外車を所有するこのオトコは
いわゆる独身貴族。
水着の次はクルマに乗せて…
海の見えるレストランで食事だな。
入り江のだれも知らないプライベートビーチで
海水浴とか。
美少女と中年オヤジか……やっぱキモイ。
というか美少女の安否が心配である。
普通、こういったカップルは世の中に
存在しない。金銭の授受でならば成り立つ
こともあるだろうが…
社会通念上…まずありえない光景である。

だが社会通念など、この男には通用しない。
そこには愛情という強い意志があるだけだ。
ぼくが社会通念を説くが、彼には無意味。

この男、その場しのぎで行動する単細胞ではない。
破れた場合も想定している。
彼はこう云った。

「あっさり身を引く覚悟はある。悲しくてもな——」と………。

この男の哀愁と自信に満ちた横顔を見ていると
なんか応援したくなってきた。
常識を超越したオトコ…これがこのオトコの
すごいところであり、また魅力的なところでもある。

でもね……

へんなことしたらおまわりさんにチクル。

六代目百合(芋焼酎編3)

六代目百合

また芋焼酎をゲット!
今度は「六代目百合/塩田酒造株式会社」だ。
なんでも…芋焼酎ファンの間ではかなりの人気が
あるらしい。
プレミア価格で販売しているところがあるようだ。
どこで買ったのか?知りたいでしょうな?
教えましょう。東京・日本橋三越本店の地下食品売り場だ。
まだ、たくさんあったが、今あるかどうかは不明?
いろいろ回ったが…
東京ではここだけじゃないかな?置いてるのは?
ではまた。

初恋は笑い話か(恋愛岩窟王1-4)

彼女のイメージ

暑い夏の昼下がり…
住宅街の一角で前進できずにもがく男。
音もたてずに階段を上がっていくが、
狂犬にはわけもなく見つかってしまう。

狂犬にこうもしっかりガードされていては
洗濯物を干す彼女の姿をこっそり見ることなど
できやしない。
眠り薬の入った肉団子などは用意していない。
双眼鏡も持ってこなかった。
これ以上たびたび犬が吠えると怪しまれる。
もうやめよう…帰ろう…そう思い…
とぼとぼと今来た道を歩きだした。

坂道で…
さっきお寺の道順について聞いたオトコが
マイカーを掃除していた。

ちょっとお寺の奥さんについて聞いてみた。
太っているのか?子どもは何人いるのか?
太ってはいないという…痩せているという。
中年太りにはなってなかった。
子どもは4人もいるとか…仰天した。
子どもが4人も。
多産系の大きなお尻を思いうかべた。
彼女ならば子どもをたくさん生むだろう…
と高校生のころ考えていたが…
やはりそうだった。
なんでもむかしはスチュワーデスをしていた
んだって…ということまでこのオトコは
知っていた。
なんでそんなこともまで知っているのか?

まちがいない…彼女はお寺にいる。(^_^;)

怪しまれるといけないと思い…
高校の同級生だと告げる。
初恋の人を訪ねて…
などとよけいなことまで言って
しまう。
オトコは……笑いながら…
「そんなこと笑い話しさ…笑って迎えてくれるよ」
…と無責任な発言。
「そんなもんですかね?」と応える。
この無責任発言で、なんか勇気がわいてきた。

妙なオヤジの無責任発言にはげまされ…
正攻法で行く決心をした。

お寺にもどった。
犬が吠えまくる、それは尋常ではない
吠えかただ。
ワワワワワワン、ウ~ワンワンワンワンワンウ~
グァオ~ゲゲゲ…ワウォワウォワウォワウォ
ワンワンガオ~
こういう場合、犬にお尻の匂いをかがせると
落ち着くらしいが…そんなことやっている
ゆとりはなかった。

心臓が高鳴る……
狂犬を右に見ながら、庭先をすすむ。
玄関をガラガラと開ける…
大きな三和土であった。
お寺の匂いがする。
ひと呼吸置いて…

「ごめんください」…と大きな声で叫んだ。

頭がくらくらした。

to be continued

寺は狂犬に護られていた(恋愛岩窟王1-3)

船上にて

1999年7月20日(海の日)晴れ

港北自動車道を南下。
すべるように神奈川県に突入した。
入りくんだ住宅街を抜け…
目標とする住所のあたりに来た。
たぶん数百メートル以内に来ている
のだろう。心臓の鼓動が高鳴る。

コンビニに入る。
回りを見渡す。ここにいるかも?
なんかそんな緊張感で体温が上がる。
ジュースを飲み…気分を落ち着かせる。
年月は彼女をどのくらい変えているだろうか?
中年太りしたおばさんになっているのだろうか?
この辺りが生活圏ならば、買い物に
スーパーに現れる可能性もある。
買い物は夕方だからその時間滞まで待つか。
彼女の買い物姿を横から眺めて…
そっと帰る……
あるいは洗濯物を干す姿を垣根から眺めて
そっと帰る……
なんかそんなつもりでいた。

恐かったのである。
すっかり変わってしまった彼女を見るのが、
恐かったのである。

クルマでは急な斜面をゆっくり上がっていった。
小高い丘という感じである。
途中でちょっとクルマを止めて…
徒歩で近辺を歩いた。
歩いている人に聞いてみたがわからず。
ちょうど通りかかった
新聞配達のオトコに聞いてみると…
そのような名の家はこのあたりには
ないという。(彼女の旧姓)
「近所にお寺はありますか?」と聞く。
「岩山さんのとこはお寺だけども」という。
そこだ!そこにちがいない。
一瞬、色めきだった。

それですべてわかった。
つまり岩山とは彼女の旦那の氏なのだ。
そして彼女の母親は同居しているに
ちがいない。ハガキはそこに住んでいる
母親が旧名でだしたのだ。

徒歩で近辺を探す。
関係ない農家に迷いこみ…
どろぼうと間違えられる。
そこの農民にお寺のことを聞くと、
子どもが何人かいることがわかる。

クルマにもどって指定された
寺に登っていった。お寺らしき
所で終点になっている。
大きなお寺だった。
ここに彼女がいるんだ…
そう思うと胸が高鳴った。

高校時代は教会にかよって
いた彼女…宣教師の妻なんて
いうのならわかる。
あるいは黒い布ですっぽり体を被い、
世俗から離れて…
神の身元に生涯仕える道を
選んだとしたら…
なるほど…と思ってしまう。
なんかそんな女性なのだ。
ところが…
お寺に…坊さんに嫁いだ…
というのが不可解だった。

寺の前に
黒っぽいバンが止まっている。
そのクルマのナンバープレートを
ひかえた。
しばらくクルマの中で考えた。
このクルマがこのお寺のもの
なのか…ちがうかもしれないが…
そこに彼女と旦那と子どもたち
の生活が見えた。
ぼくなどがはかり知れない彼女の人生…
それはもう…ぼくなどがけっして近寄れない
聖域のような気がした。
やっぱりやめよう…帰ろう。
なんかそんな気持ちが浮上しだした。

クルマを後退して…
坂を下り国道に出た。
クルマを車道の脇に止めた。
ここまで来て、このまま帰るのでは
今晩うなされる。

一目彼女を見たい…
見たくてたまらない。

クルマを降りて…
徒歩で、また登り始めた。
お寺に近付くと…
犬が狂ったように吠える。
犬に知られないように
雑木林の方から寺の中を伺おうとしたら、
ワンワンワンワンワン…ウオ~
さすが獣…すぐにばれて吠えだす。

今度は作戦を変更…
となりのアパートの階段をあがり、
上の方から眺めようと思った…
またもや犬が狂ったように吠える。
ワンワンワンワンワン…ウオ~
彼女の姿は見つからない。

ぼくはいったいどうしたらいいんだ。(T_T)

to be continued

彼女は何処に?(恋愛岩窟王1-2)

神秘的生きもの

日本航空の人事部に電話して聞いてみた。
だが、古い話、コンピュータ化される
以前のことなので、データに入っていないという。
倉庫を調べてみるというので、後日電話する
ことにした。入社年度が不明だったせいか
結局見つからなかった。どうも、業務外の仕事を
頼むには気がひけるのでこのラインは諦めた。

図書館に行き…戸別名の明記された地図で
調べ、近辺で同じ名前を発見し色めきだった
こともあったが、まったくの別人だった。

役所に行って住民票の移動記録を閲覧できれば
いっぱつだろうが、捜査礼状でもなければ
閲覧はできないであろう。
借金で夜逃げする人は移動通知を届けたり
しない。届ければすぐに居場所がわかって
しまう。捜査礼状がなくても記録を知る
方法はあるのだろうが…非合法のにおい
が濃厚である。職権で行政書司がこういった
文書の閲覧ができるようだが、私は行政書司
ではない。
ここで秘策を考えた。事実に即した
きわめて微笑ましい方法……
それは「初恋の人を探す」という事実である。
むかし、冗談で別の役所に「初恋の人を探す」
場合、閲覧ができるのか?と聞いたことがあった。
係り員の女性はにこにこして…
「そういう場合は……」とかなんとか
いっていたような気がする。
だが、この方法は最後にとっておく
ことにした。

赤坂の方に引越したという曖昧な情報を
得ていたので、捜査対象を赤坂に変更する
べきだろうか?と迷った。
そうなると長期戦になるのは必至。
気を取り直し…可能性の高い
三鷹の集合住宅の捜査をまた開始した。

もっと正確な情報をもっている人が
いるような気がしたからだ。

また、建物の中庭を歩いている女性に聞いた。
その情報をもとにある家をノックすると…
もっと知っている人がいるかもしれない…と
いってその女性は別の家まで案内してくれた。
みょうに親切である?
それを見ていたよそのおばさんもやってきた。
なにやらヒソヒソ話しこんでいる。
そのうち…
ある家が彼女の家と親しかったということが
わかった。Mさんという人だが…今はここに
はいない。なんでも線路の向こうの緑色の
建物に引越したとか。
Mさんならば、親しかったから、きっと
行方を知っているだろう?ということが
わかった。かなり有力は情報だ。
その日はいったん帰ることにした。

後日、早朝…
Mさんの住んでいる抹茶色の建物を探し出した。
早速、ドアをノックすると…
じいさんがゴミ袋をもってドアを開けるところ。
事情を話すと…
「ああ…知っているよ、彼女ね~
坊さんと結婚したらしいよ。好きだったのか?」
…ぼくテレながら首をゆっくり縦にふった。
「そういえば、一昨年年賀状が来ていたな…
ちょっと待って…」…といって家に中に
もどっていった。
用意されていたかのように、すぐにハガキを
持って現れた。
それは彼女の母親からの年賀状だった。
その年賀状を最後にその後は年賀状を受取って
いないという。
年賀状に書かれてある住所をメモさせて
もらった。その住所は神奈川県…。
そのあと何を話したのか記憶にないが…
深く陳謝しその家をあとにした。

彼女の母親の住所がわかった。(⌒_⌒)
ここに行ってみよう。
いてもたってもいられず…
午前8時ごろだっただろうか?
そのまま、早速クルマで神奈川県に向かった。

もうすぐ会えるかも?という期待を胸に。

to be continued

三鷹に住んでいた彼女(恋愛岩窟王1-1)

アルバム

……………………………………………
これは初恋の人を探し出すまでの
真実の記録である。
……………………………………………
ある日…アルバムを開いた。
むかし熱愛した彼女に会いたくなった。
今を逃したら、もう二度と会えない気が
した。会いたい…何としても会いたい。
そう思うといてもたってもいられず…。

日射しの強い日曜日の昼下がり、
高校時代、彼女が住んでいた
東京・三鷹の集合住宅にクルマを走らせた。

当時の面影はまったくなかった。
新しい集合住宅に替わっていた。
彼女はいったいどこに行ってしまったのか?
現在でもここに住んでいることはないだろう
と最初から予測していたことだが。

まず、当時のことを知っていそうな
近所の美容院に聞いてみると…

なんと…
彼女の母親のことを記憶していた。
だが、なにぶん古い話。
記憶は曖昧のようだ。
その後どうなったのか?
知るよしもなかった。
なんだか胸がドキドキした。
なんだか恐くなって…
その日はそれだけで帰った。

後日……。
むかしから住んでいた可能性のある
集合住宅の住人をあたろうと思った。
それこそ片っ端からドアをノックするか?
ある所ではそっけなく知らないと
いわれ…またあるところでは…
迷惑そうな顔をされるだろう。

何百戸もあるドアを順番にノックするのは
得策ではないことを覚る。
ではどうするか?

集合住宅を闊歩しているおばさんに
聞くことにした。
集合住宅には横の繋がりがあるものだ。
そのおばさんが彼女のことを知っている
可能性は低いだろうが…
古くから住んでいる人はだれなのか?
それを知っている可能性は高い。
古くから住んでいる人が判れば、
その家のドアをノックするのが
彼女の情報を得る早道だと思われた。

数人に声をかけてみるうちに、
古くから住んでいる人はすぐにわかった。

そのドアをノック…
でてきた白髪の女性に彼女のことを聞くと…

「ああ、あのおかっぱ頭の器量良しの…」と
懐かしそうに昔を語るその御夫人の話しを
聞いていたら…胸がドキドキした。
彼女が日航に就職したことを知った。
日航といえば日本航空…
スチュワーデスになっていたのだ。

だが、今どこにいるのかわからなかった。(T_T)

to be continued