そりゃ、トコジラミは暗いところが好きだし、基本的には深夜に暗闇で活動するけれど。
部屋を明るくしていたって、油断は禁物だ。
ヤツら、明るくても出てくることがあるからね?
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これまでのいきさつ:
自宅でトコジラミと戦っていた主婦戦士・トトリ。
実家にまでもトコジラミが出てしまい、制圧すべき戦場が増えた……
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母は、電気をつけた部屋で本を読んでいたときに刺されたかもしれないと言っていた。
母がそう思っただけなので実際にそうなのかは分からないが、本当にその部屋で刺されたのだとしたら。
こんな疑問を抱く人がいるかもしれない。
「トコジラミは暗いところで活動するのでは? 明るいところには出てこないのでは?」
基本的にはそうだが、あまりに空腹になれば話は別だ。
明るいからと出ていかずに餓死するより、不本意でも明るいところへ出ていって空腹を満たす方が良いに決まっている。
母が本を読んでいた部屋は寝室ではないので、母がその部屋にいるときは部屋は必ずいつも明るい。
その部屋に住んでいるトコジラミは、母の寝室まで移動しない限りは、明るいときに吸血するしかないのだ。
ちなみに、わたしが自宅で初めてそれらしき虫を見かけたときも、部屋は明るかった。
トコジラミは(己の好きであろう)暗闇から、明るいところにいるわたしに向かって走ってきたのだった。
あのときも、よほど空腹だったに違いない。
「トコジラミは明るいところには出てこないから、電気をつけて寝るべし」
という作戦がよく言われるが、ホテルでその作戦が有効なのは、宿泊者の全員が電気をつけっぱなしで寝るわけではないからだ。
一方自宅では、その作戦が通用するのは最初のころだけだと思う。
毎日つけっぱなしで寝ていれば、空腹になったトコジラミは最終的には観念して部屋が明るくても襲ってくるだろう。
なので、たとえば「ネットで注文した殺虫剤が届くまで刺されずにしのぎたい」など期間限定なら意味があるが、そうでなくエンドレスで電気をつけて寝る作戦をしても、刺され防止にはあまり意味はないような気がする。
ただし、電気をつけて寝るのには、別の利点がある。
夜中に目が冷めたとき、とっさに布団の上や中にヤツらがいないかを確認できるという点だ。
これはかなりの利点だと思うので、わたしは毎晩寝室の電気をつけたままで眠りたいと思っている。
が!
夫はこう言って拒んだ。
「部屋が明るいと眠りの質が悪くなるから」
え……
眠りの質!?
トコジラミ大戦の真っ只中でも、眠りの質が重要なのか。
……。
分かったよ。
でもさー、
それさー、
アイマスクつけるのではダメなわけ!?
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