軍隊などで、味方から誤射されることを「friendly fire」という。
友人からの誤解に基づいた裏切り行為なども、比喩表現として「friendly fire」という。
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これまでのいきさつ:
我が家にトコジラミがいる。
トトリはトコジラミ対策を色々したが、意味がなかったと思うのは「ドア周りに貼ったツルツルテープ攻撃」。
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話は冬まで遡る。
その夜は予報どおり雪が降っていた。
ここは滅多に雪が降らない地域なので、数センチ積もっただけで交通網に混乱をきたす。
雪国の人からしたら信じられないことだろうなと思つつ、街の様子を報じるニュースを観ていたところ、突然テレビが映らなくなった。
何かのエラー表示が出ている。
ひょっとして……
アンテナに雪が積もって倒れたのだろうか。
曲がってしまったのだろうか。
翌朝、外に出て屋根の方を見てみたが、アンテナは倒れておらず、曲がってもいないように見えた。
けれども、映らないからには何らかの異変はあるのだろう。
早速業者の人を呼ぶことにした。
業者の人が来ると、
「まずは、家の中を見せていただいてよろしいですか」
と言われた。
えっ!
家の中に入るの!?
アンテナの差込口を見たいのだという。
えー……
てっきり、屋根の上でアンテナを修理するだけだと思っていた。
まさか家の中に入られるとは思ってもみなかった。
だから、「アレ」がそのままだった。
仕方なく家に上げ、テレビのところまで案内した。
そのため、見られてしまった。
各部屋のドア周りに貼ってある「トコジラミ対策テープ」の存在を。
透明のツルツルテープの下に貼ってある養生テープは、買いに行ったとき緑か青しか売り場になかった。
なので緑を買ったのだが、それがいっそう「引越作業中かリフォーム中か」みたいな雰囲気を醸し出していた。
テレビが映らなくなった原因は、アンテナではなく家の中にある分配器にあるようだった。
分配器を直してもらい、無事にテレビが映るようになった。
全部のチャンネルがきちんと映るかなどの確認をしていたところ、夫が書斎から出てきた。
「テレビ、直った?」
業者の人は、夫と故障原因などについて少し話しあったあと、ふいにこんなことを尋ねてきた。
「ところで、最近リフォームをされましたか?」
リフォーム時に分配器をいじったかとか、そういうことが聞きたかったのかもしれない。
なんか、リフォームしたっぽい痕跡のある家だし。
(養生テープはリフォームのためでなくトコジラミ対策なのだけど)
夫は普通に「いいえ」と答えたが、わたしは焦ってしまった。
「言い訳をしないと、トコジラミ対策のテープとバレてしまうかもしれない!」と思ったからだ。
今思えば、ドア周りにヘンなテープが貼ってあるからといって、「ということは、この家にはトコジラミがいる!」なんて連想されるわけはない気がするけど。
あのときは、焦ってしまったのだ。
だから、ヘンな言い訳をしてしまった。
「その養生テープは、リフォームのためじゃないんですよ。あのー、ちょっと、これからDIYをしようと思っていて」
あはは、と笑ってごまかす。
「そうなんですか」
業者の人はサラっと流してくれた。
なのに!
「えっ、トトリ、DIYするの? これって、そのためのテープだったの!?」
まさかの、夫が食いついてきた。
「DIYって、何する気?」
「……」
「このテープが必要なDIYって、なんだろ」
まさかのしつこさ。
フレンドリー・ファイヤー!
お察しください!
DIYなんて嘘です!!
ちなみに、寝室にもテレビがあるので、それも確認された。
当時はまだマットレスや壁にハエ取り粘着シートを貼りめぐらす前だった。
貼った後でなくて本当に良かった……
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