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これまでのいきさつ:


カズキさんからトコジラミ体験談を聞き、震えるトトリ。

 

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ついに敵の正体が分かったカズキさん。

 

すぐに業者に頼もうと思ったものの、ネットを見ると「業者に頼んでも完全には駆除できなかった」という書き込みもちらほら。

 

そこで、まずは自力で頑張ることにしたそうだ。

 

しかし、効能欄に「トコジラミ」と書いてある殺虫剤を試しても、結果は芳しくなかった。

 

カズキさんの家にいたのは、殺虫剤によく使われている成分「ピレスロイド」に抵抗性を持つスーパートコジラミだったのだろう。

 

(製薬会社は一律に「トコジラミに効く」と書かず、「従来のトコジラミのみに効く」のか、「スーパートコジラミにも効く」のか明記してくれたらいいのに、と思う)

 



 

そんな中、カズキさんは、とある待ち伏せスプレーと出会った。

 

使用成分はカルバメート系。

 

ネットでの評判どおり、かなりの効果を実感できたというが、完全駆除までは至れなかった。

 

部屋のあちこちにヤツらが拡散しすぎていて、スプレーしきれなかったのが原因だろうと本人は分析する。

 

 

 

 

カズキさんがダニだと勘違いしてダニ対策をしていた間、ヤツらは繁殖を続けていた。

 

その結果、気づいたときには大繁殖をしていた。

 

そして、大繁殖したヤツらは、家中のあちこちに移動してしまったのだ。

 

 

本を読もうとすれば、背表紙と本の隙間にいる。

 

目覚まし時計の電池を替えようとフタを開けたら、中にいる。

 

 

「また出たーっ!!」

 

 

 

 

 

なかなか駆除しきれないトコジラミ。

 

増える一方の虫刺され。

 

絶え間なく続く、耐えがたい痒み。

 

夜が来る恐怖。

 

 

すべてに辟易し、ついに

 

「こうなったら、もう何もかも捨ててやる。隠れる場所を可能な限り減らしたうえで、待ち伏せスプレーを撒いてやる!」

 

と、家財全捨てを決意するに至ったのだそうだ。

 

 

「たださ、仮にトトリちゃんが俺と同じように全捨てして駆除しようとしても、うちに比べてトトリちゃんの家は駆除しにくいと思うんだ」

 

「ええっ、どうしてですか!?」