吸血昆虫は、人間が出す二酸化炭素に反応している。
ゆえに、ドライアイス(二酸化炭素)に寄ってくる。
以前、蚊がドライアイスに集まってくる実験映像を見たことがあった。
うん、いけそうな気がする。
わたしの考えた捕獲装置は、こうだ。
ハエとり粘着シートで四角く囲った中に、以下の三点を置く。
1.人間の呼吸の代わりに、ドライアイス
2.人間の体温の代わりに、ホッカイロ
3.人間の体臭の代わりに、一日はいた夫の靴下
そこに寄ってきたトコジラミを、粘着シートで一網打尽にするのだ。
捕獲装置は、ソファの横に設置することにした。
夫がソファのない生活は嫌だと言う以上、わたしがソファを守るしかない。
撲滅前にソファを買い換えても意味がないからね。
近くでドライアイスを手に入れられる場所として思いつくのがサーティワンだけだったので、必然的にアイスを買いにいくことになった。
翌日午前中に買いに行き、ひとまずアイスを食べる。
そして、深夜一時。
捕獲装置を設置すべく冷凍庫を開けると……
ない!
サーティワンの袋の中から、ドライアイスがなくなってる!
なんでー!?!?
調べたところ、ドライアイスは約-79度。
-80度以下にしておかないと溶けてしまうそうだ。
家庭用冷蔵庫の冷凍室(-18度)ではまったく歯が立たなかった。
「トコジラミよ、人間の知恵を舐めるなよ!」
と意気込んでいたわりに、わたしの知恵(ドライアイスに対する知識)が足りず、この日はトコジラミの不戦勝となったのであった。
アイスは美味しかった。