「トランプ大統領

「安部内閣総理大臣

 

どちらもニュースでは同列の扱いをされているように感じますが、

いったい「大統領」と「内閣総理大臣」とは何が違うのでしょうか?

説明できる大人は少ないです。

 

今回は「大統領」と「内閣総理大臣」の違いについて、解説します。

 

議院内閣制と大統領制

先に答えを言ってしまいますが、
議院内閣制の下では「内閣総理大臣」。
大統領制の下では「大統領」。というこれだけの話です。
 
ここで議院内閣制大統領制という言葉が出てきましたので違いを押さえておきましょう!
 
議院内閣制・・・立法と行政が相互に依存し、行政は立法の信用の上に成り立つ
大統領制・・・立法と行政が独立して存在し、権力のバランスを保つ
 
という違いがあるのですが、これではあまりピンときませんね。
ここでわかりやすい違いを説明します。
 
①選出方法が違う
大統領制・・・国民の直接選挙によって選出される。
議院内閣制・・・議会(国会議員)によって選出される。
 
②任期の違い
大統領制・・・基本的に任期を全うする(犯罪などは例外)
議院内閣制・・・内閣不信任決議案が通れば内閣総理大臣を辞めさせることができる
 
という違いがあります。
確かに日本人の僕らは総理大臣を選ぶことはできませんよね。
 
それは①選出方法の違いによるもので、
「議院内閣制における行政(内閣)は立法(国会)の信用のもとに成り立つ」という
ルールがあるため、国会議員が内閣総理大臣を選んでいたんですね。
 
なお、「立法」、「行政」という言葉をもっと知りたいという方は、
三権分立について書いた記事がありますので、そちらをご覧いただくと理解が深まります。
 
また、その他の政治形態として、
・半大統領制
・権力集中制
なども存在しています。
 

議院内閣制のメリット・デメリット

日本で取り入れられている議院内閣制ですがどんなメリットがあるのでしょうか?
 
<議院内閣制のメリット>
・議会(国会)が内閣総理大臣を解任できる
 →総理大臣の暴走を防ぐことができる
・与党と野党が分かれる
 →国務大臣がほとんど与党の議員となるため、役割が分かれること野党による監視ができる
・行政権を内閣で持つため、個人に権力が集中しない
 →大統領制だと実質1人で行政権を持つことになる
 
議院内閣制は全体的に見て安心した政権運営がされそうな気がしますね。
反対にデメリットも見ていきましょう。
 
<議院内閣制のデメリット>
・国民が直接選挙で総理大臣を選ぶことができない
 →総理大臣の暴走を防ぐことができる
・国会と内閣が一体化し、権力の抑制が働かない危険性がある
 →議席の多い政党の党首が内閣のトップを兼ねることになる(ほぼ)ので、内閣と国会が一体化しかねない。
・民意の反映がされ辛い場合がある
 →国民の意向ではなく、議員の意向が優先される可能性がある。
 
つまり、国政が安定するというメリットの一方で民意の反映がしづらいというのがデメリットになっているようですね。
 

まとめます

大統領と内閣総理大臣の違いは、国の政治形態と関係がありました。
大統領制の国は「大統領」、議院内閣制の国は「内閣総理大臣」と呼ばれます。
 
日本が採用している議院内閣制だと、総理大臣は国会議員が選出し、内閣の不信任決議案が通れば辞めさせることができます。
大統領制と比較すると、国政が安定するというメリットの一方、民意の反映がしづらい場合があるというのがデメリットになります。
 

最後までお読みいただき、ありがとうございました(*^^*)