私自身に起きた、死産の記録になります。

似たような症状だからといって、同じ結果になるとは限りません。

妊娠中の方は不安になるかもしれまん。

また、辛い内容が含まれています。

天使ママさんは辛い記憶を呼び起こしてしまうかもしれません。

 

ご注意願います。

 

クローバー

 

死産後、やっとピヨちゃんに会う事が出来ました。

小さくて真っ赤で可愛い男の子でした。

 

 

振り返り記録、前回の記事

右矢印㉝私の可愛い赤ちゃん

 

死産までの振り返りまとめはこちら

右矢印◆◇死産までの振り返り◇◆

 

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

【7月20日(木)】

【19週3日(死産当日)】

 

「見て!ちゃんと爪がある!!」

 

「ホントだ!」

 

「親指ってちゃんと分かる!!」

 

「この血管すごいね。」

 

 

頭と足に毛細血管のような細かい血管が張り巡らされていた。

 

小さな体のひとつひとつに感動していた。

 

 

「触っても良いですか?」

 

「良いですよ。」

 

 

恐る恐る頭に触れてみる。

 

肌の出来上がっていないピヨちゃんは、皮がぺたっと指に張り付いてしまう。

 

 

あんまり撫でたり出来ないのかな…。

 

 

「今、へその緒とネームバンドも用意してますからね。」

 

 

昨日話に聞いていた「してあげられること」「残せるもの」のことを思い出した。

 

 

「体を洗ってあげたりとかは…できるんですか?」

 

「赤ちゃんが柔らかいんで、洗ったりは難しいですね…。」

 

 

出来ないんだ・・・。

 

 

「おっぱいは・・・あげられますか?」

 

「今、出てくるか見てみましょうか。」

 

 

看護師さんが私の胸を軽くマッサージして、乳首をぎゅーっとしぼった。

 

 

ホントに出てくるのかな…

ピヨちゃんにおっぱいあげたい…

 

 

「出てますか・・・?」

 

「今うっすら、光るものが出て来てます。」

 

 

反対の胸も同じように絞ってみる。

 

 

綿棒にその光るものを含ませて、ピヨちゃんの口にちょんちょんとあてた。

 

 

「ピヨちゃん、おっぱいだよ。」

 

 

ガーゼにも同じように含ませた。

 

 

「ママの匂いがして安心するから一緒に置いておきましょう。」

 

 

母乳を含んだガーゼをピヨちゃんの横に置いた。

 

もっとたくさんピヨちゃんにおっぱいをあげたかった。

でも恐らく私の胸から出来てきたのは、透明なわずかな分泌液。

 

 

「もうちょっとしたら、もっといっぱい出てきますか?」

 

「ちゃんと出るようになるには2~3日かかりますし、一度出ると止まらなくなってしまうので…。」

 

 

母乳を止める薬はすぐに飲む事になっていた。

その前にたくさん母乳を出したかったが、それは叶わなかった。

 

 

 

11:00

 

2時間が経ち、やっと分娩台から降りる事ができるようになった。

トイレにも行き、ベッドに移動した。

 

出血量は相変わらず多く、産褥パッドからも漏れるくらいだった。

 

 

分娩着から自分のパジャマに着替え、看護師さんに血で汚れた足や汗を拭いてもらった。

 

 

「じゃぁおばあちゃんが子守してるね。」

 

 

母が容器ごとピヨちゃんを抱いて、嬉しそうだった。

 

 

「名前、つけてあげないとね。」

 

「男の子だったから…ピヨ助!」

 

 

ずっと呼んでいた“ピヨちゃん”という呼び名。

 

やっぱりピヨちゃんはピヨちゃんで、他の名前は考えられなかった。

男の子だったので、男の子らしく「助」をつけることにした。

 

 

看護師さんが木の箱を持ってきてくれた。

ピヨちゃんの棺となる箱。

 

 

木の箱の底には、ピヨちゃんのベッドとして腹帯を敷いた。

毎日「ピヨちゃんをお守りください」とお願いした腹帯。

 

 

「赤ちゃん移すときに、産着も着せましょうか?」

 

 

私がずっと抱きしめていた産着。

ピヨちゃんが寂しくないように、私の匂いをつけた産着。

 

 

木箱に移すのは別室でやるようで、看護師さんがピヨちゃんを連れて行こうとしていた。

 

 

「その前に、赤ちゃん抱っこしても良いですか?」

 

 

ピヨちゃんが柔らかすぎるので、直接は抱けずガーゼ越しに手のひらに乗せてもらった。

 

ピヨちゃんは私の両手から少しはみでるくらいのサイズだった。

 

 

100gのピヨちゃんの存在が、私の手の中に広がる。

 

 

ぎゅうっと抱きしめる事は出来ないけど、胸元に両手を持ってきた。

 

 

ピヨちゃん、お母さんだよ。

 

 

「お母さんも抱っこしたい!」

 

 

私の次に、母も手のひらに乗せてもらった。

 

 

柔らかすぎるピヨちゃんは、手に乗せていると溶けてしまいそうで、あまり長い時間抱くことはできなかった。

 

 

それでも、ピヨちゃんの存在を感じることが出来た。

 

 

抱っこ出来た時間は短かったけど、幸せだった。

 

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

ピヨちゃん、

 

もっともっと抱きしめたかった。

 

でも忘れないよ。

 

ピヨちゃんが確かに存在した重み。

 

 

小さな小さなピヨちゃん。

 

存在はとっても大きいね。

 

ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ ヒマワリ

 

右矢印㉟してあげられる事、残せる物(2)へ続く。