気付けば、検定試験まで残り1ヶ月を切りました。


 簿記ゼミでは11月検定向けの授業も残りわずかとなり、あとは直前対策に入ります。


 検定試験まで残り1ヶ月となり焦りや不安もある方もいるかもしれませんが、今は1問1問を大切に、ただただひたすら目の前の問題を解くだけを考えましょう。


 さて、以前、「132回 日商簿記検定試験 出題予想」について述べましたが、今回は予想外に出題されるのは何かについてと少し考えてみたいと思います。

 

 まずは3級は119回に出題された決算整理前残高試算表の作成、当座借越がある試算表作成の2つは念には念を入れて確認しておきましょう。


 次に第2問、第4問ですが、新傾向の問題も考えられます。

 商品売買に関して、補助簿の記帳、売上原価・売上総利益の計算など関連付けて考えてみると力がつきますので、実践してみてください。


 次に2級ですが、第2問で伝票もしくは特殊仕訳帳ではなく個別論点ということも考えられます。

 個別論点は過去に、固定資産、有価証券と社債、特殊商品売買が出題されたことがあります。

 総平均法と期末商品の評価(低価法)、銀行勘定調整表、剰余金の配当・株式の発行と株主資本変動等計算書などは確認しておきましょう。


 第3問は131回に損益計算書の作成が出題されましたので、まず予想外と考えられるのがこの損益計算書の作成です。それと貸借対照表の作成も118回以来出題されていないので要注意です。


 工業簿記では総合原価計算が4回連続で出題されておりますが、再度、出題されてもいいように仕損・減損を含めてしっかり確認しておきましょう。

 

 次に1級ですが、工業簿記で実際原価計算が2回連続して出題されているため、標準原価計算という可能性が高いですが、実際原価計算で多くの人が予想であげているのは部門別原価計算です。ですが、個人的には個別原価計算の仕損・減損も念のため確認しておくといいと思います。

原価計算では129回で設備投資の意思決定が出題されましたが、頻出論点ですので基本事項を含めてしっかり確認しておいたほうがいいでしょう。



 2級で126回、127回と連続して標準原価計算が出題されました。連続で出題されたということで誰もが予想にしていなかった出題でした。


 その辺から予想どおり出題される分野もあれば、予想外の出題もあるということが多々あります。


 これは出題者が「予想に頼らず満遍なく勉強しなさい」というメッセージだと思います。


 ですから、「この次で絶対合格したい!」という方は予想問題をケアしつつ、今一度、テキストで基礎・基本の徹底を図ってください。

 直前期のこの時期に、そんなことをするのと思う方もいるかもしれませんが、僕自身、1級に合格したとき、予想問題を解きつつ、直前期にテキストをもう一度、確認しました。

 そのおかげで予想問題に載っていない予想外の問題にしっかり対応でき、合格できたという経験があります。


 予想外に出題された問題は基礎レベルだったということが多々ありますので、基礎・基本ができていれば、逆に満点を狙える問題です。

 予想外の問題が出題されたとき、慌てるのではなく、これはチャンスだと思うためにも、しっかりテキストレベルの修得を図ってください。