以前、「第132回 日商簿記 出題予想」の3級、2級について述べたので、今回は1級について述べます。


 まずは商業簿記から述べます。

 商業簿記は抑えておきたいのが損益計算書の作成です。損益計算書の作成は122回以来出題されていませんので要注意です。

 そのとき、特殊商品売買を絡めて出題されることが想定されますから、特殊商品売買を絡めた問題を試験までに対策を講じておきましょう。

 次に抑えておきたいのが本支店会計です。本支店会計は105回、110回に出題されております。前回、連結会計で在外子会社を絡めた問題が出題されました。また、105回では在外支店の本支店会計でした。ですから、試験までに在外支店を絡めた本支店会計の対策を講じておくのはもちろんのこと、通常の本支店会計(例えば、110回類題)も念のため、対策を講じておくようにしましょう。



 次に会計学です。工事契約、キャッシュフロー計算書、棚卸資産(売価還元法)、税効果などはしばらく出題されておりませんので、十分対策を講じておきましょう。

 また、前回、連結会計が商業簿記で出題されましたが、会計学では122回以来出題されておりませんので連結包括利益計算書、持分法も含めてしっかり確認しておきましょう。


 最近、会計学では予想外の論点が出題されることがあります。しかし、そういった場合、基本問題だったということも過去にありました(前回の会計学はかなりの基本問題でしたので、テキストレベルが修得できていれば20点以上は取れました)。

 ですから、予想問題を十分ケアしつつ、予想外の出題にも対応できるよう、テキストの内容を今一度、確認しておきましょう。


 次に工業簿記です。前回は大多数の予想に反して、組別総合原価計算でした。総合原価計算が2回連続で出題されておりますので、標準原価計算は要注意です。その中でも歩留、配合差異や原価差異の追加配賦はしばらく出題されておりませんので要注意です。また、仕損、減損(第1法、第2法)も過去問を含めて、十分、対策を講じておきましょう。

 また、122回以来、出題されていない予算編成も要注意です。予算編成は十分、対策を講じておけば高得点を狙える論点ですので、試験まで十分、対策を講じておきましょう。


 実際原価計算では部門別原価計算が119回以来出題されておりません。補助部門の配賦法(階梯式等)、勘定記入、差異分析などはしっかり確認しておきましょう。


 最後に原価計算です。前回は直近に出題された予算実績差異分析でした。少し、予想外でしたが、問われているレベルは基本でした。

 今回は、最近、出題率の高まっている最適セールスミックス、設備投資の意思決定会計の2つは必ず抑えておきましょう。

 また、CVP分析・事業部制、業務的意思決定はしばらく出題されておりませんので、こちらも試験までにしっかり確認しておきましょう。

 

 1級は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目出題されますが、その中で高得点を狙える科目が必ずありますので、取れる箇所で取ることが1級合格には絶対に不可欠です(野球でいえば、甘い球を見逃さず捉える好球必打です)。

 また、予想外の問題、難易度が高い問題(前回では商業簿記の連結会計)などは足切りに掛からないように粘り強く1点でも積み重ねるように心掛けましょう。


 それでは、11月検定まであともう少しですが、最後まで諦めずに頑張って下さい。