ずっとずっと行きたかった目黒区三田のwellkへ。
hanako系の雑誌にもよく紹介されているので人気店なんだろうなぁと思ってネットで調べると、やはり「開店前に並ぶ」という口コミが。
お店は目黒三田通りに面していて、目黒駅から恵比寿ガーデンプレイスの方に歩いて10分ほどのところ。

この通りはバスが通っていません。人通りも少なく静かなのですが、寂しい感じはなく、なんだかとても垢抜けています。
住宅街の中に家具店やアンティーク食器を取り扱う雑貨店が点在していていかにも目黒らしく、
ワインがたくさん陳列された食料品店があったり、洗練された門構えの飲食店や美容室があったり、街歩きするには大変面白いところです。
このあたりのランドマークといえば、山手線の窓からも見える教習所。
その教習所を通りすぎ、向かい側の小さなビルの2階に、wellkはあります。
時刻は11:30。ビルの階段を上ってお店のドアを開けます。入って右手がキッチン、左手の通りに面した側がカフェスペース。
真ん中にはぐるりと囲まれたカウンターがあります。お客さんが座るカウンターではなく、収納やお勘定のためのカウンターです。
キャッシャーがあって、ショーケースの中にはこのお店自慢のケーキやスコーンが10種類ほど並べてあって、その対岸にはキッチンスペースに収まりきらない調理器具などがセンス良く置かれています。
20席に満たないテーブルは、今時のオシャレをしたお嬢さん達や、もう少し年上のお姉さん達で既にいっぱいでしたが、幸い最後の席が空いていて、待つことなく座れました。
テーブルとテーブルの間にはゆったりと距離があり、狭い感じはありません。
白塗りの壁にコンクリートの床。
ナチュラルな色合いの木の椅子とテーブル。
ところどころにはめこまれた磨りガラス。
そんな、クリーンで温もりのある空間にアクセントを添える、黒く塗られた扉と窓枠。
天井には蛍光管のような光量の多い照明がなく、代わりに豆電球のペンダントライトが吊り下げられているのですが、
部屋の三方に窓があるお陰で自然光がたくさん入ってきて、店内は明るく爽やかな印象です。
ランチセットはメイン料理を4種類から選べ、
リヨン風サラダ、ポタージュ、ラザニア、ケークサレというラインナップ。
今日のところはメインをリヨン風サラダにすることにしました。
ショーケースに並んだ愛らしいケーキやスコーンを眺めていると、このお店に来たらきっと食べるべきものなんだろうという気がしてきて、思い切ってデザートもついたセットを注文しました。
するとほどなくして、パンが運ばれてきました。
お皿にプチパンが2つ乗せられ、薄茶色のスプレッドが添えられています。
ピーナッツクリーム?と思ったら、
店員さん:「お待たせしました。セットのパンと塩バターキャラメルです。」
パンのお供に、バターでもピーナッツクリームでもなく、塩バターキャラメル!
なんてオシャレなのでしょう。
さっそくパンをちぎってみると、思っていた以上に温められていました。触った指先が驚いて一瞬引っ込めそうになるくらい。
トーストしてすぐに持ってきてくださったようです。
しかし、口をやけどするほどの熱さではありません。まずは何もつけずに、ほかほかの湯気と一緒に口に運びます。
パンの外側はパリパリ、中はフワフワもっちり。
小麦とバターの風味がふわっと鼻を抜けていきます。このままでもとっても美味しいのに、塩バターキャラメルをつけたらどうなっちゃうんだろう、という期待。
ねっとりしたキャラメルソースをパンの白いところにそっと乗せ、また口に運びます。
バターの香り、程よい塩味、脳が痺れるような甘味…
味のバランスが素晴らしい。
プチパンをひとつ食べ終えて、「ほぅっ」と幸せのため息をつく頃、メインディッシュが運ばれてきます。
こちらがリヨン風サラダ。
こんもりとしたレタスの上に、
マリネした紫キャベツ
ホクホクの塩ゆでジャガイモ
固めに茹でたブロッコリー
黄身がとろとろのゆで卵
厚切りベーコンのソテー
彩りを添えるミニトマト
刻んだフレッシュパセリ
さりげなく振りかけられた細挽きの黒胡椒…
素材の味を活かすシンプルなドレッシングは甘酸っぱく、粒々のマスタードが味に奥行きを与えてくれます。
ゆで卵は切らずに丸のまま盛り付けられているので、自分で卵をくずし、中の黄身をトロ~っとさせる楽しみがあります。
では私も失礼して。
トロ~っ
料理を構成しているひとつひとつに与えられた役割を、一口ごとに噛みしめたくなるような、
そのひとつひとつが同じ皿に集まり、オーケストラのハーモニーを奏でているような、素晴らしいサラダでした。
店員さんは私が食べ終えたメインのお皿を下げながら、デザートは何がいいかと聞いてくれます。
私はショーケースの前に行き、どれにしようかと頬に手を当てて悩みます。
((できることなら、片っ端から食べたい…!))
コーヒーゼリーにも心惹かれましたが、迷って迷って最後にはレモンケーキに決めました。
クグロフ型で焼かれたケーキの白いアイシングの上に、レモンピールとピスタチオが花畑のようにあしらわれていて、その可憐な姿に心が動いたのでした。
そして、デザートの時にとお願いしていた、ルイボスティー(セットドリンク)と共に運ばれて来たレモンケーキ。
お皿にはケーキと一緒に、アイスクリームが盛り付けられていました。
ショーケースのケーキがそのまま出てくると思っていたので、予想外の驚きと共に嬉しさを覚え、
ひと手間加えて提供してくれる、お店のサービスに感じ入りました。
アイスクリームの上にちょこんとのっかった生クリームがとってもミルキー。
きっと製菓用のいい生クリームを使っているのでしょう。
ケーキを一口噛みしめると、生地はぎゅっと目が詰まっていて、優しいレモンの風味がします。
白いアイシングにもレモンの味がついていて、こちらはキリリと酸っぱい。
生地の食感がしっかりしているので、口の中がもさもさしたところに溶けかけたアイスを食べ、冷たいルイボスティーで流し込んでは、またケーキを食べて…と、忙しくカトラリーを動かしている間に、レモンケーキはみるみる小さくなっていきました。
お皿に残った最後の一口と、窓から見える通りの景色を交互に眺めてしばし放心した後、ついには決心してケーキを平らげ、お会計をしてお店を後にしました。
ちなみにビルの1階ではスイーツとドリンクを販売していて、テイクアウトもイートインも可能なようです。
店構えから、1階も2階もwellkなのかと思いましたが、1階はtaikという名前です。
帰り際にtaikのショーケースを覗いたら、wellkにはなかったティラミスが置いてありました。
ティラミス気になる…
今度はここにお菓子を買いに来よう。
wellkにいる間、お客さんが絶えず入店してきたのですが、全員女性でした。
もちろん男性のお客さんが来ることもあるのでしょうが、
wellkがこんなにも女性に人気があるのは、まさに女性がカフェに求めているものを体現しているお店だからだと思います。
目黒という立地。
一度こんな素敵な部屋に住んでみたいと思うようなセンスのいい内装。
女性好みのメニュー。
美味しいケーキ。
料理のボリューム感。
…
女性が好きなものを、これほど過不足なく、さらりと提供できるお店はあまり多くないのではないでしょうか。
カフェ通の編集者の皆さんがこぞってメディアに紹介するのも納得です。
私もまた訪れたいです。









