ファックス送信でよく使われるのは地図ですね。
初めて来られる方にファックスで自分の所在地をお知らせする。
ファックスのポピュラーな用途のひとつでしょう。
しかしこれは何故でしょうか?
今でこそファックスの無い事務所など世界中に考えられませんが、
一番速く普及したのは日本です。
メーカーの大部分も日本企業です。
日本にはファックス利用のニーズも強かったのか?
どうして?
ファックスの普及していない頃、
場所を説明するのは電話でした。
日本人で道順を上手に説明できる人はなかなかいません。
分かりにくい説明をしたあと、最後に
「すぐ分かりますよ」
と言います。
そして、
こっちはよく道に迷いました。
「説明と違うじゃないか・・・」
これはひとつには日本の住所が場所を特定するのに非常に分かりにくい所為もあります。
例えば、
英国では道路にすべて名前がついており、
住所がボンドストリート、
と言えばボンドストリートを歩いて行けば見つかります。
ところが東京で「赤坂9-1-2」と言われてどの道路を探せばいいのかはまったく分かりません。
ドイツでも「すべての道に」名前がついており、
番地は道路の右側と左側で偶数か奇数かに分かれているので、
たとえばシュミットシュトラーセ7番地と聞いたら
シュミットシュトラーセの右側の4番目の家(1.3.5.7・・・と並んでいるから)、
と確実に分かります。
【ドイツは家の前の道まで一本一本すべてに名前がついています】
また、ニューヨークならブロック数を数えるだけでたどり着けます。
しかし欧米はみんなそうかというと実はそうでもなく、
例えばパリだと進むに連れて道の名前がどんどん変わるのでまた別の工夫が必要です。
欧米人に場所を訪ねるとスラスラッと簡単にしかも分かりやすく説明してくれるような気がするのはそういう仕組みの背景もひとつあるでしょう。
しかしもうひとつ、
日本人が地図をファックスで見たがる大きな理由があるのです。
それは漢字です。
【続く】