9. 子供を持って思う事/ 銀座のクリスマス | Bokensdorfのブログ

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国際結婚から考えた「隠れた構造・隠れた文化」について
加えて「世の中の仕組みは実はこうなっている」について書きます

■ 銀座のクリスマス

やがて私たちに男の子が生まれた。

両親双方の個性を引き継いで、とても可愛らしい顔をしている。
一目で日本人以外の血が入っていると分かる。
よくも自分にこんなにハンサムな男の子ができるものだと感心する。

しかし、それは嬉しいことばかりではなかった。

息子を連れて外出すると、先々で人目を引く。
家内だけでもそうなのに、子供でも人目につくのである。

生まれた年のクリスマスにこういう事件があった。
その日子連れで初めて都内に出かけると、まったく知らない人に
「やっぱり外人の子は可愛いね」
などとあちこちで言われる。

「私は日本人なんだけど」と内心で反発しながらも
子供を可愛いと言われて悪い気はしないものだったが、
銀座のある銀行の前にあった小さなクリスマスツリーの前で
乳母車に乗せた息子の写真を撮っていると、
「キャー、カワイイ」
と言う女性の声をきっかけにあっという間に人垣が出来、
何を勘違いしているのか私たちの写真を撮り始める人まで現れた。

そのフラッシュが更に人を呼び、
いったい何事なのかと集まる人込みの真ん中に私たちは置かれてしまったのである。


人目につくことを私は自慢しているのではなく、
「人に見られる」という事がどんなに息苦しく、疲れる事か、
一日都内に出ただけで実感したということなのである。



こういうことを経験するようになり、なんだか可哀想だと思い始めた。

気がついてみれば家内は来日してからずっとそうなのだ。
他にも国際結婚の子供を持つ人の話を聞くと、
子供が人に見られるのを怖がって外に出たがらなくなったという人もいた。
家内が乳母車で買い物に行くと、乳母車から息子を勝手に抱き上げられたりもした。
他人の赤ちゃんを可愛いからと言って勝手に乳母車から取り出したりするものなのだろうか?
相手が外国人だと礼儀が変わってしまうのだろうか。

【ダイアナ妃が来日して沿道の人と握手していた時、ダイアナ妃の頬を素手で撫でた女性もいた】

当時、赤ちゃんが乳母車ごと連れ去られた事件があったりして、家内は
「乳母車で町中に行くのが恐ろしい(いつも抱きしめていないと心配だ)」と言った。



【続く】



そのときの写真
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