我が家の長男は中学1年生。
長男は僕の母校に通っている。
僕が中学生だったのはもう20数年前。
だから僕が中学校の校則なるものに触れるのはかなり久しぶりです。
自分が中学生の頃の校則も訳のわからないものが多かった。
靴は真っ白のみ。
靴下も真っ白のみ。
髪型は前髪が目にかからない、後ろ髪が制服の襟にかからない、被せ禁止(現在のツーブロックのことです笑)などなど。
中学校という場所は、日本の学校の中でもかなりルールが厳しいところ、というのは経験上知っている。
当時の僕は少しの疑問を持ちながらも模範生としてしっかり校則を順守した。
野球部で髪型は坊主だったこともあってそんなに自分の生活を脅かすものでもなかったし笑
しかし改めて書き出してみるとやはりこれらのルールは意味不明。
つまり理由が分からない。
とは言えこれは20数年前の古臭いルールである。
だから20数年経っている2020年なら確実に変わっているはずである。
が、、変わってないのがさすがである。
息子はまだ20数年前のルールの中で生活させられている。
*古さが問題なのではなく、設定理由の分からないルールが問題。
変化といえば。
靴が何でもOKになったことはこれでも大きな変化。
靴下はラインが2本までならOKという、さらに謎が深まっていた。
髪型ルールは、被せ禁止という表現が、「ツーブロック禁止」という現代風に進化した。
頭髪検査というのがあって、髪型の校則が順守されているかが登校時の校門前で一人ずつ確認される。
前髪はわざわざ上から押さえて目にかかっていないかチェックする。天然パーマの息子も前髪を押さえられる。
こんなのに膨大な時間と人員かけておいて「教員は激務だ」は納得いかないよ。
僕が疑問に感じていることは、疑問を持たない行為。
なぜ、その髪型のルールが必要なのか。
生徒は仕方ない側面もある。先生という校内で自分たちより明らかに大きな権限をもった存在にルールの意味を問いかけるにはそれなりの論理性と覚悟が必要だと思うし。
でも、それでも理由に納得がいかないルールには少なくとも疑問を持って欲しい。
「ルールだから守る」という思考は、完全に思考停止状態。
ルールには設定された経緯があり、守るべき理由が存在しなければならないはず。
それを考えずに”ルールだから従う”という人が増えることは、それは統制をしやすい社会への接近を意味する。
極論は軍隊。
自分が死ぬかもしれないところに行けという極限命令(上官命令は絶対というルール)に従う人を徹底して育成する。
軍隊はさすがに極端な例だけれど、やっぱり「ルールだから従う」という思考放棄ともいえる態度は避けなければならない。
本当に守るべきルールなのか。
そうでないならば(ルールを破るのではなく)少しでも変える行動に。
行動を起こせないまでも、少なくとも順守するべき理由はちゃんと考える習慣をつけたほうがいい。
なぜツーブロックがダメなのかの理由を偉い人がちゃんと説明できなかった出来事は記憶に新しいけれど、ルールの中にこういった性質を持つものは少なからず含まれる。
ルールを守らせる側すらも論理的な理由を理解していない。
ちなみに、よく耳にする「中学生らしくない」という理由は理由に見えて全く理由にはなっていない。
「けじめがつかない」も同じく。
これもルール設定側の思考停止。
ルールで縛る側と縛られる側、両者の思考停止がこのような謎のルールをひたすら維持させる。
中学校という場所が、生徒たちに「主体的に」「自主的」などの行動目標を要求する以上、”校則だから従え”というスタンスには矛盾を感じてしまう。
先生たち。
校則に疑問を感じてますよね本当は。
「校則だから守れ」という思考停止行為は、生徒には「考えるな」という要求をしているに等しいです。
ご自身が少しでも疑問を感じる校則があるならば、生徒たちに問いかけてあげて欲しいです。
少なくとも、自分が思考停止してしまえば、生徒たちも思考停止するようになります。
もうそこには学校のシステムとして「自ら考え、自ら動こう」的な能力を獲得する作用は皆無です。
ちなみに幸いなことに、長男の学校ではこのたび靴下が自由になりました。
これは生徒会が靴下2本ライン制限の理由を追及して自由化が実現したみたいです。
中学校に限らず、日本には思考停止につながるものがとにかく多いです。
「みんなもやってる」「誰もやってない」とか。
まずはそういう作用の存在に気づくことから。
お読みいただき、ありがとうございました。
全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
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