僕は今、トルコに滞在しています。

バスからトルコ首都アンカラの街並を眺めている時、なぜ大半の建物が同じ赤茶色をしているのか気になりました。

 

 

 

理由を知りたいと考えた時に、その状況では選択肢が三つありました。

 

 

 

・ネット検索「なぜトルコの家は赤茶色の屋根?」

・考えないことにする。

・自分で推察してみる。

 

 

 

時間はある。

別に正しい答えを導かなくてもよい。

一人である。

 

 

 

前提条件を考えて自分で推察するという選択をしました。

 


 




 


アンカラの地形、歴史、経済、気候などその時点で持ちうる情報から推測される理由を組み合わせ、できるだけ答えに近づけるように答えを考えました。

つまり仮説です。

 

 

 

この時は仮設までにしましたが、本当に知るべきことがあればここから確認作業に移っていきます。

 

 

 

***

 

 

 

ここまでやって考えたのですが、普段我々は分からないことがあればネットで検索するのが主な選択肢になってきました。

そもそも分からないことがある時、我々にはどんな選択肢があるでしょうか。

 

 

 

本や論文で調べる。

ネットで検索する。

誰かに質問する。

放置する。

 

 

 

世代にもよりますが、今だとネット検索の選択肢が大半だと思います。

*ネットの情報の真偽やクオリティの話は今回の本題ではないので触れません。

 

 

 

「なぜトルコの家は赤茶色の屋根?」

 

 

 

この一文でダイレクトに欲しい情報が得られれば時間的にも非常に効率が良いですね。

しかし、時間の代わりに我々が失っているものもあるのではないだろうか。

 

 

 

あくまで僕の主観ですが、それは考察力であり思考力。

 

 

 

持ちうる情報を組み合わせて仮説を立てて「自らの思考で論理的に解答に近づいていくプロセス」。

この考察プロセスには、場合によっては答えを得る以上に重要な要素を含んでいます。

 

 

 

なぜなら世の中には答えがない問題が多いからです。

「正しい」は人によって、文化によって、時代によって変わる。

 

 

 

だから論点を整理し、メリット・デメリットを整理し、「そのケースにおける最適解」にたどり着く能力が重要なのです。

 

 

 

答えをダイレクトに知りたがる思考にはその余地は生まれません。

 

 

 

自分もそうですが、ついついネット検索に頼ってしまう時は、自分の持ちうる情報を十分に把握・考察していないし、何より考えずに安易に答えを欲しがっている。

(時間を優先してそうすべきことも多いが)

このことは寄せられる質問の傾向にも表れていて、「〇〇に効果的なトレーニングはありますか?」「〇〇はどうですか?」など、答えをダイレクトに欲しがる質問の傾向は強い。

 

 

 

プロセスはやはり大切です。

答えにたどり着こうとするプロセスは、思考プロセスそのものだからです。

 

 

 

ネット検索による答え探しは、

能動的なようで受動的。 

答えがすぐに見つかる場合、情報を組み合わせて推察するプロセスを経験できずに”答えらしきもの”にアクセスする。

でもそれはもしかしたら「他人にとっての答え」かもしれません。

 

 

 

 

 

 

「なぜトルコの家は赤茶色の屋根?」

 

 

 

 

 

 

実はこのワードでググっても欲しい答えはダイレクトには出てきません。

実際、検索ではこういうケースは多いですよね。

 

 

 

そんな時、更にひたすら検索に時間をかけるのか、得られた情報の中から考察するのか。

検索ワードなどケースバイケースだけれど、考察できるかどうかの差は大きい。

 

 

 

「考察できるけどこのケースではしない」と、「考察できない」の違いは非常に大きいと思います。

 

 

 

もしかしたら、自分にとっての答えは自分で考察することでしかたどり着けないのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

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