例えば、選手がエラーを繰り返した場合。
それをやったのがA選手の場合と、B選手であった場合。
そして二人のキャラクターが全然違うとき。
多くの指導者はおそらく選手によってアプローチを変えていると思います。
それが普通だし、おそらく必要なことだからやっていると思います。
なぜなら、そのケースでの指導の本質はそのエラーの繰り返しを改善することだから。
エラーの繰り返しを改善するという目的において、両者それぞれの特性にあったアプローチを選択して、最も効果的に改善するのが指導だからです。
極端な例ですが、これが俗に言う「褒めて伸ばすか叱って伸ばすか」の選択。
時には一貫した姿勢で、時には相手のキャラクターに合わせて。
良い指導者といわれる方は、こういう使い分けを的確に行なっています。
でも難しいのはA選手とB選手への対応の使い分け。
キャラクターに合わせて、と簡単に言ってしまっている部分。
本当に、”キャラクター”に合わせられているのか。
褒める・フォローを中心にやって乗せて伸ばしていくのか。
それともガツンと叱って悔しさをバネにさせて伸ばしていくのか。
どちらも有効ですが、ズレると選手にとってはストレスになり得ます。
どちらも有効だからこそ、選択が難しい。
それを決める基準は?
別の角度から。
指導においては1から10までのプロセスの説明が必要な選手と、結論とポイントだけ聞きたい選手がいます。
もしかしたら、基本は自分で工夫が好きで、聞きたい時だけアドバイスを受けたいタイプもいるかも。
あなたはどのタイプでしたか?
指導者のタイプはどうでしたか?
指導の伝え方でそれを外すと、十分に伝わらない、イライラさせる、混乱させる。
伸びない選手。
もしかしたら、選手個人の理解度の違いではなく、伝え方と聞き方のパターンの相違が原因だったら?
ものすごくもったいない。
そのためには、まず自分がそもそもどういう伝え方・考え方をするパターンを持っているのかを知ることがスタート地点。
「自得」といわれる考え方です。
プロセスを重視し、1から10まで順に伝えるべきだと考えているのか。
それともまずは結論から、そして要点を端的に伝えることを重視しているのか。
はたまた、見せてみて、とにかくやってみろ、やってく中で感覚をつかめというスタイルなのか。
そして自分がどのタイプなのかがわかった上で、相手がどのタイプなのかを知る必要があります。
自分が1から10を順に丁寧に伝えるタイプ。
でも相手が結論から聞きたいタイプだったら、そこはやはり相手の理解パターンに合わせなければなりません。
なぜなら、指導だからです。
自分がどのタイプであれ、相手が伸びないと意味をなしません。
自分と、相手のパターン。
的確な指導のためには、必ず知る必要があります。
ではそれを判断する基準は?
指導の立場にある方はそれらをどうやって判断しているのか。
ものすごく気になったので、、たくさんの人に聞いてみたがほぼ全員の答えが「経験」との回答。
確かに経験はものすごく有効に使えます。
でも裏を返せば、経験しか使えていないとも言えます。
じゃあまだ経験のない指導者は?
経験というものが本当に有効に活用できているかどうかの指標は、再現性です。
的確な判断が常に再現できるかどうか。
タイプの違う選手への的確な対応が常に再現できているか。
単に数をこなしてきただけを経験と呼んでいるなら、そこにはやはりロスがあります。
ロスの影響を受けて困るのは、常に選手。
「あのチームの指導者だったら自分はもっと伸びたのに。。」って僕なら絶対に思われたくはない。
その選手は本当に褒める方が伸びるのか、出来ていない所をもっと指摘するやり方の方がいいのか。
その的確な選択をどれだけ「再現」できるか。
偉そうに書いていますが、僕もトレーニングを指導する立場。
指導者です。
ここに書いてきたような悩みとは常に向き合っています。
僕がその解決策として使っているのが素質適応理論というロジックです。
そこに行動心理学や、イタリアで学んできた指導ロジックを組み合わせて指導しています。
あとブラインドサッカーという全盲選手への指導経験も、自分の指導手段やコンセプトに大きな影響を受けていると思います。
素質適応理論を少しだけ紹介すると。
人間は大きく分けて3タイプ。(次の段階で12タイプになる)
○、□、△という記号で分類される。
例えば技術指導。
○タイプ…1から10まで丁寧に詳しく説明
□タイプ…結論から指示、ポイントを具体的に
△タイプ…見せて、やらせて、否定しない
□タイプに○タイプのアプローチをやってしまうと、「はよ結論言うて」ってイライラする。
相手が何タイプなのかの前に、自分が何タイプかを知っておく重要性はこういうところ。
ミスなどで落ち込んだ時。
○タイプ…フォローしてほしい
□タイプ…一人にしてほしい
△タイプ…一人にしてほしいが、そばにはいてほしい、気分次第
組み合わせによっては、自分だったら一人にしてほしいからって、そっとしておいたら「冷たい」ってなるケースもあるということ。
(自分が□で相手が○のケース)
もちろんこれが全てではないですが、選手の可能性を少しでも阻害しない、少しでも伸びしろを伸ばす。
それがJARTAのスタンス。
そんなロジックを指導の場で活かすための方法や判別方法、判別システムを使えるようになるセミナーを開催します。
特に冒頭のようにエラーを繰り返して落ち込んでいる選手への対応には絶大です。
トレーニングは違う方法を使っているという方や、トレーナーやスポーツの指導者でない方にもご参加していただけると嬉しいです。
近日中に、募集開始します。
▶︎プログラム(抜粋)
自分と他人の相違(価値観3タイプ分類)
ストレスマネジメント(適応値と人の3層構造)
個人・組織における相性マネジメント(相性10タイプ)
感覚3タイプ分類
コーチの感覚と選手の感覚の違いによる指導法選択
行動心理学による積極性の引き出し方
指導者に最低限必要な物理学
練習法分析
特殊な指導法実践
など
お読みいただき、ありがとうございました。
全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
追伸
指導に、万能はありません。
これをやっていれば必ずうまくいく、というほど甘くない。
相手は人間、こちらも人間だから、双方が流動的。
それゆえものすごい数の要因によって判断基準が変化するのが必然です。
だからこそ。
判断基準を作ることが可能なファクターには、確実にそれを作る。
そのファクターを増やす。
指導力=経験値×論理性×コンセプト。
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