先日、5年生の長男の通う学童保育で、事件がありました。
その学童保育では野球が流行っていて、運動場が使える時はみんな庭球ボールを使って野球を楽しんでいます。
長男も、野球がしたいから「学童保育は休みたくない」というほどハマっています。
その長男が、その日は激怒して帰ってきました。
「4年生がボールを屋根に乗せたって理由で、俺たちも1週間野球禁止になったし!!意味わからん!」
つまり、自分たちとは違う学年の子ども達が、一緒には遊んでいない時に、ボールを屋根に乗せた。
(そもそもボールを屋根に乗せないように注意されていた)
その連帯責任として、「全員、1週間、野球が禁止」となったのです。
1週間は小学生にとってかなり長く、さすがに厳しすぎないかと感じたので、長男に尋ねました。
なんで屋根に乗せたら野球したらだめなの?
なんで4年生が乗せたのに君たちも野球禁止なの?
なんで屋根に乗せたら野球禁止は1週間なの?
本人が答えられたのは1つ目だけ。
屋根に乗せたらボールが取れなくなるからNG。
でもそれ以外は、なぜそういう罰則を与えられているのかは本人の理解という形では伝わってこない。
うーん、先生の意図が見えてこない。。
そして罰則の内容にも違和感ありです。
1つは、禁止という手段。
やめろと言われていることを、やってしまった場合、それを再発するのを防止する手段として禁止という選択をするのは最も手軽。
「公園でボール遊びはやめましょう」という注意を守られないから、公園をなくしましょう、と同じ。
しかし学童保育といえど、大人が子ども達に関わる以上、常に教育の場。
僕なら、ボールが屋根に乗ってしまった原因を分析して、みんなで再発を防ぐためのディスカッションをする最高の機会と捉える。
2つ目は、連帯責任。
これは日本のスポーツの世界でも非常によく使われる手法です。
今回のケースでは、連帯責任を負わされた側である長男は、なぜ連帯責任なのかを理解していませんでした。
連帯責任の名目は、チームとしての当事者意識や、いわゆるチームワーク。
いじめやいたずらなど、周りで見て見ぬ振りをした場合は、連帯責任も理解できる。
制止しなかった側も大きな意味では加害者たり得る。
しかし連帯責任を採用する場合は、「なぜ一緒に責任を被るのか」を本人達が理解していることが最低限の条件であり、そうでなければ連帯責任制をとる意味はない。
小学5年生ならば、確かにもう連帯責任は意味がわかる年齢になってきています。
確かに、チームスポーツは試合の勝敗は連帯責任方式で決まりますし。
しかし、それが本人の理解という形では伝わっていない。伝える意思が感じられない。
いきなり「全員禁止」とだけ伝えられたと。
そして1週間という制裁期間はやっぱり長すぎないか。
というわけで。
長男は理不尽だと感じる、納得できていない、というので、「君たちが今言わないと、また同じことが起こるよ」
とだけ伝えました。
あとどうするかは、本人たちが決めることです。
このような構図は、スポーツでも起こります。
ルールと理解の関係。
スポーツである以上、ルールは守るべきです。
当然、誰もが思っているでしょう。
ではスポーツではなぜルールは守るべきですか?
それは怪我を起こしたり、ペナルティによって自分のチームが不利に立たされるからですね。
そして個々のルールも同じく、なぜそのルールがあるのかを理解しておくのは、思い切ったパフォーマンスを発揮する上でも実はとても重要です。
ルールだから、守るべき。
これははっきり言って思考停止状態です。
ルールだから守る、という理由でルールを守っている先にあるのは、イエスマンの集合体であり、もっと先には独裁政治もある。
だってルールは変わるし、変えられるから。
ルールは守るべきじゃない、という意味ではありません。
挨拶しましょう、お礼を言いましょう、靴は踏んではダメです。
こういったものも含めて、「言われたからそうする」「やらないと怒られるから」ということが動機になっていることが多すぎないかと思うのです。
なぜ、挨拶した方がいいのか。
なぜ、お礼を言った方がいいのか。
なぜ、靴は踏まない方がいいのか。
それを理解してやるのと、理解せずにやるのとでは「将来的に」雲泥の差が生まれます。
お読みいただき、ありがとうございました。
全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
追伸
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