こんにちは。

スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。

 

 

 

 

 

先日、怪我を防止するための土台として柔軟性が必要だという僕の記事に対して、「柔軟性がある人も怪我をするし、身体が硬くても怪我をしない人もいる」という旨のご質問をいただきました。

こちらの記事です。

 

 

 

 

 

その説明をこのブログで書くというお約束をしましたので、書きたいと思います。

 

 

 

 

 

まず、一言で怪我といってもいろんなパターンがあるので、この場限定で、怪我という言葉を定義しておく必要があります。

 

 

 

 

 

今回扱う怪我は、肉離れなど筋系のものとします。

話がややこしくなるので、脱臼や打撲などは除外させてください。

ただ、「本質的には」それらには同じ構図が成立することは多いです。

 

 

 

 

 

 

まず結論から言いますと、ご質問の通り「柔軟性=怪我を防ぐことができる」とはなりません。

そんなに単純な構図だったら、怪我の原因が必ず柔軟性の欠落だったら、スポーツ選手の怪我はすでにかなり減らせているはずです。

 

 

 

 

当該記事でも「土台」と表現している通り、怪我を防ぐための1つのファクターに過ぎません。

 

*読み返すと、確かにややこしい書き方してますよね…

 

 

 

 

 

なので、正確な表現としては、

「柔軟性は、怪我を防ぐために必要なファクターの一つ」ということになります。

 

 

 

 

 

他のファクターを説明する前に、まず柔軟性と怪我の関連から。

 

 

 

 

 

回りくどいようですが、まず大前提として柔軟性がある・ないの境界線はかなり不明確です。

なので、柔軟性という抽象的な言葉を軸としての議論は、本来あんまり進めるべきではありません。

前提条件次第で解決策はかなり変わりますので。。

 

 

 

 

ここからの話は、そういったことを踏まえていただいた上での話になります。

 

 

 

 

【柔軟性があっても怪我、硬くても怪我しないという現象の理由は?】

ストレッチをしていると分かりますが、可動域の上限あたりになると筋や腱はかなり伸張ストレスがかかります。

ゆったりとした動きであれば怪我はしませんが、速い動きや強い筋力を発揮するなど、強度の高い収縮を伴う場合、特に相当なストレスがかかります。

 

 

 

 

極端にいうと、股関節を限界まで開脚広げるのと半分ぐらい広げるのとでは筋にかかる伸張ストレスには大きな差があります。

 

 

 

 

なので、非常に簡単に説明すると、柔軟性の云々よりも可動域の上限までの動きによるストレスをどれだけ受けているかが要因です。

 

 

 

 

 

柔軟性があっても可動域の上限は必ず存在します。

その上限付近をたくさん使う動きをしていればストレスは増大します。

逆に身体が硬くても可動域の上限をあまり使わないのであれば怪我はしにくいことになります。

 

 

 

 

非常にざっくりとした説明で申し訳ないのですが、構図的にはこんな感じです。

 

 

 

 

【怪我を防ぐための他のファクターは?】

上記のように、怪我の防止・発生には「動き」が強く関わります。

柔軟性が高いと、この上限に達するまでの範囲が大きいため、可動域の上限で伸張ストレスの増大に晒される頻度が相対的に減少します。

 

 

 

 

怪我は多くの場合、身体の組織に対する物理学的なストレスが蓄積・向上して発生しているものである以上、「動くこと」が直接的な要因です。

(動かなかったら柔軟性があってもなくても怪我しません)

 

 

 

 

 

そして、ここには他の部位の動きとの関連性が生じます。

例えば動きの中で開脚をする場合でも、背骨や仙腸関節など他の部位の動きを伴ったものであれば股関節周囲筋(開脚なら内転筋)へのストレスは軽減されます。

 

 

 

 

 

逆に他の部位が硬ければ、または固定的であれば、ストレスは増大します。

実際、例えばハムストリングスの肉離れを起こす選手は脊柱や仙腸関節の硬さを呈することが多いです。

人間の身体の構造的に動きの中でそういう繋がりが強い関係性はたくさん存在します。

 

 

 

 

 

この辺りは到底一回の記事で十分に書くことはできませんので、他のブログ記事をご参照いただければと思います。

 

 

 

 

 

【微細損傷の蓄積】

だんだん話がややこしくなってきましたが、さらにこういった怪我は一回の伸張ストレスでは発生しません。

 

 

 

 

伸張ストレスの繰り返しによる筋の微細損傷の蓄積という前提によって起こります。

それゆえ、怪我を防ぐ重要なファクターとしてはリカバリー能力が挙げられます。

 

 

 

 

いろんな要因によってリカバリー能力は低下しますが、それによって微細損傷が蓄積すると、多くの怪我の土台を形成してしまいます。

特に血流の確保は重要な課題です。

 

 

 

 

 

柔軟性、動き、リカバリー。

 

 

 

 

 

ご質問の意図に十分お応えできていない部分も多々あるかと思いますが、少しでもお役に立てていれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

 

追伸1

僕が主宰するJARTAでは、ハイパフォーマンスの定義として怪我をしないことも含んでいます。

それゆえ、JARTAの各種セミナーでお伝えしているトレーニングは、基本的にすべて怪我の発生防止という目的も含まれています。

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