こんにちは。
スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。
たまにしかご案内していませんが、JARTAには質問フォームがあり、僕に質問していただけるようになっています。
代表中野へのご質問フォーム
https://goo.gl/forms/yheYFxgIM9HBV9Fg2
すでにたくさん頂いているのですが、現状全てにはお答えできておらず申し訳ない気持ちです。
時間はかかるかもしれませんが、なるべくお答えできるようにしますので、どうかご了承ください。
返答と解説は原則としてメルマガにて配信しておりますので、興味のある方はご登録してみてください。(無料です)
質問の中には深刻なものもあり、そういったものにはなるべく優先的にお答えしたいと思っています。
今回は、メルマガでもすでに取り上げた内容なのですが、ちょっとかなり重要な内容なので、この場でも紹介させてください。
野球のイップスについてです。
【質問1】
中学の時にイップスになり、それをだましだまし今までやってきました。もしかしたら野球をプレイするのも後2年かもしれないと考えると、このイップスを克服したいと、考えるようになりました。動きが硬いのを、無理に投げようとし、肩甲骨周りもかたいことを自覚しストレッチなどをしています。
質問の内容は、イップスを、治す方法。イップスメカニズムなど、トレーナーの視点からお聞きしたいです。また、プロ野球選手にもイップスの選手はあると聞きましたが、その選手たちはどのようなことをしているのかお聞きしたいです。
(野球/大学生)
【野球でいうイップスとは】
誰がどう見ても簡単な場面で、暴投してしまう・指にかからないボールを投げてしまうような状態。
例えば、セカンドゴロを捕球して(めちゃ近い距離)一塁に暴投を繰り返すなど。
外野手が捕球して、内野手まで投げられず暴投を繰り返すなど。
暴投は、近い距離なのにとんでもない方向に投げたり、地面に叩きつけてしまったり、指にボールがかからず抜けてしまったり。
また他にも多い例として、キャッチャーがピッチャーにボールを投げ返す時に症状が出ることや、ピッチャーが牽制球やピッチャーゴロの送球を行う際に症状が出ることがあります。
周りの全員が思います。
「なんでそれ投げられへんねん!!」
【一般的に言われている原因】
一般的にはイップスの原因は心理的なものと呼ばれます。
「誰がどう見ても簡単な場面」で投げられないからですね。
だからイップスの症状が出た選手は、ほとんどのケースでチームメイトや監督から「メンタルの問題だ」と言われます。
周囲のこの態度がさらに選手を精神的に追い込み、より悪化させていきます。
このようなケースは非常に多いため、「イップスはメンタルの問題」という強固なイメージが完成し、それがさらに選手を追い込み、という悪循環が生まれています。
イップスになった経験がある方はお分かりかと思いますが、イップスになってしまうと想像を絶するほど辛いです。
投げる時に身体が固まる感覚、周囲が「また暴投するんじゃないか」と思っているような感覚。
完全に投げ方が分からなくなった中で、それでもなんとか投げなければならない。
その指先の感覚はいつまでも残ってしまいますよね。
【3割がイップス経験者】
先日ご協力いただいた投手用トレーニングセミナーのアンケートですが、実はもう一つイップスについての質問をしていました。
その結果、実に65%以上の選手がイップスになったことがある、またはチームメイトにイップスで悩んでいる選手がいることがわかったのです。
【アンケート結果】
■イップスになったことがある、または現在悩んでいる|33.9%
■チームメイトがイップスになったことがある、または現在なやんでいる|32.2%
以前からイップスになって悩んでいるという声はそれなりの数聞いていたので、3割ぐらいはいるのかな、、ぐらいには思っていましたが、これは想像以上の数でした。
【イップスは非常に難題】
一般的な原因に対して、明確な解決手段は解明されていません。
それだけ、引き金となるきっかけや症状を構成する要因が多岐にわたるのです。
イップスが発生するきっかけは、多くの場合プレッシャーなど精神的なものです。
「投げられて当たり前」と「みんなが思っている」というシチュエーションもプレッシャーになりえます。
ただし、それをメンタルのせいにしていてはいつまでたっても解決しません。
問題は、メンタルの影響を「身体が受けていること」です。
実際に身体に起こっていることとして、
・投球イメージの欠如
・投球リズムの欠如
・投球モーションが始まった時の身体の過剰な緊張
以上の3つが考えられます。
直接的にはこれらが「暴投」を起こしています。
ただし先ほど述べたように、だからといって安易に「これが解決策だ」と解決手段が出せるほど甘くない、根が深いもの、というのが野球関係者の意見ではないでしょうか。
それでも、イップスを乗り越えた経験者の方はたくさんいます。
僕自身も軽度ではありましたが、完全に消失しています。
そこで、イップスを改善した経験のある皆さんに協力をお願いしたいのです。
「自分はどうやってイップスを脱出したのか」の経験を、今悩んでいる選手たちのために、教えていただけませんか?
集まった「経験談」は、事例集としてJARTAから無料で公開いたします。
【あなたのイップス改善法アンケート】*匿名です
https://goo.gl/forms/RtHHK4gZmQc38r733
解決策がまだ見えないのなら、ヒント集を作ろう、という考え方です。
経験者の方ならお分かりいただけると思いますが、何をやってもダメだ…と感じた時に心は折れます。
何か試せるものがあることは、悩める選手の希望になります。
ぜひ、ご協力お願いいたします。
周りに野球人がたくさんいる方は、拡散して頂けると嬉しいです。
お読みいただき、ありがとうございました。
中野 崇
追伸1
イップスに関しては、あくまで個人的なレベルですが、経験的に改善方法に加え、物理学・生理学観点から考察した推論を用い、精神科医とバイオメカニクスの専門家と一緒にある程度の結論は出しています。
ただし、症状や発生シチュエーションが多岐にわたる以上、そしてメンタル要因が深く絡んでいる以上、選手への影響を考えるとやはり慎重になりたいと思っています。
唯一今言えることは、本文でも書いたようにボールを投げる動作である以上、直接的には症状を引き起こしているのは身体です。
なので、我々にできることは必ずあると考えます。
アンケートへのご協力、何卒宜しくお願い致します。
https://goo.gl/forms/RtHHK4gZmQc38r733
追伸2
僕に質問してみたい、という方は、以下のフォームから入力してください。
あくまで私見レベルですが、必ず何らかの形でお答えできるようにしたいと思っています。
必要であれば、選手本人に直接聞いてみたりもします。
*選手のプライベートな情報や怪我・パフォーマンスに関する情報は守秘義務の都合上、具体的にはお答えでき兼ねますので、ご了承ください。
代表中野へのご質問フォーム
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