こんにちは。
スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。
先日、ダルビッシュ有投手がテレビ番組内で発した「走り込み不要論」について、僕がPRO CRIXを務めさせているスポーツニュースサイトのVICTORYで、以下のようにコメントしました。
以下-
ダラダラとマラソン的に走ることが無駄な努力であることは専門家の立場としてダルビッシュ選手に同意。
ただし持久力が投手に欠かせないことは確実で、それは瞬発性持久力と言って瞬発力を繰り返し発揮出来る能力のことです。
投手に求める「足腰の強さ」「持久力」という言葉は、野球ではどういうことを指すのかを論理的に定義する必要がある。
また記事では多くの指導者の言葉として、走り込みに置き換わって「体重や筋力の向上が良いこと」として位置付けられつつある発言が印象的だが、体重や筋力もやはり論理的な定義をしっかり持たないと、走り込み同様に「無駄な努力」になってしまうリスクを持つ。
以上-
元記事はこちら。
https://victorysportsnews.com/articles/448
「走り込み」は野球選手に必要なのか?
あなたはピッチャーの走り込みについて、どう思います?
この点については、ずっと前から言いたいことがあったので、自分のコメントに補足したいと思います。
まず、野球界で特に投手に求められる「下半身・足腰の強さ」そして「持久力」。
そのための手段としてずっと昔から取り入れられてきた「走り込み」。
僕は部活動レベルですが野球でしかも投手をやっていたので、まさに当事者でした。
毎日毎日、10kmぐらいマラソン的に走っていました。
当たり前にやっていたピッチャーの「メニュー」だったのです。
皆さんはどう思いますか?
結論から言うと、僕もこれはあまりオススメしません。
走りながら肩甲骨や肋骨など上半身をゆるめたりする作業には使えるかもしれませんが。。
コメントしたように、理由としてはマラソン的な走り込みで鍛えられる持久力や足腰の強さと、投手に要求される「持久力や足腰の強さ」の中身が違うからです。
同じ言葉でも、違うんです。
これが僕が言いたかった「論理的な定義が必要な理由」です。
具体的には、
投手に必要な持久力であれば、高い瞬発力を「何回も」発揮できる持久力。
瞬発性持久力と言います。
これにはマラソン的な走り込みで負荷がかかる、心肺機能系はそんなに必要ありません。
また足腰の強さは、
静止したところから150km/hまでボールを加速させるためには、身体の中で大きな力を発生させなければなりません。
そのためには、右半身をその場に残したまま左半身を前進させていくような「割れ」と呼ばれる動きが必要です。
このとき、「足腰」には複雑かつ強靭な操作が求められます。
それを何度も発揮する必要があるのです。
ピッチャーに必要な割れのトレーニング。
ピッチングサイドランジ。
自主トレに参加したプロ野球の投手たちが「最もキツい」と口を揃えるメニュー。
これが僕の考える「持久力・足腰の強さ」の定義です。
マラソン的な走り込みでこれが身に付くならたくさんやるべきだし、そうでないなら目的と手段のギャップとして避けるべきです。
ただし、単に「走り込み」がいるかいらないかの「必要・不要論」になると、これからも目的と手段のギャップは起こり続けるでしょう。
言葉の定義。
「正しい身体の使い方」の「正しい」ってどういうこと?
今のスポーツ界には、これが欠如しています。
「正しい」は人によって違う。
言葉は、前提によって中身が変わる。
同じ言葉でも、みんな違う定義・意味を持っている。
その前提を理解し、議論するには一度それを「こういうこと」と確認しなければならない。
記事にもあるような最近の流れ、「走り込みよりも体重増加や筋力増強が必要論」に僕が抱いている心配はこういうところです。
お読みいただき、ありがとうございました。
追伸
瞬発性持久力を高める方法として、簡単にやれるものとしては、10mぐらいのダッシュを30~50本ぐらいとかがいいと思います。
僕が指導するなら、ハムスト上部が効いているかなど、その時の「ダッシュの質」も要求します。
ピッチャーの割れの獲得にはハムスト上部も関わっているからです。
全てはパフォーマンスアップのために。
*これはもっと高度な割れのトレーニング。
JARTA代表
中野 崇
「割れ」を身につける。投手用トレーニングセミナー。
JARTAオフィシャルサイト

