こんにちは。

スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。

 

 

 

今回のテーマはトレーナーやコーチ向けです。

選手が我々に向けて発する「特殊な言葉」についてです。

 

 

 

あ、もしかすると選手の方にも役に立つかもしれません。

自分たちが当たり前のように使う言葉を選手じゃない人が理解するの、どんだけ大変か知ってください笑

 

 

 

 

 

ということでテーマは『アスリートの感覚を理解する方法』です。

 

 

 

 

 

スポーツ選手のトレーニングやコンディショニングに関わっていると、けっこう頻繁に彼らの発する独特な表現に困されることがあります。

 

 

 

 

 

例えば野球なら「身体の開きが早い」「軸足のバランスが悪い」「キレが出ない」「ボールに入っていけない」など。

 

 

 

 

野球やってる人はなんとなくは分かるかもしれませんが、他の競技やってきた人は意味わかりませんよね?

 

 

 

 

でもトレーナーやコーチとして選手と関わるとき、これらの感覚言語を運動レベルに

落とし込まなくては良い指導にはなり得ないと思っています。

 

 

 

 

このようなことを言われたとき、

はっきりと「それはこういうことだ」身体に起こっている運動として説明できますか?

 

 

 

 

 

例えば「身体の開きが早い」と野球のピッチャーが言ったとしたら。

 

 

 

 

 

腰の回旋加速が始まるタイミングで、すでに腰が回り出した位置にある状態にあることです。

 

ということは、並進運動の時点で腰の回転を制御できないような「動き方」をしているということであり、その原因として考えられることは…

となるわけです。

 

 

 

 

 

選手は自分が感じていることを言葉にして表現します。

 

 

 

 

 

それは相手がスポーツ選手であれば、我々にとって特に重要な信号。

問題の解決やパフォーマンスを向上するために「使える」どころか欠かせないヒントです。

 

 

 

 

 

「選手が感じていること」に対して、

 

「身体がどうなった時にそのように感じるのか」という解釈。

 

 

 

 

 

信号をヒントとして使うためには、

言葉の解釈としての意味を選手と共有する必要があるのです。

 

 

 

 

 

口で言うのは簡単なのですが、、

これ、めっちゃ大変です。

 

 

 

 

 

選手のみんな、わかっておいてね笑

 

 

 

ブラインドサッカーならなおさら言葉の重要性は高まります。

 

 

 

 

 

スポーツ選手が自分の動きの感覚を表現する言葉は独特です。

特に競技レベルが上がるほど、基本的には自分の感覚を「短い表現」で伝えようとする傾向があるように思えます。

 

 

 

 

 

その選手本人の動きだけでなく、その競技ではどう動くのかを分析して知り尽くしていないと、到底選手の言葉は「動き」として反映させられません。

 

 

 

 

 

また、このことは信頼関係にも深く影響します。

 

 

 

 

 

(昨年引退しましたが)ずっとサポートしてきた女子サッカー日本代表の守護神だった海堀あゆみさんがよく言っていましたが、選手からすると「自分の感覚を理解してもらえているか」ということは、そのトレーナーやコーチを信頼できるかどうかの非常に大きなポイントです。

 

 

 

 

 

誰かと会話をしていて、「ニュアンス」をわかってもらえた時の感覚。

 

 

 

 

これが選手が感じる「わかってくれている」感覚。

 

 

 

 

 

僕は野球経験者ですので、プロ野球選手が使う表現は苦労しながらもある程度はじめから理解できましたが、その他の競技の経験は全くないため、サッカー選手や柔道家、空手家、走り高跳びなどの選手たちが使う表現を理解するときには大変苦労しました。

 

 

 

 

 

それでも、少しずつかもしれませんが必ず理解することが出来ます。

 

 

 

 

 

彼らが特有の言葉として伝えようとしていることを、曖昧なものとしてしまうのではなく、しっかりと「動作」として確認して下さい。

どういった動作が、その表現につながっているのかを明確にしてあげて下さい。

 

 

 

 

 

分からなければ、選手に確認する。

何を確認したら良いか分からないならば、勉強するしかありません。

 

 

 

 

 

じゃあ何を勉強すればいいか?

 

 

 

 

 

オススメは、一流選手の動画を死ぬほど見ることです。

何回も、何人も。

僕は新しい競技の選手のサポートが始まるとき、必ずこれをやります。

 

 

 

 

 

そしてそれと並行して物理学を勉強です。

物理学と言っても学校で習うようなガチの物理学ではありません。

スポーツに関連が深いものだけです。

この点に関してはただいま準備中ですので、今しばらく。

 

 

 

 

 

話を戻して、僕の場合は選手の言葉に対して、いくつか仮説のもとで一時的に刺激を入れてから、選手に動いてもらって確認します。

 

 

 

 

 

「欲しかったのはこの感覚であっているか?」

 

 

 

 

 

そこで選手がイエス!ならば、「あの表現はこういうことだったんだ」と確認がとれます。

 

 

 

 

 

まだまだ分からんことも多いですが、僕はこのような感じでトレーニングを進めています。

 

 

 

 

 

「自分が使う表現を十分に理解してもらえることは、スポーツ選手がトレーニング指導を受ける上で非常に重要なポイントだと思います。私だったらそういうトレーナーについていきます。」

(元女子サッカー日本代表選手、海堀あゆみさん談)

 

 

 

 

 

選手の言葉をしっかり共有し、その選手が使う表現を一緒に使ってあげられるようになって下さい。

 

 

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

追伸

文中にある「一時的な刺激」を入れる技術を持っていると非常に検証の精度が高まります。

この技術は、T-レフストレッチアロースといったテクニックです。

JARTAの認定トレーナーコースで習得できます。

選手の方はJARTA認定トレーナー派遣をご利用いただくと指導を受けていただけます。

 

詳しくはJARTAオフィシャルサイトをご参照ください。

http://jarta.jp