ずいぶん間隔が空いてしましたが、今回は伸び代を伸ばすための秘訣、第三弾とも言える内容だと思います。

 

このシリーズの前回記事では、同じ技術・知識であっても、誰がどんな想いを持って指導するのかによってその質は大きく変わる、ことを述べました。

こちらです。




 

今回は、礼儀・敬意について掘り下げます。

 




 

皆さんは、高校野球の甲子園大会に頻繁に出場し続けているチームの大半、いや感覚的にはほぼその全てだと思いますが、礼儀を非常に重視していることをご存知でしょうか。

たまに出場してくるようなチームよりも、いわゆる名門校は特に顕著です。





 

僕は大阪桐蔭高校の野球部をほんの短い期間ですがお手伝いさせていただいていたことがあるので、これを目の当たりにしました。
 

彼らは本当に礼儀正しいです。

挨拶するときは必ず立ち止まり、相手に正対して頭を下げます。

もちろんしっかりとした声も出します。

また、靴を脱ぐときはもちろん綺麗に揃えますし、道具の扱いも本当に丁寧です。

そして練習場に対しても出入りする際、必ず頭を下げます。


 

 


 

いろんなプロ野球選手に聞いてみても、多かれ少なかれこのレベルのことは非常に厳しく指導を受けたと言います。




 

日本独特、高校野球独特と言ってしまえばその通りかもしれません。




 

でも、それで片付けてしまうのはもったいないぐらい伝統として根付いていますし、名門校がひたすらそれを貫くには必ず理由があるのだと思うので、少し掘り下げたいと思います。

(あくまで僕の主観的な分析なので、ご了承ください。)





 

まず、一般的によくある理由としては、管理しやすい、ということだと思います。

部活という形態上、指導者、そして先輩後輩の間では礼儀という基準があった方が組織として回りやすいということです。
 

ただしこれが過剰になると、礼儀を超えて無意味な慣例になり、それはいわゆる支配につながり、良い状態の組織とは言えなくなります。





 

次に、選手の人間的な成長です。
 

礼儀を理解することは、他者への敬意を理解することにつながります。
 

前回も書きましたが、他者への敬意を持たず、天狗になってしまうことはそのまま選手、そして人としての伸び代の欠落につながります。




 

また、こういった組織では、無条件に年上に対して礼儀作法を要求されますが、僕は一定の良さがあると思います。

やはり年齢が上ということは、それなりの経験を積んできていることになりますし、社会(この場合は部活)にも後輩よりも貢献していることが多いです。




 

後輩の方が能力が上だからといっても、それは人間を表す一側面であり、その一面だけをとって上下を決めるのは軽率だと思っています。(もちろん先輩が「後輩に敬意を払われるような人間である」とはどういうことなのかを理解していることは大前提です)




 

 

いずれにせよ、最終的にはその選手が「礼儀の意味」を理解できているかが重要ですね。

ちなみに礼儀を理解し、それを行う心のことを礼節と言います。





 

最後は、影響力です。
 

その選手が、名門校に在籍している、名門校の卒業生である、ということは、その業界では一定の影響力を持ちます。

例えば野球の超名門校出身の人がいたら、野球の無名校の出身者に比べて、その言動に関心を持ちますよね。(プロ野球選手、元プロ野球選手でも、他の業界でも同様ですね)

 

一般的に、人はその人のバックグラウンドによる影響を受けがちなのです。





 

では、例えばその人が、人として全然尊敬できないような人だったらどうでしょうか?

そんな人に出会った野球少年はどう思うでしょうか?

「あ、野球さえ上手ければいいんだ。社会的に認められるんだ」ってなりませんか?




 

 

名門校も、メジャーリーグのニューヨークヤンキースも、選手の礼儀や立ち居振る舞いを非常に重視します。
 

それはこの辺りからきているのではないかと思っています。




 

「野球さえ上手ければいい」




 

そんな選手や、それで良しとする指導者が増えてしまうと、その業界は必ず危機に陥ります。




 

誰も憧れなくなりますからね。。




 

少なくとも、僕は自分の息子たちにはそういう人には指導受けさせたいとは思いません。

僕がスポーツ界の賭博問題や麻薬問題で最も危惧しているのはこういうところです。





 

もちろん我々トレーナーやセラピストの業界も同様です。




 

腕さえ良ければいい、あとは他者を愚弄するような発言をしていても気にならない、そんな人に多くの人がついて行ってるようなことがまかり通るような業界にはなって欲しくありません。

トレーナーやセラピストが発信している媒体を見た若い方たちに憧れてもらえるような情報発信の仕方を考えてもらいたいです。





 

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JARTA

中野 崇