毎度のことながら更新間隔が開いてしまいました。
この間イタリア研修を終え、その後はフィジカルコーチを務めているブラインドサッカー日本代表合宿の帯同をしておりました。
イタリア研修の様子は、また後日改めて。
ここでは写真だけ少し載せますね。
前記事「伸びしろを伸ばすための秘訣」の続きです。
まず僕は、「伸びしろを伸ばす」というシンプルな言葉は、決して短絡的にパフォーマンスアップを目指すという意味では使っていません。
今回はその理由をお話しします。
前回、伸びしろを伸ばすための秘訣として「謙虚さと他者へのリスペクト」を挙げました。
これは第一線で活躍している選手達と接する中で、「活躍し”続ける”ためには必須要件」だと感じてきたことです。
仮にこれらが無くとも、もしかしたら生まれ持った筋腱の強さなど、いわゆる”センス”で活躍できるかもしれません。
しかし、多くの事例が示す通り、恐らくそれは一時的なものになると思います。
なぜなら選手としてやっている以上、全てが上手くいき続けることは有り得ないからです。
いろんな要因によって良い結果が出なくなるのがスポーツです(逆もまた然り)。
チームや監督の戦略上スタメンを奪われたり、不運な怪我に見舞われたり、ルールや道具が変更して不利になったり、有る事無い事でメディアやファンから叩かれたり。
本人が肉体的に「良い状態」、「高いパフォーマンスを発揮」していると感じていても、それがすなわち”活躍できる”とはイコールではないのです。
本人にしてみれば、非常に”理不尽な”理由から、活躍を阻害される環境に置かれる可能性はいつだってあるのです。
活躍し続ける選手は、それでも毎回必ず這い上がってきます。
他者や他の要因のせいにせず、自分を省みて、今までよりもさらに自分に磨きをかけてきます。
つまり心身ともにパフォーマンスアップしてくるのです。
それが本当に一流の選手だと思います。
そうでない選手はどこかで自分以外の何か・誰かに責任転嫁する傾向にあります。
極端な形でいうと、「自分はこんなに上手いのに、〇〇のせいで、、」という思考回路。
何度も言いますが、謙虚さや他者へのリスペクトを持った選手は、絶対にこのような思考には至りません。
実際、このような思考傾向はパフォーマンスアップを阻害します。
謙虚さを失った状態というのは、「自分はすごい」って思うこと。
これは、実は裏を返すと暗に「もうこれ以上うまくなる必要がない」と自らに言っています。
つまり、無意識的に、もうこれ以上上手くならないという方向性に自分を誘導しているとも言えるのです。
でもそれは、その環境(チーム・スタッフ・対戦相手)・そのルール・その期間という限局された中での「すごい」なのかもしれないのです。
(例えば日本のスター選手が海外移籍してリザーブに回される構図)
短期的に伸びしろを伸ばすだけであれば、単に運動学・解剖学などに則ったトレーニングだけでいいかもしれません。
そしてそれは知識と技術さえあれば、できることなのかもしれません。
しかし、僕が主宰するJARTAの認定トレーナーの方々に目指してもらいたいところはそこではありません。もちろん僕自身にも当てはまることです。
我々が目指すべきは、知識と技術さえ身につければ誰でもできてしまう仕事ではありません。
なぜなら、目の前の選手は目の前にしかいないからです。
当たり前のことですが、これは非常に重要なことです。
目の前の選手は、他のどこを探しても、目の前のその人しかいないのです。
身体も、心も、生きてきたヒストリーも。
”目の前の選手”に全力で向き合え、共に人間的な成長もできるようなトレーナーになってもらいたいのです。
「結果としてそうなった、選手と共に成長できた」ではなく、ここまで書いてきたことの重要性を「すでに理解している」トレーナーになってもらいたいのです。
知識や技術は、「誰が教えても同じ」という普遍的なものでは決してありません。
同じ知識・同じ技術であっても”誰がどんな想いを持って教えるのか”によって、その質は大きく変わるのです。
(このことは少なからず学校教育で感じている方も多いのではないでしょうか。)
このブログを読んでくださっている方は、これだけは決して忘れないでください。
知識技術は、誰がどんな想いを持って教えるのかによって、大きく質が異なります。
僕自身はもちろんのこと、JARTAの講師・トレーナーはもちろんそのように思ってもらえるようになっていく必要がありますし、そのためにはやはり「謙虚さと他者へのリスペクト」を持ち続ける必要があるのだと思っています。
最後に。
クラブチームや部活などで頑張っている若い選手にはやはりスポーツを通して人間的な成長につなげてもらいたいですし、プロ選手には長い間活躍してもらいたいと強く思います。
そしてJARTAの講習会でご縁のあった方々には、知識技術だけでなく、”JARTAで”学んで良かったと感じてもらいたい、、講師一同、そんな気持ちでやっています。
参考に、、
「伸びしろ」とは。
辞書によると、「能力的、人間的に成長する余地のこと」とあります。
「いくら経験値が多くとも、そこに安定することを良しとせず、新たなものを常に吸収しようとする人、自分のあり方を常に修正しようとし続ける人」
一言で言うと、自分の在り方を常に模索し続ける人ですね。
JARTA
中野 崇


