僕が代表を務めるJARTAというスポーツトレーナー団体では、スポーツトレーナーを養成する講習会を行っています。

そこでは、知識・技術・分析能力・トレーニングの手本能力・指導能力は当然のこと、選手や指導者の方に対する「説明能力」の重要さを説いています。






単にこうするんですよ、って説明するのではなく、なぜそれが重要なのか、なぜそれがパフォーマンスを高めるという我々の目的に必要なのか、というところまで理解を求めています。






JARTAには、すでに約100名の認定トレーナーが全国にいます。

そしてほぼ全員が「説明能力の重要さ」を理解していると思います。






ただし、理解していることと実践できることはやはり別。。






僕が彼らに到達してもらいたいレベルにはまだまだ届いていないのが現状です。





先日、認定トレーナーの研修合宿という形で彼らのプレゼンを見る機会を得ましたが、僕から見てトレーナーに必要な知識や技術は非常に高い人が多いにも関わらず、説明がうまく出来ていない。






もったいない。。






これでは、いくら良いトレーニングをたくさん知っていても、選手や指導者が十分に理解できないので期待するような効果は得られないのではないかと感じることが多かったのです。






もちろん、パフォーマンスとトレーニングや身体の使い方の関係性を明確に説明するのはとても難しいことです。





認定トレーナーの方だけが不十分という意味ではなく、ほとんどのスポーツ指導の場面で曖昧にされてきたところだと思います。

何となく、イメージで、慣例的に、有名選手がやっていたから、などの理由でトレーニングが導入されるのは非常に危なかっしいことなのです。

ここを掘り下げると別の方向性に話が行ってしまうので、また別の機会に。




話を戻します。






合宿の際、彼らに共通していたのは、説明したい事象の構図を「単純化して」説明ができていないこと。

そして同じ意味ですが、例え話ができていないこと。






これらは説明したい事象の構図が俯瞰して理解できていれば簡単に出来るはずです。

逆にここが出来ていなければ、本質的には本人も理解していないと言え、当然相手には伝わらないのではないかと思うのです。






例え話(メタファー)ができることの重要性は言われだして久しいですが、やはりとても重要だと僕も思います。






相手が理解しやすい例え話を使って、説明したい事象の構図そのものを理解してもらうと、理解が早く、深まります。






そしてこれは思考の型でもありますので、プレゼンのときだけ意識、では全く事足りません。

日頃から意識して練習した方がいいと思います。






練習を繰り返すことで、当たり前の思考回路にしてくださいね。






ちなみに秋にイタリアに渡った際、インテルユースのコーチも我々にプレゼンする際に上手く例え話を使っていました。







「練習は高速道路だ」ということをコーチ全員が理解していることが重要だ、という表現でした。






運転しているみんなが行き先(練習の目的)を知っている状態が欠かせないこと。


同じ目的地でも一つだけの行き方ではなく、様々なルート(方法論)がある。


運転するスピード(練習の強度やペース)は運転者によって様々でいい。ただし大きな流れを乱さない範囲で。






などなど、ユースの練習においてコーチたちが大切にしていることをこの「高速道路」の一言で共有しているのです。








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JARTA
中野 崇