みなさん、このNumberのイチロー選手の記事を読みましたか?

ここにはイチロー選手のいろいろな価値観などがたくさん書かれていて、非常に素晴らしい内容です。

ここにも彼の言葉として掲載されていることにも関連するのですが、今回のテーマは「引退」です。






トレーナーとしてスポーツ選手に関わっていると、少なからず引退や戦力外などの相談を受けたり、その経験について聞くことがあります。






スポーツ選手の引退には様々な形がありますが、基本的に共通しているのは、自分に「伸びしろ」が感じられなくなった選手は年齢に関係なく引退します。

※仮に契約がとれずに引退を迫られる立場にある選手であっても、現在ではアジアに移籍するなど、選手としてまだ戦う意思さえあれば現役を継続する環境が整ってきています。





僕の担当する現役選手たちが口を揃えて言うのも、常に「もっと上手くなりたい」です。





「もう今が上限だ」なんて、絶対に誰も口にしないですし、考えたこともないんだと思います。





そして「限界だ」「これ以上上手くなれない=これからは下手になる一方だ」という風に感じ考えてしまった選手が引退するってことです。






もちろん、身体的な側面だけでなく、精神的な側面も強く影響してくるので、こうなる原因は深くは言及を避けますが、「引退という現象」はこういうもんだということだけでも知っておくと、選手心理の理解に役立つかもしれません。






ちなみに僕の場合は、引退をほのめかしている選手に対して、本音なのか、それとも𠮟咤してほしいのかを判断するために、選手に「伸びしろ」を見せています。

それで目の色が変われば、希望あり、です。

「引退」は、ただの弱音なので、思いっきり励ますこともありますし、場合によっては叱ることもあります。






「引退」に関して、これまでとは逆に、何歳になっても現役を続けられる選手に共通しているのは、間違いなく全員が「まだまだ上手くなれる」と本気で感じているということです。






イチロー選手、山本昌投手、武豊騎手、三浦カズ選手、葛西紀明選手など、選手としては高齢な方々が「まだまだこれから」、という雰囲気で競技に臨まれているのを目にします。






冒頭に紹介したNumberの中でも、イチロー選手は自らを「発展途上」と表現しています。

実際の表現はもう少し歪曲的です。

個人的にはイチロー選手のそういった表現方法は思考の深さが感じられてとても好きです。






また、JARTAアドバイザーの長谷川トレーナーとの対談企画の際に出てきた話では、長谷川さんがサポートしている武豊騎手もイチロー選手同様に伸びしろを感じているそうです。

※対談企画はJARTA会員様限定の動画企画です。近日中に配信予定です。


イチロー選手と武豊騎手は親交が深く、食事の席でトレーニング談義をしたりするそうです。

そこに同席している長谷川さんが羨ましい…笑






いずれにせよ、選手が本当に自分のパフォーマンスに心から満足し、素晴らしい顔で「引退します!」と言えるようにサポートしていければと思っています。





JARTA

中野 崇