年末からここまで、JARTAの講習会の内容アップグレードに伴う作業やスタッフへの伝達、選手とのやりとりなどなど、かなりやることが多く、最近はこってりした内容の記事が書けていませんでした。






今はプロ野球選手たちの自主トレ帯同で熊本に滞在していますが、少し時間が作れたので、また少しずつ今考えていることを書いていきたいと思います。

 





先ず今回は、「筋トレのもう一つの効果」の続編です。

以前の記事はこちら






筋トレには筋力増強という目的以外に、選手心理独特の作用があると書きました。

我々トレーナーが仮にそのトレーニングを変更させる際、選手が得ているそれらの効果を凌ぐことができるかという側面まで考える必要があります。

つまりこれは、理論的に正しいか否かという観点を超えたところでした。






いくらトレーニングが論理的にまたは科学的に正しいとしても、逆に間違っていたとしても、トータルとして選手にプラスになるのかどうかが全ての基準です。

自分が正しい、間違いない、と思っている理論や手段を持っている人ほど、相手を枠に当てはめようとする傾向には注意しておく必要があります。

これは結構無意識にやってしまいます。

このあたりは、また別の記事で詳しく触れたいと思います。






話を戻すと、この”トータルとして”に関する部分は、非常に曖昧になりがちなのでよく心に留めておいてほしいのですが、「”トータルとして選手にとってプラス”というのは、どういうことなのか」をちゃんと考え抜いておく必要があります。






つまりトータルでプラスという方向性にベクトルを向けたいのであれば、そのベクトルの向かう先を定義しておく必要があるってことです。

向かう方向と距離がわからないまま走ることほど、リスキーなことはないですよね。

特に過酷な環境であればあるほど、リスクは高まります。






昨今、様々な情報が確保できる環境下では、良い意味の言葉は悪い意味の言葉以上に曖昧なまま納得してしまいがちです。






何となく、この方向、、では、はっきり言って選手やチームを指導する立場としては無責任です。






ではどのようにこれらを設定していけばいいのか。

要するにこれは目標設定とそれに関係して手段までを構築するという考え方が必要なんです。





JARTAアドバンス1の4日目で僕がお話ししている5W1Hの部分ですね。

時間的要因、空間的要因、人的要因などです。





具体的には、例えば時間軸だけ考えても、今シーズンをトータルとするのか、この試合をトータルとするのか、はたまたその選手の競技人生全てをトータルとするのかによってもそれぞれの要因は変わります。






そしてそういった部分を考える際に、必ず出てくるであろう「良いパフォーマンス、良い状態」などもやはり曖昧になりがちなので、「良いパフォーマンスとは」「良い状態とは」を定義するという形で考える必要があります。

また、対象がチームであれば、「良い(または勝てる、理想的な)チームとは」を定義する必要があります。





その定義の仕方は、当然ですが一側面だけでは不十分で、関係主義的に構造を捉えて構築していく必要があります。

(JARTAではアドバンス2以降で演習をやっています)






対象となるものを定義化することは、非常に遠回りで面倒と感じるかも知れませんが、上達のためには実はかなり近道です。






使えそうだと思った方は、ぜひ試してみてください。






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中野 崇