ブラジル代表のネイマール選手や、ヤンキースの田中投手など、大物のケガが相次いでいますね。
とても心配です。
復帰した時にまたすごいパフォーマンスを発揮してくれることを願っています。
今回は、全ての選手が直面する可能性のある「ケガ」について、一流選手がどう考えるのかを紹介します。
実際のやりとりから。
中野
「あなたは以前、選手生命を脅かされるような大きなケガをしたよね。そのときは自分のケガに対してどのように考えたの?」
A選手
「自分を成長させるタイミングだと思いました。」
間髪おかずに即答されました。
中野
「でも試合に出られなくなるよね?ポジション奪われるとか考えて焦らないの?」
A選手
「その気持ちは少しはありますが、それで奪われるぐらいだったらその程度の選手なんだなと。それよりもケガをしたことの意味を考える気持ちの方が強いですね。」
中野
「なぜケガをしたのか?」
A選手
「はい。身体の使い方もそうですが、今このタイミングで自分がケガをしたことそのものの意味です。」
中野
「つまり?」
A選手
「自分が今ケガをしたということそのものに、自分の競技人生において意味があるのだろうと捉えるんです。つまりそれが結果的に僕を成長させてくれることにつながるはずだと。そして実際にそうなっています。」
これが一流アスリートです。
お読み頂き、ありがとうございました。
と言いたいところですが、クレームがきそうなのでもう少し解説を笑
選手にとっては、ケガというものは本当に大きな出来事です。
危機です。
たとえ選手生命を脅かされるようなレベルのものでなかったとしても、練習や試合を休むことでポジションを奪われる可能性、監督やコーチから信頼をなくす可能性、自分のパフォーマンスが低下する可能性、など挙げればキリがないぐらいのネガティブな事柄が生じます。
実際には起こらなくても、選手の頭はこのようなことに普通は支配されてネガティブになる、またはすごく焦るのが一般的です。
だから多くの選手は痛みや違和感を隠して、ごまかしながらプレーを続けるのですよね。
トレーナーを悩ませる事例も、多くの場合このような選手心理に起因していることが多いです。
しかし一流になっていけるような選手は、ケガをしたとしても、ケガそのものを成長のチャンスと捉えていたのです。
自分の身体の使い方を見直すチャンス、その競技や自分のチームのプレーを外から客観的に見直すチャンス、ケガした仲間の気持ちを理解するチャンス、控えメンバーの気持ちを知るチャンス、自分のパフォーマンスに対する慢心を知るチャンス、など、選手としてどころか、人間的な成長にまでつなげているのです。
これは驚くべき視点の高さです。
ぜひ見習いたいところです。
ケガに留まらず、様々な要因から選手がネガティブになってしまう状況は多々あります。
しかし、そこでトレーナーまで一緒にネガティブや焦燥感に苛まれている場合ではありません。
かといって励まそうとして無意味にポジティブになられても、僕が選手なら逆効果です笑
つまり、これは僕のトレーナーとしてのスタンスですが、選手がどんな状況にあろうとも、常に淡々と。常に選手の基準になってあげたいのです。
(もちろん結果の喜びは共有しますよ)
そして選手がもしネガティブになっていたら、その状態の違う側面や視点に気づいてもらえるような関わり方をします。
逆に調子に乗って天狗になっているときは、説教します笑
我々トレーナーも、どんな経歴があろうともどんな凄腕だろうと、そして相手がどんなレベルの選手であっても、彼らから学ばせてもらうことは常にたくさんあります。
そしてそれがトレーナーという仕事の醍醐味だったりします。
JARTA
代表
中野 崇