最高のスポーツトレーナーとは。
常に考えています。
「最高のスポーツトレーナー」とは、どんな資質を持ち合わせているのだろうか。
非常に難題ですね。
「最高」の定義にもよりますし…。
一般論としては、
どんな痛みでも即座に解消できるコンディショニング技術。
選手の不調やスランプを解消できる指導や観察眼。
どんなレベルからでも確実にパフォーマンスアップさせてあげられるようなトレーニングの引き出しと選択技術。
選手自身が不調から修正する能力を身につけられるような指導力。
そして、大前提として関係主義を理解していること。
どれもとても重要で、必要ですね。
僕ももちろん、全て欲しいです。
当たり前ですが、そのための努力は惜しみません。
でも、最高のトレーナーって、それだけじゃない。
っていつも感じています。
技術や知識を超越したところで選手がついてきている。
そんな感覚です。
いずれにせよ、トレーナーの能力って数値化できないので、誰かと比べても仕方ないです。
結果として「その選手にとって、最高のトレーナー」になればいいのだと思います。
さて今回の本題ですが、スポーツトレーナーの方を含めて様々な立場の方々からよく以下のような相談を受けます。
「なかなか選手が真面目にトレーニングに取り組んでくれない」
「なかなかトレーニングの効果が得られない」
「選手と信頼関係が築けているか不安」
何が原因でしょうか?
もちろん様々な背景を含めた要因が絡んでいるのは確かです。
僕自身もよくぶつかる問題です。
(以前はそれを選手側や環境の問題にしてしまう、弱い部分もありました…苦笑)
当然、どなたもそれらの状況を改善するための努力は相当されていることと思います。
にも関わらず、もしまだ改善されていない場合は、この言葉を参考にしてみてはいかがでしょうか。
もしかしたらヒントが隠されているかも知れません。
「平凡な教師は言って聞かせる。 よい教師は説明する。 優秀な教師はやってみせる。 しかし最高の教師 は生徒の心に火をつける。」
これは僕が大学の教育学部に在籍していた時に出会って以来、ずっと心に置いている言葉です。これは教育学者のウィリアム・ウォードが残した言葉です。
これは「最高のトレーナー」を構成する重要な要素だと思います。
特に教育には非常に関心がある僕にとっては重要な部分を占めています。
そもそも選手はトレーニングに対してやる気になっていますか?
つまり選手に対してトレーニングとその競技の関係について理解、実感させることができていますか?
ご自身が提供するトレーニングの手本を見せられますか?
これらは全て相互に関係し合っています。
それぞれが前提条件となっているのです。
JARTAの講習会で僕がいつも口を酸っぱくして言い続けていることは、「トレーナーがトレーニングに関して手本を見せられること」です。
出来れば選手より高いレベルで手本を見せることまで求めています。
たとえそれがプロの一線級の選手であっても、です。
これは上記の言葉にある、「優秀な教師はやってみせる」に聞こえるかもしれませんが、スポーツの現場においては違います。
これは直接「選手の心に火をつけること」につながります。
選手は、僕ら一般人に「運動」では絶対に負けないと思っています。
そしてとても負けず嫌いな方が多いです。
そこで一般人と思われている僕らが選手より高いレベルでトレーニングを見せることが出来たらどう思うでしょうか?
やってみればわかります笑
そしてそもそも当たり前のこととして、自分より下手な投げ方の人に「良い投げ方」を指導されても納得しにくいのと同じで、自分より下手な人にトレーニング指導されても、、って選手は思ってます。
トレーニングで手本を示す以外にもたくさん心に火をつける手段はありますが、それは各個人や状況によっても異なるので、ここでは詳細は述べません。
どこかでお会いしたときに聞いていただければと思います。
写真は静かなる負けず嫌いの第一人者、菊池雄星投手の深夜のトレーニング場面です笑
JARTA代表
中野 崇