こんにちは。
スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野です。
最近はJARTAの講習会にもたくさんの学生の方々が参加して下さるようになり、大変嬉しく思います。
私は興味のない授業はさぼるか寝るかの不良学生だったので、学生の頃から有料の講習会に自主的に参加するという意識の高さには頭が下がります。
特に理学療法士の学生団体であるJPTSAの皆さんの行動力には驚かされるばかりです。
先日も関西で会合があるということで、その際にわざわざ数人が大阪まで会いに来て下さいました。
意識の高い学生の方々と交流を持つことはとても刺激になりますし、改めて初心を思い出す良い機会になります。
今後もいろんな形で関わっていけたらと思います。
さて今回は、「スポーツトレーナーという仕事の意義」についてお話します。
僕が今日書きたいことは、JARTAトレーナーだけでなく、すべてのトレーナーの方々の仕事の根幹に関わることです。
それはトレーナーと、スポーツ選手が出す結果との関係性についてです。
スポーツトレーナーという仕事は、スポーツ選手のパフォーマンスアップに関わることが仕事です。
(ケガからの回復も含めてパフォーマンスアップと考えています)
そして選手たちは例外なく、試合や練習で最良のパフォーマンスを発揮して最良の結果を残せることを望んでいます。
ですが、当然スポーツにおける「結果」というものは、非常に多くの、しかも流動的な要素が関係した上で決まります。
例えば、その日の相手、天候(風、湿度、温度、雨など)、グラウンドの状態、審判、観客、本人の精神状態(緊張やトラウマ、前日に彼女と喧嘩したなど)、チームメイト、コーチ、監督、作戦、道具の状態などなど。
挙げればきりがありません。
選手たちはそれらの要素が時々刻々と変化し続ける中で、最大限のパフォーマンスを発揮しなければならないのです。
これだけの多数かつ流動的な要素が関係し合って、選手の結果を決定づけるのです。
そしてそこに含まれるのが、身体の状態。
身体の状態、つまりJARTAで言うところの「ハイパフォーマンスを発揮するための前提を作る状態」は、「競技の結果」という枠組みの中では、それを構成する要素の中のほんの一部に過ぎないのです。
ですので、この点だけ取り上げて「トレーナーの存在はスポーツ選手が出す結果においてあまり意味がない」、、と言う方もいます。
しかしこれは非常に残念なことです。どう考えてもスポーツ選手のことをよくわかっていないと感じてしまいます。
確かに、いくら身体的な要素が良い状態にあっても結果が思わしくないこともあるでしょう。
トレーナーによる調整やトレーニングが結果に直結しないことも多々あるでしょう。
選手自身も、何が結果に結びついているかがわからない方がとても多いと思います。
だからトレーナーを信頼していない選手が多数存在してしまうのも仕方ないのもわかります。
しかし。
「だからこそ我々のような存在が必要なんだ」と僕は考えます。
それだけ不確定要素が多いスポーツという世界だからこそ、トレーナーという存在が必要なんです。
※もちろん関係主義に基づいて、適正なトレーニングを処方できることが前提です。マイナスの学習をさせるようなトレーニング処方をしてしまうトレーナーでは、信頼されないのは当然です。
なぜなら、多種多様な不確定要素の中において、身体がハイパフォーマンスを発揮できるための前提条件ははっきりしているからです。
ご自身が選手だったらどうですか?
不確定な要素の中で、確定できるものは出来るだけ確定させておきたくありませんか?
それが準備というものですし、非常に強い不安の中で競技に備える環境にある「選手心理」だと思います。
僕は、それが出来るのがトレーナーであると思いますし、そのために努力を惜しまないのがトレーナーの存在意義だと思います。
それをせずに、他の不確定要素の存在を理由に自分の責任を軽くする態度をとる方にはこの仕事は向いていないと思います。
もう一度言います。
スポーツ選手が多種多様な流動的不確定要素にさらされているのだったら、その中から確定してあげられる要素をたくさん見つけ出し、
選手が結果を出せるために手段を問わないで最大限支えることが出来るのが、スポーツトレーナーという仕事であり、その存在意義です。
少なくとも、僕はそのように考えて選手に向き合っています。
最後に二つ。
トレーナーとは、「選手の努力の方向性」を決定づける仕事です。
痛みを解消するにも、パフォーマンスをアップするにも、それらは全て選手の努力によるものです。
しかしそこで間違った方向性にトレーニングを向けてしまうとどうでしょうか?
つまりパフォーマンスが上がらないばかりかケガにすらつながってしまうようなトレーニング。
トレーナーが決定づけたマイナスの学習方向のトレーニング、選手はその方向に向かって必死で努力する構図。
こんな光景はもう見たくありません。
もう一つは、
トレーナーという仕事の面白さです。
小難しいことをここまで書いてきましたが、この仕事は本当に面白いです。
そして、本当にやりがいがあります。
選手が目標としてきた成績が残せたとき。
自分が関わっている選手たちが最高の舞台で戦っているとき。
痛みに苦しんだ選手が復帰して涙を流して喜んでいる顔を見たとき。
ものすごい努力を続けて、やっと本人の納得のいくパフォーマンスを発揮できたとき。
ケガをして以来初めて、膝の痛みなくドリブルが出来たとき。
…こっちは涙をこらえるのに必死ですぜ笑
この仕事は、やってきて良かったな~って心から感じられるどころか、ほんとにたくさん感動することができる仕事です。
僕と同じ方向を向いて下さる方、ぜひ一緒に活動していきましょう。
JARTA
中野 崇