「病院で『太ももの筋肉を鍛えましょう』と言われたので、毎日スクワットをしています。」
ボディワークの個人セッションでは、そんなご相談をいただくことがあります。
先日いらしたのは、後期高齢者の女性。
「膝は痛いけれど、筋肉をつけないといけないと思って頑張っています。」
そう話してくださいました。
実際にスクワットを見せていただくと、しっかり腰を深く落とす一般的なスクワット。
もちろん、そのやり方自体が悪いわけではありません。
でも、その方の今の膝の状態を考えると、少し負担が大きそうでした。
そして、ご高齢の方によくあるのが、
「先生にあれこれ言うのは申し訳ない。」
「言われた通りにやらないといけない。」
そんなお気持ちから、多少痛くても我慢して続けてしまうことです。
そこで、腰を落とす深さを調整しながら、一緒にスクワットを行いました。
「これくらいだとどうですか?」
「痛みはありませんか?」
「どんな小さな違和感でも遠慮なく教えてくださいね。外からは分からないので、お話ししていただけると運動の質もぐっと上がるんですよ。」
そうお伝えすると、少しホッとした表情を見せてくださいました。
さらに今回は、
・座ったままでできる太ももの筋力トレーニング
・膝への負担を減らすための上半身のトレーニング
も組み合わせ、ご自宅でも安心して続けられるメニューをお渡ししました。
筋トレは「やればいい」ではありません
「筋トレは身体に良い。」
これは間違いありません。
でも、
「スクワットをすればいい。」
「回数をこなせばいい。」
という話でもありません。
膝に痛みがある方が、痛みを我慢しながら続けることで、かえって関節に負担をかけてしまうこともあります。
大切なのは、
今の身体で安全にできる強度なのか。
そのフォームが身体に合っているのか。
そこを確認しながら行うことです。
実は、膝だけの問題ではないことも
膝への負担は、膝だけで決まるわけではありません。
立ち方や歩き方。
上半身の使い方。
重心の位置。
そして、股関節の動きも大きく関係しています。
スクワットで主に使うのは太ももの前側にある「大腿四頭筋」。
身体の中でもとても大きく、大切な筋肉です。
でも、この筋肉をしっかり働かせるためには、股関節がスムーズに動くことも大切。
最近は、リモートワークや運動不足などで、年齢に関係なく股関節がうまく使えていない方が本当に増えました。
だから私は、筋肉を鍛える前に、まず身体が動きやすい状態を作ることを大切にしています。
私が指導しているボディワークでは、ボディポテンシャルで関節や骨格を整え、筋肉が働きやすい状態をつくってからトレーニングへ進みます。
資格取得講座でも最初にお伝えする言葉があります。
「骨格や関節を動かすのも、邪魔するのも筋肉。」
シンプルですが、とても奥が深い言葉です。
安全に続けられることが、一番の近道
今回のお客様は後期高齢者でした。
筋力を維持することはとても大切です。
でも、それ以上に大切なのは、安全に続けられること。
運動は頑張ることが目的ではなく、日常生活を快適に送るためのものです。
だから私は、一人ひとりの身体に合わせて、「今できること」を一緒に考えるようにしています。
個人セッションのご案内
膝や腰に不安がある方、今の運動が身体に合っているか確認したい方は、個人セッションで身体の状態を確認しながら、その方に合った運動や身体の使い方をご提案しています。
身体の見方を学びたい方へ
ボディワークを「なんとなく指導する」のではなく、身体を観察し、安全に運動を提案できる力を身につけたい方には、ボディポテンシャル資格取得講座をご用意しています。
フィットネス・ヨガ・介護・健康指導など、さまざまな現場で役立つ"身体を見る視点"を、基礎から学んでいただけます。

