投資教育セミナー講師の森田朝美です。
最近気になるのが枝野さんの発言。
「金融機関は東電への債権を放棄をするべきだ」
これってどう思います??
東電はこれから、原発への巨額な補償をしなくては
いけないから、仕方がないのかも、なんて思って
いる人ももしかしたらいるのかも知れませんね。
この枝野さんの意見、私は絶対に反対です!
というのは、金融機関というのは政府が管轄
している公営企業でもなんでもなく、民間企業です。
つまり、民間企業が貸したお金を返さなくても
よくなると、その企業は融資した金額分が
そのまま損失となるのです。
さらに金融機関にも東電と同じく社員がいます。
会社が損失を出すということは、何もしていない
社員にまで影響が出てくるのです。
と、ここまでで話は終わりません。
私がもっとも気になるのが、東電はこれから補償
費用を捻出するために、給料を減額したり、リストラ
も検討する、などとしていますが、それだけではなく
この会社が社員のために退職後支払う企業年金に
ついては言及していません。
これについても何らかの対策が必要なのでは
ないかと思うのです。
*企業年金・・・厚生年金の上乗せになる私的年金制度。
会社によりあるところとないところがある。
ちなみに東電の企業年金は話によると、2種類あり、
将来退職後65歳以降に受け取れるのは、厚生年金
(平均23万円/月)+企業年金(平均25万円/月)です。
もちろんこの金額は人によって違いはありますが、
それでも世の中には厚生年金しかもらえない会社の
人もいるわけですから、いかに金額が多いのかが
わかると思います。
JALも政府の管理下になった際、この企業年金に
ついては、減額となりました。
東電の場合、社員が4万人近くもいるわけですから、
総額で考えると、相当な金額となります。
これについて、まったく触れもせず、金融機関の
債務を放棄しろ、と枝野さんがいうため、私は
理不尽な気がしてならないのです。
民主党になってから、タイミングもあるとはいえ、
なんだかやりたい放題になっている気がします。
このまま金融機関に債務放棄をさせる
気なのでしょうか?
仮に債権放棄を強制的にさせられることに
なった場合、銀行は貸し渋りをすることになるのは
目に見えてます。
もし貸し渋りをした場合、中小企業で倒産する
企業が続出してくるのは想像がつきます。
そうなると、ますます経済の復興が遅れて
くるのです。
これは東電だけの問題ではありません。
枝野さん、そこまで考えて発言をしているのか
教えてほしいものです。