やっとこの記事書きます。
リュック・ベッソン監督作品『レオン(完全版)』を観ました!
麻薬密売組織に家族を皆殺しにされた12歳の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)は、隣室の凄腕殺し屋レオン(ジャン・レノ)の元に転がり込む。復讐のために殺しの技術を教えてくれとマチルダに懇願されたレオンは、渋りながらも少しずつ技を教え込む。マチルダは学のないレオンに字の読み書きを教えた。安アパートでの奇妙な同居生活を通して、両者の間には不思議な感情が芽生えていく。やがてマチルダの家族を殺した組織のボス・スタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン)の正体を突き止めるレオン。スタンスフィールドは、麻薬取締局の汚職捜査官だったのだ。レオンは、復讐を遂げるため単身取締局へ乗り込んでいったマチルダの救出に向かう。辛くも助かった二人だが、部下を殺されたスタンスフィールドに追われることになってしまう。やがて二人が生活する安アパートがスタンスフィールドによって指揮された武装警官隊に完全包囲され…。
『レオン』、ずっと気になっていたのですがようやく観ました。すごいです、この映画。名作って言われてるのもすごく納得。これはすごい。観たのは一週間前なのですが、いまだに思い出すだけでゾクゾクします。
キャッチコピーが「凶暴な純愛」だったそうですが、これはすごくいいキャッチコピー。寡黙な凄腕の殺し屋と孤独な12歳の少女の純粋な愛が、スタイリッシュなアクションとともに描かれています。
マチルダ役のナタリー・ポートマンは、2000人を超えるエントリーの中からオーディションで選ばれたそうです。まさに天才。マチルダ曰く『最高のゲーム』でのマドンナやマリリン・モンロー、チャップリンの物真似は面白いです。芸達者だなー。何十歳も年上のレオンに恋心を抱くところも可愛い。小生意気なところもまた可愛いです。子供と大人が共生しているような不思議な性格のマチルダは、この時期のナタリー・ポートマンにしか演じられなかったと思います。「大人になっても人生はつらい?」ってセリフが好きです。
ジャン・レノが演じたレオンという殺し屋は、劇中で彼自身が語っていた通り「心は大人になれていない」まるで少年のようなキャラクターです。ミルクが好きだったり、『雨に唄えば』を映画館で無邪気に楽しんでいたり、おっさんとは思えない。すぐミルク吹き出しちゃうところも面白いです。2回くらい吹き出してたかな。マチルダに「可愛い名前ね」って言われた時と、「レオン、あなたに恋をしたみたい」って言われた時。レオン可愛いです。寡黙で凄腕の殺し屋という設定なのに、霧吹きもってマチルダを追い回してきゃっきゃしている辺りはそんなんしていていいのか…と思いましたがw微笑ましかったので許す。アパートが包囲されてマチルダとともに逃亡を謀るシーンの鬼気迫る演技はすごかったです。マチルダも見たことのないレオンの姿で、衝撃だったんでしょうね。また捕まるんじゃないかっていう恐怖と相まって、マチルダぼろ泣きでした。
ジャン・レノ、ナタリー・ポートマンを食っちゃうくらいの気違いじみた素晴らしい演技を見せてくれたのが、スタンスフィールド役のゲイリー・オールドマンです。ベートーベンを聴きながらオーケストラの指揮者のように優雅に殺しをしていくシーンは圧巻でした。こわ。”仕事”の前にいつも飲む興奮剤か何かの飲み方もイイ。ほんとにラリってるんじゃないかってくらい不気味です。麻薬取締局の一捜査官にすぎないはずの彼が、何であんなに大勢の武装警官を指揮することができるのか謎です。こわい。ゲイリー・オールドマンかっこいいなあとしみじみ思いました。
どのシーンもすごく好きなのですが、やっぱりクライマックスの盛り上がりはすごいです。絶体絶命の状況の中マチルダだけでも逃がそうと奮闘するレオンと、後でトニーの店で落ち合おうというレオンの嘘を見抜き「気休めの話はよして」と泣きじゃくるマチルダ。マチルダを逃がし、自分もあと少しで助かる、外が見える、ああほらもうすぐ…、観てるこっちももうすぐもうすぐ…!と思ったところで背後から銃口を向けるスタンスフィールドの場面。レオンうしろうしろ!!!と心の中で必死で声援を送る私ですがレオンは気付いてくれず…。ぐらりと倒れる画面に絶望です。あと少しだったのに。あの時マスクを外さなければ、スタンスフィールドに顔を見られていなければ、逃げおおせてトニーの店でマチルダと落ち合うことが出来ていたのでしょうね。切ないです。虫の息のレオンはマチルダの仇を討ってくれましたが、どうにも気分が晴れません。またマチルダが独りになってしまった…。
学校に戻ったマチルダがレオンが大切にしていた観葉植物を庭に植え替えるシーンは良かったです。「これで安心よ、レオン」。マチルダあああ…。もうマチルダよ幸せになってくれという保護者のような感情でいっぱいです。マチルダが幸せになってくれれば何もいらないです。
レオンの観葉植物を庭に植えたマチルダの場面から、カメラがだんだんと高いところへ移っていきます。今までの一連の事件はニューヨークの片隅で起きたほんの些細な出来事にすぎないんだとしみじみ。レオンが今まで殺してきたターゲットにも家族があったと思うし、逃亡のために殺した武装警官にも家族がいただろうし、そう考えるとレオンとマチルダだけを見て悲しい切ないって涙にくれるのはちょっと違和感を覚えるのですがまあそこはフィクションだから深くとらえない方がいいのかな…。
初見ほどの感激はありませんが、何回観ても十分すぎるくらい楽しめるいい映画だと思います。レオンがミルクばっかり飲んでいるので私も牛乳を毎日飲むようになりました。すぐ影響を受ける奴です。それからゲイリー食べ。家でこまごましたお菓子などを食べる際に思わず真似をしてしまいます。めっちゃ楽しいです。こういった点でもかなり長期間楽しめますのでオススメです。DVDかBDが欲しいなー。対訳本も見つけたら買います。たぶんずっと好きな映画。いい映画を見つけられて幸せです。
それでは!