日本の桜が危ないー②/クビアカツヤカミキリムシとは | をだまきの晴耕雨読

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ブログを始めて10年が過ぎました。
開始時の標題(自転車巡礼)と、内容が一致しなくなってきました。
生き方も標題もリフレッシュして、再開いたします。

昨日は注意を引くために、センセーショナルに書いてしまいました。

 

多少の説明不足があります。

 

「松」や「ナラ」はある日突然、樹全体が枯れてしまいます。

 

ところが「クビアカツヤカミキリムシ」による被害は、徐々に徐々に樹勢が弱って枯れます。

 

一部の枝が枯れることから始まるのです。

 

ですから最初は気づくのが遅く、気がついたら取り返しがつかなくなっているという。

 

昨日の赤い部分は制圧された区域ですが、成虫が見つかったり幼虫の「フラス(幼虫のフンと木くずが混ざったもの)」が見つかった区域を示します。

 

研修の為に放置しておいてくれた「フラス」

 

桜が全滅した訳ではありません。

 

昨日も申し上げましたが、生息地は「ロシア南部」から「ベトナム北部」です。

 

これは日本全域に相当します。

 

この「クビアカツヤカミキリムシ」が難敵なのは、羽化して成虫になって木の中からでてくると

 

直に交尾して卵を産み付けるらしいのです。

 

その数1,000個(羽化して成虫になるのは5%)です。なんと50匹もです。

 

産み付けられた卵は幼虫になって木の中へ。2~3年かけて木の中を食べて枯らします。

 

蛹(サナギ)になると、蛹室なるものをつくり壁はカルシウムで囲い薬剤を受け付けません。

 

成虫を捕殺するか、幼虫のフラスを見つけたら「針金」を差し込んで刺殺するしかありません。

 

各自治体も指を咥えているわけではありません。

 

東京都は、40数頁にも及ぶマニュアルを発行しています(2019年発行毎年改訂)。

 

 

懸賞金を出す自治体も多く

 

群馬県館林市は、400匹を上限に1匹50円(2万円です)

 

埼玉県行田市は、10匹500円

 

和歌山県みなべ市は、幼虫の痕跡(フラス)を見つけた人には1万円を

 

和歌山県は南高梅で有名です。その脅威を身に染みて分かっているからでしょう。

(徳島県の桃の被害を知っているからです)

 

不幸にして幼虫のフラスを発見したら、被害木をネットで囲い成虫が羽化して活動するのを防ぐ

 

被害が拡散するのを防止することしかありません。

 

埼玉県生態系保護協会が発行しているネットの巻き方です

 

明石市の石ケ谷公園は、高速道路の入り口にあります。そして近くには産廃処理場も。

 

昨日も申し上げましたが、敵は高速道路(車)を利用して拡散している模様です。

 

わたくしの住むところは有名なインターチェンジがあります。

 

もう飛来しているかもしれません。

 

 

昨日、「吉野桜」が危ないと書きましたが、

 

樹皮に凹凸のある「染井吉野」桜の方が卵を産み付けやすいらしいのです。

 

山桜系は樹皮がツルツルしているので、産み付けにくいのが救いだと言います。

 

成虫は、6月に羽化し8月には寿命を終えます(蝉に似ています)。

 

身の周り桜の木を観察する必要があります。