5月30日。いよいよ北海道に向けて出発。

 

 嫁さんに東岸和田駅まで送ってもらい、7時22分発の関空快速に乗る。車両は225系で、関空快速と、紀州路快速の連合8両編成。

 

 日根野で、切り離されて、身軽になった関空快速は、関空連絡橋を渡り大阪湾の景色を楽しみながら、あっという間に関西空港駅に滑り込む。

 

 ネットでリモートチェックインしていたので、荷物を預けたら、そのまま手荷物検査へ。今日初めに乗るのはANA096便羽田行き。

 

 しばらく待つと搭乗案内があり機内へ。機体は787.後方の41Aの座席だ。

 

 飛行機は定刻通りに離陸。天気は快晴。大阪の景色がよく見える。南港上空で旋回した時には来年の大阪万博の会場の建設現場が見えた。

 

 大屋根リングの建設が進んでいるのがよくわかる。無事に開催されればいいが。

 

 飛行機は、和歌山上空から紀伊半島の上を飛び越えて名古屋沖を進む。

 

お、富士山がきれいに見えるぞ。飛行機から見たらこんなに小さく見えるんだ。

一時間足らずのフライトで羽田着。ここで稚内行きANA571便に乗り替え。

しかし羽田は広い。

 

構内を何百メートルも歩いて、乗り換え口へ。さらにバスに乗って搭乗口へ移動。

乗り継ぎ時間は1時間もあったのに、あんまり余裕はなかった。

空弁を買い込んで機内へ。

 

571便も定刻通り離陸。日本の空の便も正確だ。

 

東北地方に入ったころから、下界は雲の下。飛行機は快晴の下雲海の上をグングン進む。

 

1時間50分のフライトののち、雲をくぐったら、宗谷湾上空だ。あれよという間に稚内空港へランディング。

 

時間は12時30分。朝の8時に家を出て4時間余りで日本の最北端へ。日本も狭くなったものだ。

 

稚内空港からはバスで稚内港へ移動。ところが、300人もの乗客を乗せた便が到着するのに待っていたのはたったの一台。

 

 当然車内はぎゅうぎゅう詰め。立錐の余地もない。発車寸前に運転手さんが、営業所に無線でお客さん全員乗れましたと報告していたから、予備車は用意されていたのだろうが、お客にとっては大変な行程となった。

 

 途中で降りる人は、いったん中ドアから降りて、前ドアから料金を払いに入る始末。ドア付近の人は、バスがとまるたびにいったん降りて大騒ぎ。大変だった。

 

 稚内駅で、降りる人があるかなと思ったのだが、数人しか下りず。稚内港までぎゅうぎゅう運転は続いた。

 

 無事に稚内港へ着いて、さて支払いをと思ったら、5000円札しかない。運転手さんに両替してもらうしかないのだが、人がいっぱいで思うようにいかず、最後に下車する羽目になってしまった。

 

 さて、稚内港からは、ハートランドフェリーで礼文島へ向かう。レンタカーで渡ると2万円以上かかるのだが、人間だけなら二等で3290円。安上がりだ。

 

  しばらく待って乗船。二等の雑魚寝座敷で横になる。結構人が乗っていて、少々きゅくつだが何とか横になるだけのスペースは確保。間もなく船は出航。

 

 海は静か、航海は快適だ。

 

 沖には先行する利尻島行きのフェリーが浮かんでいる。

さて、楽しみにしていた利尻富士は、

あちゃー雲の中。残念。と思っていたら幸運なことに近づくにつれて雲が晴れてきた。

 素晴らしい。この景色。稚内へは何回も来ているがこんなにきれいに利尻富士が見えたのは久しぶり。

 

 2時間の航海で礼文島が近づいてきて。

間もなく香深港へ入港。

利尻島がよく見えている。

 

 花れぶんさんのお迎えを受けてハイエースでお宿へ。

 

お宿の部屋は上層階の海側。なんと部屋からの景色は

まさに最高。港に写るのは、宿の影。寝転んでも、利尻富士が見えるとは。

 

お風呂は最上階にあり、これまた利尻富士を望める。内風呂も露天風呂も、本当に気持ちよく、長旅の疲れを吹っ飛ばしてくれた。

 

 さあお楽しみの夕食。北海道の海の幸、山の幸が並ぶ。中でもおいしかったのは、やっぱり生うに。日本酒によく合う。

 

窓からは少し夕日に染まった利尻富士が。

おいしい食事とうまい酒、さらに素晴らしい景色ときたら、もうこれはいうことなし。最高の夕餉をいただいた。

 

部屋に変えれば布団が敷いてあり、窓の外には月影に浮かぶ利尻富士が。最高のロケーションで眠りについた。

 

 続く