【この記事のポイント】・巾着田の曼珠沙華を堪能した後、高麗峠を経て飯能のシンボル・天覧山へ。明治天皇もご覧になったであろう景色と、アニメ『ヤマノススメ』の聖地巡礼を楽しみます。道中ではGoogleレンズでキノコを調べたり、徳川綱吉の母ゆかりの十六羅漢像に遭遇したりと、知的好奇心を満たす充実のハイキングだったなと。
昨日の記事の続き。巾着田の曼珠沙華を堪能した我々は、次なる目的地の高麗峠へと向かいます。
昨日の記事の続き。巾着田の曼珠沙華を堪能した我々は、次なる目的地の高麗峠へと向かいます。
木漏れ日のハイキングと、ITの活用
一応は山道であるものの、高麗峠の標高はわずか177m。20分ほど、あっという間に峠に到着です。前日の雨で足元の土が少し滑りやすくなっていましたけど、何の心配もない快適なハイキングコースでした。むむっ。倒木に鮮やかなオレンジ色のキノコ、これは毒キノコ?こういう時は、ITの力が役に立ちますね。スマートフォンのGoogleレンズで写真をパシャリ、調べてみると、どうやら「ヒイロタケ」というサルノコシカケ科のキノコのようです。食用には適さないものの、特に毒はないとのこと。なるほど、一つ賢くなりました。木漏れ日が差し込む緩やかな山道。気温もちょうど良く、実に歩きやすい。ハードな山登りも良いですけど、高所恐怖症の私には、これくらいのハイキングコースが性に合っているんですよね。巾着田から3kmちょっと。ここで、多峯主山(とうのすやま)と、天覧山(てんらんざん)への分かれ道に差し掛かります。師匠も、まだ体力が完全に回復したわけではない。ここは無理せず、天覧山へと進路をとることに。アニメの聖地、天覧山からの絶景
天覧山山頂、標高195mに到着です。この「天覧山」という名前の由来は、明治16年、明治天皇がこの山頂から近衛兵の大演習を「天覧」されたことから来ています。かつては愛宕山や羅漢山と呼ばれていたそうですが、この行幸を記念して、改名されたんだそう。そしてこの天覧山は、近年、別な意味でも有名になったんです。それは女子高生たちの山登りを描いた、人気アニメ『ヤマノススメ』。作中で主人公たちが初めて自分たちの力で登った山、それがこの天覧山なんです。アニメファンにとっては、「聖地」と呼ぶべき場所。明治天皇もご覧になったであろうこの景色、眼下には飯能の市街地が広がっています。100年以上前、ここから見えた風景は、一体どんなものだったんだろう。そんな歴史ロマンに、思いを馳せます。歴史との、思わぬ遭遇
下山途中、更なる歴史的な遺物との出会い。岩壁に彫られた、「十六羅漢像」です。これは江戸時代、五代将軍・徳川綱吉の母である桂昌院(けいしょういん)の寄進によって造られたものだそう。「桂昌院」という名前は、最近オーディオブックで聴いていた本で知ったばかり。漢字でこう書くのかと、ここで初めて知ることができました。まさかこんな場所で、その名前に出会うとは思いもせず。天覧山を降り、麓にある飯能中央公園へ。そこにはなぜか、鉄腕アトムの像が。説明板には、「世界で唯一の(鉄腕アトム)銅像」と誇らしげに書かれていましたけど、師匠がかつて調べたところ「この像ができた当時は」という但し書きがつくそうです。現在は他にもいくつか、アトムの像は存在するということですね。師匠の強い"推し"
さて、時刻はまだ10:00前。「この後、どうする? 宮沢湖温泉にでも移動してから、早めのランチにする?」「いえ。どうしても、この近辺で行きたい店があるんです。」と師匠。え、まだこんな早い時間なのに?そう思いつつも、師匠の強い"推し"には理由があるんです。よし、ここは黙ってついていくことにしますか。というところで、続きはまた明日。
【おまけのワンポイント】・『ヤマノススメ』は、飯能市が舞台となっており、作中には、天覧山をはじめ、飯能河原や商店街など、実在の場所が数多く登場します。アニメの聖地を巡るウォーキングも、また違った楽しみ方です。