【この記事のポイント】・高麗王若光の墓を守るのは羊、こういうところに高句麗らしさが漂っている高麗山聖天院
日和田山から下山。次の目的地である高麗神社に向かう途中にあるのが高麗山聖天院。
奈良時代に創建された古刹で、高麗王若光が守護仏として故国より招来した歓喜天が御本尊。この高麗王若光が移住した高句麗人のリーダーであり、聖天院にお墓があるらしい。
山門はかなりの大きさ、重々しい雰囲気が漂っています。江戸時代に建造されたものだそうで、年季が入っているせいか迫力が違います。
山門先の階段を登ったところから先は300円かかるとのこと。300円とはいえ、お金を払うとなると怯みますよね、どうしようか...一瞬迷ったものの、おそらくここに来ることは二度とないはず。よし、入ってみようかな。中門をくぐると境内は広々、立派な庭園に暫し見入ってしまいます。これだけの規模の庭園を維持するのって、結構大変なことだろうな。
庭園の一段上に本堂。これは見るからに新しく、調べてみたら2000年建立とのこと。造りは古式に則っているものとのことですけど、百坪以上もあるというから実は高度な技術が使われているんでしょう。拝んだ後に振り返ると、高麗全体を一望できる素晴らしい眺望、なるほど、これはいい。
本堂の奥には剥き出しの岩、「雪山」と名付けられています。本堂造成時に出現した石灰岩とのことですけど、このあたりは海底が隆起してできた地形、石灰岩が不規則にあちこち埋まっているんでしょう。陽光の当たり加減によって、確かに雪山に見えなくもないかなと。
更に上には塔を建築中、完成すれば、さぞかし眺めがいいでしょうね。それにしてもこのご時世に塔を新たに造るとは、随分と豊かなお寺なんだなとここでも感心。参拝する人も多くはなさそうなので、拝観料300円でここまで稼げる訳はなし。檀家さんからの収入がいいんだろうか。
高麗王若光の墓。白い石塔はボロボロになっているので、後から周囲の建物を作ったんでしょうね。高麗王若光が亡くなった年代は不明ながら概ね西暦700年代前半、1300年も経過していれば、そりゃ朽ちてきて当然ですね。
面白かったのは、狛犬が羊であること。しかもクルクル巻の角というのは、大陸系っぽい感じあり。やはりここは高句麗なんだと感じる一コマでした。

 

 

高麗山聖天院埼玉県日高市新堀990-1042-989-3425拝観時間 8:00〜17:00