昨夜、掲題の映画のDVDを観ました。
http://hakase-movie.com/
 さすがに小泉堯史監督の作品らしく映像の美しい、素晴らしい映画でした。皆さんも是非ご覧下さい。
 何より、出てくる言葉がとても綺麗で、小川洋子さんの原作も是非読んでみたいと思いました。
 主演の博士役の寺尾聰さんは、お父様の宇野重吉さんに姿形がさらに似て来ましたが、円熟味をました演技は宇野さんの演技に勝るとも劣らない、名優のものと言えるでしょう。彼の野球の上手いことや数に強いことにも感激しました。
 シングルマザー役の僕が大好きな深津絵里さん、子役の可愛い斉藤隆成君の演技も素晴らしかったし、案内役の吉岡秀隆君も自然な語り口で「Always 三丁目の夕日」よりずっと良いと思いました。それから、博士の義姉役の浅丘ルリ子は本当に美しかったです。
 子供達も数学をあのように教えられると面白くて堪らなくなるのではないでしょうか。

 「直線は目に見えない永遠の真実。心で見れば、時間は流れない。大事なのはこの今ではありませんか。」
「失うものはもう何もない。ただあるがままを受け入れ、自然に、自然にまかせきって、一時一時を生き抜こうと思う。」
「一つぶの砂に一つの世界を見
 一輪の野の花に一つの天国を身、
 手のひらに無限を乗せ
 一時のうちに永遠を感じる ウィリアム・ブレイク」


山口実 



http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200701310009.html

89歳と言う事ですから、正に大往生と言うところでしょうか。合掌。
日本ではアカデミー出版が超訳とか言って、読みやすい本と言う事で評判になり、10数年前日本でもベストセラーを連発しました。
私も何冊か読みましたが、一番記憶に残っているのは、イラクの人質になり水力発電所に連れて行かれる途中に読んだ、「明日があるなら」。私の「人間の盾」言う手記(もうお読みになった方もいらっしゃると思いますが)から、その部分と前後を紹介します。(毎日新聞の写真、真ん中のヒゲのおっさんが私です。)

         記

8月25日午前9時半、いよいよ出発。この先何が待ち受けているのやら。日本大使館の人間は誰も来ていない。「これでは、何処に何人連れて行かれたのか、把握のしようがないではないか。」(結局JALのスチュワーデスを除いた邦人全員が各人質先へ連行されたが日本政府は何も把握していなかった。これは当時のラジオ放送や新聞で確認している。)移送用のバスの中には、米英仏独人もいる。彼らは車で炎天下数日かかってバグダッドまで連行されており、疲労の色が濃い。それでもミネラルウォーターを用意していて、私達に分けてくれようとする。とても良い奴らだ。
 バスはサダムフセインハイウェーを北上する。一緒に連行された邦人の中には「ひょっとしたらこのままアンマンに向うのでは。」と期待する者もいる。しかし、1時間位走ったところで出くわした左はアンマン、右はシリアと言う運命の別れ道、あっさり右に曲がって万事休す。ユーフラテス川沿いの道を一路北へ。これには皆、本当にがっかり。
 バスの中は暑い。物凄く暑い。エアコン付きだが、とっくに壊れたボロ車で、窓も開かない。外は多分摂氏55度位。バスの中は70度近いと思われる。2時間程走ると、皆くたばって声も出ない。バスに乗った当初から「We shall overcome」を口ずさんでいた私は、急遽景気付けに「兄弟仁義」。「親アのォー血をー引ーくゥー、兄弟ィーよりィーもォー。」邦人の誰かが、「山口さん、歌が暑いからやめて下さい。」そう言えば、演歌は真冬向き。
 仕方が無いので、持って来た本を読み出す。シドニーシェリダンの「明日があるなら。」これがまた酷い。本の粗筋は「亡くなった夫の経営していた会社を引き継いだ母が、詐欺師に騙されて会社を乗っ取られ、その上横領の罪を着せられる。『何とかその汚名を晴らそう。』と娘のヒロインは釈明文を書かせるべく詐欺師の家に行く。『真実を告白してくれ。』と拳銃で脅すが、もみ合いとなり、詐欺師を傷つける。詐欺師は、ヒロインが『家に押し入って絵を盗もうとした。』と虚偽の証言。ヒロインは強盗傷害事件の犯人として逮捕、起訴される。ヒロインは町の有力者の子弟である婚約者に助けを求めるが無視される。挙句の果て、雇った弁護士の『罪を素直に認めれば、刑が軽くなる。』と言う言葉に騙されて、懲役15年の判決を受ける。」
 前編を読んで、「なんや。これは今のわしらと一緒やないか。」最悪な気分になり、本をほおり投げる。(後で気がついたが、後編は警察署長の娘を救助したヒロインが減刑となり、出獄して関係者に復讐をして、大泥棒になると言うもの。そんなん知らんがな。)
 それにしても暑い。バスに乗ってから4時間半、もう殆ど脱水状態。さすがの私もダウン寸前となる。「何とかしてくれ。もう死ぬ。」と思った時、ようやく収容先に到着する。(今でもサウナに入るとこの時のことを思い出して、5分といられない。)


山口実

注:全文をお読みになりたい方は、下記のURLをご参照ください。

http://homepage3.nifty.com/flora-aoi/human_shield/

Chunichi Web Pressに、「週のはじめに考える『前略 大切な人へ』」と言う社説が掲載されています。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20070128/col_____sha_____001.shtml

 私は昔遠距離恋愛をしたことがあって、たくさん手紙を書きました。その数は1年に500を越えたと記憶しています。また、イラク人質の際にも送ることの出来ない手紙をたくさん書き貯めました。これらの手紙は、手元にはなくて読むことも叶いませんが、今読み返せば当時の不安や喜びなど、心の動きが手に取るように分ると思います。

また、それらは多分に日記風のものでしたが、たくさん書いたお蔭で、小さい頃物書きが不得手であった私が、書くことを全く苦にしなくなりました。

私は、想像力を育むために「日頃から小説を読むこと」を学生諸君に勧めていますが、手紙を書くことも勧めたいと思います。

勿論、毎日書いている記事も、僕から皆さんへ送る心の手紙と考えて下さい。


山口実

NHKスペシャルインドの衝撃①を見ました。

11億の国民を持つ国が教育に力を入れて、所謂先進国への仲間に入ろうとしています。

彼らの頭脳の優秀さは、長年インドとの取引に関わり、米国・カナダ・クウェートでも印僑との付き合いがあった私は身をもって経験しています。貧富の差や階級制度が際立っている国ではあるものの、最近の躍進には目を見張るものがあります。

インドが国際社会で注目されていることは、米国が原子力開発を認め急接近していること、中国が経済面で関係改善を図っていることからも良くわかります。中国との政治的対立の中で、中国に代わる製造基地としてインドを議論する人々がいましたが、私は民族的文化的な違いを考え反対して来ました。

私は、日本はインドとも中国とも対等なパートナーとして、手に手を携えてアジアの発展のために力を合わせることが肝要だと思います。そうしなければ、何十年後かには日本はアジアの東の果ての小さな島国として世界から忘れ去られることを危惧します。日本が偏重する米国も既に中国やインドの巨大市場を狙っており、日本は片思いの状態と言って良いでしょう。

私達日本人に重要なのは米国の尖兵となって海外派兵し、戦費を肩代わりすることではありません。技術や経済の先進国として、インドや中国を始めとするアジア諸国と技術面や教育・文化面で助け合ってアジア経済圏を創る事だと考えます。世界は急速に動いていますから、発想を転換しなければ、将来的に日本は米国の一州となるほかないと大変危惧します。

そうならないためには、現在のインドのように考える力を養う教育を見習わなければなりませんし、国民も慢心から覚醒してもっと貪欲に学ばなければなりません。


山口実

asahi.comに掲題の記事が掲載されています。
http://www.asahi.com/international/update/0127/017.html
 米国が同じことをやったら、その賠償金は天文学的な数字になるのではないでしょうか。
 事ほどさように、対立や武力・暴力による争いや間違った思い込みが莫大な代償を払う結果に繋がることを世界の人々が肝に銘じて、対話し、助け合う努力をしなければなりません。
 そのためにも私は微力ながら国連の地道な活動を支援し続けます。


山口実

「久間防衛相、止まらぬイラク戦批判」
http://www.asahi.com/politics/update/0126/006.html
武器輸出三原則を緩和しようとする考えには賛同出来ませんが、久間防衛相の批判は正に正論です。
 上記の朝日新聞の記事を読むと「え、産経新聞じゃあないの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
 日本の大手新聞には体制批判を許さない自己規制のようなものが働いているようです。それは、購読者数争いの結果か、それとも時の権力におもねる故か、何れにしても情けない話です。皆さんには地方新聞の購読をお薦めします。


山口実

  私は大学の講義や学生諸君との話とは別に、年数回講演会の講師をしています。お話しする相手は中高大学生諸君、市民団体や企業の方々です。場所は、中高大学校、公民館、厚生施設、ホテルなどです。また、内容は結構多岐に亘ります。例えば日本の平和外交だったり、中東問題だったり、異文化理解だったり、危機管理だったり、国際経済問題だったりいろいろです。
 しかし全てのテーマに共通しているのは、対話と優しさ・思いやりの大切さです。
 私は、講演をする時表題から決めます。最近で気に入っているものは「農耕民族への回帰を」「隣人への思いやりを」「かけがえのない存在」「対立を乗り越える智恵を」などです。
 今日の題名は「対立を乗り越えて、優しさのリレーを」です。
 今回は講演時間が一時間弱なので、どこまでしゃべれるか分りませんが、一応目次も作りました。優しさの輪が少しでも拡がることを切望します。
                  記

1.活動の原点:湾岸危機の際の在クウェート日本大使館篭城と人質生活
  a)食糧集め
  b)外務省の対応
  c)人質生活
  d)解放
2.サダムフセイン
  a)言葉の貧困な小心男
  b)誰がこの「怪物」作ったか
   ・イライラ戦争
   ・石油利権
   ・イラクの特殊事情
  c)なぜ死刑を急いだのか
  d)「殉教者」サダム
  e)イランに対する攻撃
3.最近の国際貢献活動
  生かされたことに感謝して、対話の大切さと優しさのリレーを提唱。
  具体的な活動は
  a)イラク攻撃反対(新聞記事)
  b)インド洋津波の被災児支援(新聞記事)
  c)国連ハビタットの支援(パンフレット)
  d)キャンパスサポート西南(パンフレット)
  e)音楽(Jazz他)
4.結論
 対立を煽る形で国防の必要性を訴え、軍備を増強しても完璧な安全を保障することは不可能です。武力に頼った和平は、逆に憎しみの連鎖を生み世界の不安定化を促進します。日本政府は憲法を改定し、海外派兵や武器の輸出を推し進めようと画策しているように見えます。しかし、今私達に必要なのは対立ではありません。国内外で言葉を尽くして対話することです。
 私は最近「優しさのリレー」を唱えています。私は酷い方向音痴なのでよく道に迷いました。その時々に、世界の人々は優しく道案内してくれました。僕の役目はそんな優しさをリレーすることだと考えています。優しさの輪(和)が拡がれば、世界はもっと平和になると確信しています。


山口実

少し遅れましたが、掲題の社説が1月21日Chunichi-Webに掲載されています。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20070121/col_____sha_____001.shtml

 私は大学でビジネス英語を教えていますが、辞書を携行することを強く薦めています。言葉と言うのは英語も日本語も辞書を引いて覚えるのは同じで、辞書を引くことを省くと正確な意味も表現も覚えられません。英語を小学生の内に教えると日本語が駄目になると言う人が多いですが、私はそうは思いません。問題なのは、教え方と勉強の仕方だと思います。正しい発音の仕方や学び方を最初に教えなければ、同じ道を行ったり来たりで時間と費用の浪費になります。
 従って、そう言った教育体制が整ってない状況で、小学校の英語教育を義務化することは教育を更に混乱すると考えられ、拙速な導入には反対です。今、私が英語を教えていて強く感じるのは、中学・高校の英語教育法が英語の聴けない・しゃべれない生徒を多く作っていると言うことです。これだけ、視聴覚教育の教材が発達しているのに、とても残念なことです。
 この社説の後半に「安倍晋三首相にも注文があります。イノベーション(技術革新)だのインフラ(社会基盤)だのカタカナ語が多すぎます。『戦後レジーム(体制)からの脱却』など力んだ言い方ではなく、磨き抜かれた言葉が聞きたいのです。『美しい言葉』のない『美しい国』はあり得ません。」とあります。私も賛成です。多分、首相は前首相と同様に英語はお得意でないのでしょう。
 「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」(詩人の茨木の言葉です。)
 一般的に、私達の感性が鈍化していることが、言葉が上手くならない大きな理由の一つかもしれませんね。 


山口実

久しぶりの完全休養日(と言っても大学の成績表をつけないといけないし、やるべきことはたくさんあるのですが)に、少しリラックスした気分でブラジル産の有機農法のコーヒーをDripして飲んでいます。
 明後日異業種交流会で講演をするのですが、その会の世話役の方がご自分でブラジルの有機農法で作られたコーヒーの販売会社を経営しておられて、講演のギャラ代わりにコーヒーを下さいました。彼に因ると「有機農法のコーヒーはブラジルの生産量の0.1%」とかで大変希少なものだそうです。確かに美味しい。
 また、「コーヒーの収穫は気象状況に大きく左右されるため、有機農法のコーヒーを安定的に確保するのは至難の業であり、農園の採算性も良くない」とのことでした。
 そこで思い出すのは、叔父(料理研究家の奥薗壽子の父親)の話。彼は有機農法の権威で、40年近くも前から農薬や化学肥料の人体に与える悪影響に就いて、色々な場所で説いて廻っていました。曰く「農薬や化学薬品の害によって、精神的に不安定な、所謂「キレル子供」が多く出て来る。」
 米国や中国では、広い農場で効率的に生産するために、化学薬品の使用量は尋常ではないし、専業農家の少ない日本でもそうした薬品に頼るところが多いのです。虫も食わないような野菜や農作物を食べて、健康に良い気はしませんし、抵抗力もつかないような気もします。(叔父と違って科学的な説明をすることは出来ないのですがーーー)
 「見た目や合理性よりも、より自然な食品の使用を私達一人一人が考え直すことが必要なのだ」と美味しいコーヒーを飲みながらしみじみ思いました。


山口実